"人の真似をしてはいけない"という呪い
人からもらったアドバイスを、全部言われた通りにやってみたことがあるでしょうか?
私自身は、無いと思います。
どこかしらに自分なりのアレンジを加えてしまって、完全に言われた通りにやってみたことなんて、思い返す限りはありません。
なんでこんなことを急に言い出したかと言うと、キングコングさんのYouTubeチャンネル『毎週キングコング』の「【本音】僕達をバカにしてた芸人たちへ」という動画で、西野さんが、アドバイスを求めてくる一部の人たちに対してこのようなことを仰っていたからです。
こうした方が良いと思いますよって言うやんか。そうすると、こいつ、アレンジしよんねん。いや違う、お前の脳味噌で考えた結果今のお前になってるんやから、だからここ(自分のやり方)はもう捨てないと。
なんでアレンジすんの?アレンジするんやったら俺いらんやん。じゃあお前が勝手に考えとけよって話やん。お前の脳みそで考えた結果この仕上がりになってるんやから。
梶原さんもとても共感した様子で、「わかる」と仰っていました。二人ともそれぞれの分野でとても活躍されている方なので、いろいろな人からアドバイスを求められるのでしょう。
私自身、「なんでアレンジすんの?」という言葉に、とても考えさせられました。自分がアドバイスを求める側だったら、アレンジせずに言われたままのことをすることができないからです。
お二人ともなんでアレンジするのかわからないと仰っていましたが、私はアレンジしてしまう理由には二通りあると考えています。
まず、人の手を借りつつも、自分の力・考えたことによって成功できたという実感を得たいというものが一つ。
そしてもう一つが、そっくりそのままやってみることに対する罪悪感のようなものを持っているというものです。
どちらも、そっくりそのままやってしまったら自分の手柄ではないという発想がもとになっていて、その発想は「人の真似=よくないこと」という風潮から生まれているのでは無いかと思っています。
「人の真似をしてはいけない」
「パクるのは悪いことだ」
こんなことを言われた経験がある人も多いんじゃないでしょうか。
そして、更にこんなことも言われますよね。
「個性のある作品を作りましょう」
「人の意見を参考に、自分なりに考えてやってみましょう」
「人の考え方を真似するのはダメ」だけど、「人の意見を参考にして自分なりにやってみるのは良い」とされていたら、「アドバイスを参考に自分なりにやってみる」のが正解だと思ってしまって当然だと、私は思います。
もっと言ってしまえば、アレンジしないとダメだと思っている人が結構いるんじゃ無いでしょうか。ちなみに私はアレンジしないとダメだと思っている人うちの一人です。
西野さんはこのようなことも仰っていました。
アレンジせんかってみ?せんかったらさ、こっちもっと応援するやん。例えば、こっちがこうした方がいいんじゃないですかって言って、ちょっと苦戦してたら、そらもうこっちはアドバイスした手前、失敗さすわけにいかないから、次から次へと何かしら投下するやんか。
でもアレンジされたら、あなたのものにするんだったら、やるだけまたアレンジされるしやめとこってなるやんか。
考えてみれば、これは当然のことです。アドバイスする側からしたら、言った通りにやってくれない人にはアドバイスしても仕方ないとなりますよね。
もしかしたら、言った通りやらなくて失敗しているところをみたら、アドバイスするために割いた時間を無駄に感じてしまうということもあるかもしれません。
アドバイスを求めたなら、言われた通りそのままやってみるのが礼儀でもあるということです。
それに、もし「オリジナリティ」や「個性」を出したいと思ってアレンジしているとしても、それらは自然と出てくるものであるはずで、下手なアレンジは「オリジナリティ」でも「個性」でもないですよね。
ということは、アドバイスする側の気持ちからしても、アドバイスを受ける側の姿勢としても、アレンジするのはあまり良く無いことであるということになります。
私含め、「アドバイスを受けたらアレンジしないとダメだと思っている人」は考え方を改める必要がありそうですね。
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