見出し画像

変わらないお盆

あっという間に盆が過ぎた。

今年は県外からの帰省自粛で、親戚は帰ってこなかったし、毎年恒例の盆祭りもなかった。
例年より静かで あっという間だったなあ。

帰省客がショッピングモールに溢れてる感じもなければ、
テレビでも 駅のホームがごった返すニュース観ることもなかった。

いつもと違う異例のお盆

みたく言われてて、ん〜と思ったことがあった。

変わらないことのほうが、たくさんあったよな
って。

庭で線香と藁に火をつけて、ご先祖をお迎えする。
「こっちだよ〜、ございよ〜〜、おばあちゃん〜
ございござい〜」とみんなで呟く。

墓参りには、毎日朝と夕方行く。

日によって決まった植物を立てる。
夕方には灯篭に火を灯す。お経をあげる。
おじいちゃんがお経を先導するけど、時々途切れて。

おじいちゃんは墓に向かって
「まあこんなことですが、こらえてごしない」と笑いながら言う。


日によって決まった、お供えのご飯。
私たちの食事も同じものをいただく。

13日は、迎え団子(きなこの団子)に、お揚げと高野豆腐、かぼちゃの煮物。
近くの親戚が来るから、わたしはお寿司とオードブルの買い出し。

14日は、朝からおはぎをつくる。あんこときなこ。あとは、すまし汁。

15日は、お昼頃 素麺。夕方には送り団子。

外で夕涼みしたり、
庭に座布団持ち出して流星群みたり。


家の灯篭にも、仏壇の小さい提灯にも、
火を入れる。

お墓の灯篭には大きな蝋燭を。

夜に車で平地を走ったとき、
遠くの海の漁火よりも もっと近くに、
集合墓地のひとつひとつの光の群れが、
村みたいに見える。

いつもはなにも見えない場所なのに。すごい。

15日にお見送り。
「いなはいよ〜(帰りなさいよ の意)、いなはい いなはい」と火を焚く。

今は健康でいることが大切で、
健康でさえいれば、暮らしや、(少し大袈裟だけど)文化を守って続けることもできるからね。

それを感じました。

今年作った梅干しは、胸焼けがするほど塩辛くて酸っぱいのが出来た。
少しずつ食べて、塩分補給しよう。
元気で来年も会おう、ご先祖さまがた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?