見出し画像

2021年のオンラインイベントはどうだったのか。そして、2022へ。

2021年は、「インタラクティブ」「番組的要素」が核だった。

2021年、「インタラクティブ要素を増やすこと」をさらに求められることが増えました。これは、オンラインイベントが一般的になり、「マンネリ化を防ぎたい」という、主催社の思いが強くなってきたことが理由として挙げられます。

また、CNS Inc.(以下CNS)が請け負う案件では、社内イベントやアワード、ファンイベントなどのオンラインイベントが増え、その中にエンタメ要素を入れ込む依頼も増えていきました。100名〜500名程度が参加するオンラインイベントは日常的に行われ、多い時には3,000名以上の参加者とのインタラクティブな双方向コミュニケーションが求められました。

このインタラクティブ性には、
・使用するビデオ会議システム自体に対する知見。
・アンケートツールなど様々なビデオ会議を補足ツールの知見。

が重要で、常にアップデートされるビデオ会議システム機能と、プロジェクト毎に異なるクライアントからの要望に対する新しいツール情報を日頃から収集する必要がありました。

その上で、その機能を使い「何をやるか」「参加者に何を感じてもらうのか」が重要であり、それを企画する際に我々の本領が発揮されます。そして、これまで培って来たリアルの場に集まるイベントやキャンペーン、プロモーション、オンラインでのwebサイト制作におけるターゲットとのコミュニケーション設計ノウハウをそれらのツールに載せ替えてプランします。

また、「セット・コンテンツ・撮影方法・進行方向・キャスティング」「番組的要素」を盛り込むことで、配信イベントに個性を出していく提案もしてきました。

テレビでの番組制作には視聴者を惹きつけるためのメソッドが、何十年という長い年月の中でアップデートされて来ています。だからこそ我々CNSがプランするオンラインイベントは、テレビ番組出身の映像プロデューサーや制作スタッフと、コミュニケーション設計のプロであるコミュニケーションプロデュースグループのスタッフがチームを組んで「テレビ番組作りのメソッドで構成し、イベントづくりのメソッドでオペレーションする」をコンセプトにオンラインイベントの企画・設計・提供を行なっています。

その時、その瞬間しか味わえないイベントには、たとえオンラインになったとしても、参加者に粘着力強く残る体験にすることが重要です。また、アーカイブされるイベントであれば、元来 ”その一時である” ことが価値であったイベントに”時間軸”という新しい次元を加えた、コミュニケーションの設計を行います。

そして、2022年。「集客要素」の多角化と集客コンテンツの拡充へ。


オンラインイベントが一般化されたために、イベントの最重要要素でもある「集客」も苦戦を強いられるようになってきました。オンライン慣れと、多少の飽きが生まれ始めた人々の登録を集めることは非常に難しく、「どうやったら、登録してもらえるのか」という部分も熟考しなければなりません。

広告媒体への出稿により集客をするだけでなく、制作コンテンツを多角的に使用し、集客のフックとして使っていくことは今や不可欠であり、イベントが収録配信なのか、生配信なのか、クローズドイベントなのか、オープンイベントなのかなど、イベントタイプとターゲットタイプに最適化した集客方法の設計が重要です。

一方で、「オンラインイベント = デジタルコンテンツ」だからこその拡がりも生まれてきました。”映像コンテンツ”としてだけでなく、”音声コンテンツ”としてパッキングし直してみたり、”テキストコンテンツ”として扱うなど、ターゲットへの最適なリーチ方法を探るのは、プランニングする側としても楽しい部分でもあります。

これらの要素を包括的に取り扱うのか、個別的に取り扱うのかは、要件次第になりますが、人々の行動様式が多様化してきた現代においては、”イベント”の型は無数の可能性を探り、柔軟に変換していくことを楽しむ時代になったのだと思います。

YouTube Music には、音楽もあり、ミュージックビデオもあり、歌詞も見ることができる。一つのコンテンツでもそのメディアの種類は様々で、ユーザーの楽しみ方も、どのようなシチュエーションでそれにアクセスするかにより変わり、よりユニバーサルなエンターテイメントとして用意されています。”イベント”というコンテンツを生み出す際にもこれと同じようなことを設計していくのが、これからのイベントなんだと考えます。

また、コンテンツを拡充・アップデートさせることで集客へつなげることも前よりも断然と増えています。記事やサマリーなどのテキストコンテンツとの連動は当然のこと、海外とつながりやすい環境が実現できるため、海外講演者を集客の中心に置くことも特別なことではありません。

2022年は、さらに何かしらの新しい要素が増え、イベントはもっと複合的なものになっていくのでしょう。

我々は、dotを繋いで、新しいイベントの型をつくっていきます。
2022年もイベント業界はそんなdotフルな一年になるのでしょう。


まとめ


2021年にオンラインイベントは、かなり成熟してしまいました。1年前に珍しかったことも、一般化してしまったものも多くあります。その中でイベントは、2022年に向けて新たな段階に入ろうとしています。クリエイティブ思考を求められるだけでなく、プランニング力や実行力が必須となって来ています。

元来イベント制作は、一人では成し遂げられず、協力的なチームプレイが必須です。ですが、来年からはさらにイベント自体の幅が広がっていくため、さらにチーム力を強化していく必要があると感じます。

フィジカルイベントの時は、主に現場運営・ステージ進行・ウェブ/登録サイト制作、クリエイティブマテリアル、広告媒体との連携などのイベント制作力が求められました。現在オンラインイベントでは、上記の項目から現場運営がほぼなくなり、プラットフォーム理解・映像制作・コンテンツ(音声・記事など)作成・デジタルマーケティングの知識と「それを作る人材」と、「それら全てをよく理解し束ねる人材」が求められます。

来年に向けては、これらが洗練され質が高くなっていくだけでなく、上記の知識・スキルを付加出来ないイベント制作チームは淘汰されて行ってしまう危険性もあるのではないでしょうか。これらを肝に銘じ、自分たちを鼓舞しているという現状でもあります。

次回からは、オンラインのネクストフェーズであり、コロナが収まった頃に活性化されるであろうハイブリッドイベントについての考察を始めていきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?