#ぼくからぼくへ
夏の終わりは秋の始まり。
ある人が亡くなった。
居なくなった。
失くした。
見つからなくなった。
変わった。
そんな変化を毎日繰り返すぼくらは
気づけるくらいの大きな変化に
めっぽう弱い。
心を揺さぶられ、
足元が不安定になり、
『恐れ』を感じて、怖れる。
おわりがきたと、思うかい?
ある日ぼくは頭を抱えたよ。
『もう終わりだ。』と。
しかしある人は言った。
『はじまった。』と。
それは、
皮肉を交えた
未来という名の、過去になる。
またやってきたね。
アポも取らずにやってくるそれは、
君の心を壊すもの。
汚い靴で
初めて見るような顔で
よーく知っている顔で
土足のまま
大きなバットを引きずって、
それはやってくる。
引きずるバットの
心と擦れたガラガラという音。
君は不快で、
頭を抱える。
『まただ。』
『また来たんだ、大嫌いなアレが。』
今まで乗り越えてきたものが
積み上げてきたものが、自信が、
ボコボコになる。