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読書メモ|『どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた』

今回はこちら。前々から気になっていた『どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた』という本。

解釈論や精神論ではなく科学的観点から、「そこそこじゃない人生」にたどり着くための方法論を示してくれている本。予防医学研究者の石川善樹さんとニッポン放送アナウンサーの吉田尚記さんの対談形式。

究極のゴールは「朝ワクワクして目が覚めて、夜満ち足りた気持ちで眠れるか」

初っ端に出てきたこれがもはや1番印象に残っている気がします。そんな1日を送れたらなぁ。まず朝ワクワクして目が覚めることなんてないし、できることならずっと寝てたいもん笑。夜はやり残したこととかチェックできてないコンテンツとかが気になって、満ち足りた気持ちとは程遠い。

そしてこれからの時代で「幸せ」になるためには、感情をモニタリングして欲望を発見し、それを忠実に追いかける「自分の感情と向き合う力」が必要なんじゃないかと石川さんは言います。これはまさに最近の自分のテーマでもあって、ふとしたときに「自分は今何を感じているだろう」と考えるようにしてるんですが、本当の感情を見つけるのって難しい。

ハーバード大学の意思決定センターでは、以下のように感情の分類がなされているそうです。

ネガティブ:怒り、イライラ、悲しみ、恥、罪、不安/ 恐怖
ポジティブ:幸せ、誇り、安心、感謝、希望、驚き

これをチェックリストとして、自分が最近どの感情を感じ、感じていないのかをモニタリングしていくと、感情の偏りがわかって面白いのだそう。
そして「感情と思考は結びついており、様々な感情を持った方が世の中を色々な角度から見ることに繋がる」「すべての感情には、いい悪いじゃなくて役割がある」という石川さんの言葉は、「ポジティブな方がいい」という雰囲気のなかでネガティブ感情をニュートラルに捉え直すことに繋がるなと思いました。

感情の話で言えば、習慣化が上手い人は感情のコントロールができる人だという話も興味深かったです。
習慣化の過程では、

何かを始める時:希望か恐怖

継続:ハッピー、エンジョイ

習慣:何も感じない

というような感情の変化があるそう。継続に何か楽しい気持ちが必要というのはなんとなくわかるとして、何かを始めるときの気持ちは希望か恐怖というのが印象的でした。私自身、不安とか後ろ向きな理由から何かを始めることが多く、それを楽しむという形で継続させるのが難しいなと思っていて、楽しいポイントを見つけるとか、その辺りのコントロールが上手くなりたい。

また、思い悩むことが趣味なんじゃないかってくらい色々考えている現状の意義を感じさせられるような部分もありました。

人が成長するってときは、「積み上げていくことによる成長」と「ゆらぎからの学び」の両方がある。

まさに大学入ってから、ゆらぎからの学びを得ている気がします。今となってはもっと早くにゆらぎを経験したかった気持ちも若干ありますが、高校までの積み上げ型の勉強タイプも好きだったし、積み上がれば積み上がるだけ嬉しくて頑張れた。大学に入り、上には上がいるとか、そもそももうその軸では判断されませんよみたいな環境の変化があって、高校までの勉強みたいなのだけじゃダメなんだなとか、自分は何が得意なんだろうとかゆらぎまくって、だからこそ得られたものも大きいのかも。

その他印象に残った文章をいくつか引用。

深刻になっているときって、視野が狭いんです。

将来のために夢を持つんじゃなくて、「今、ここ」の意味を増すために、夢を持つ必要がある。

人生を因果ではなく、因縁としてとらえること。

もちろん科学的に幸せになる方法も書いてあったんですが、それと同時に、科学的側面からみた説明を読んで物事を捉え直すことによって、幸せに向かうマインドをつくっていくための本でもあるような気がしました。

恋愛と結婚の話もめちゃくちゃ面白かったし、サクサク読みやすかったので是非読んでみてください。

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