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中国古代の王立建築の屋根神獣

中国に旅行したことあり、中国古代の王立建築を見たことがある人は、その屋根の上の神獣にとても印象的だろうと思います。これらの神獣の寓意と由来はなんですか、実用的な価値はあるのでしょうか。ここで簡単に紹介します。

北京故宮の片隅


屋根神獣の起源は秦漢時代からです。特に後漢時代の陶楼、画像石などの実物にはすでに脊飾の出現がありました。

漢時代(25年~220年) の陶楼


当時の人々は神獣が彼らを災害や病気から守ることができると信じていて、歴史発展に伴い、屋根の神獣は次第に王立建築の独自象徴となり、皇権の至高を代表していました。古代では、皇帝と皇室のメンバーしか屋根の神獣を装飾として使用できない、一般庶民の使用が禁止です。

屋根神獣の数は主に建物の規模、等級、地位にかかっているです。一般に、屋根獣は単数配列を呈し、建築規模と等級が異なり、数量も異なり、一般的に9個を超えないです。例えば、中国に現存する古い建物の中で最も等級の高い三大殿である北京故宮の太和殿山東省曲阜市の孔廟大成殿、山東省泰安市の岱廟天贶殿は、後の両者は9匹の獣であるが、太和殿は王家の最高権力の唯一無二を示すため、その上で1つ増え、10匹の神獣となりました。

それでは北京故宮の太和殿を例に、これらの神獣の寓意を紹介します。

太和殿の屋根神獣

仙人騎獣は太和殿の屋根の一番先にあり、鳳に乗る仙人で、その後ろには小獣が並んでいて、一番後ろには大きな獣の頭が「垂獣」と呼ばれています。
仙人騎獣の主な役割は、垂稜の下端にある最初の瓦を固定することです。この装飾には深い歴史的背景と象徴的な意味があります。『大清会典』によると、鳳仙に乗るのは中国の戦国時代の斉缗王(?~紀元前284年)に由来します。秦、燕、三晋の連合軍の攻撃に直面し、逃げ場がない時、一羽の鳳鳥が目の前に飛んできて、彼を大河を渡ることに成功させました。そのため、「仙人騎獣」を安置することは軒先に厄を払い、幸運をもたらすの意味があります。

仙人騎獣


垂獣については、屋根の両端に位置し、古代漢民族の建物の屋根に安置されていた獣の一つである。同時に、垂獣は小獣たちと一緒に、神話のようなシーンを構成し、王家建築の威厳と荘厳さを示している。

垂獣

しかし、垂獣と「仙人騎獣」は屋根の上の神獣のカウント範囲に入らず、残りの小獣だけをカウントします。これらの小獣は順に龍、鳳、獅子、天馬、海馬、狻猊、狎鱼、獬豸、闘牛、行什で、合計十神獣です。

十神獣の一番先は「」です。天子を表し、皇帝の地位と権力を象徴し、至高の尊さを表し、古代では皇帝の体は「龍体」、皇帝の顔は「龍顔」と呼ばれます。
龍の後ろに「鳳」であり、羽を彩った百鳥の一番上の存在で、その中で雄は鳳、雌は凰、通称は鳳凰と呼ばれ、昔から聖徳のある人を喩えていました

十神獣の龍と鳳


鳳の後ろに「獅子」です。獅子は勇壮で、王家の威厳と力を展示しており、昔の人のイメージでは、獅子は鎮山の王であり、「猛」と「仁」を兼ね備えた瑞獣と見なされていて、雄獅子は吼え、群獣は威圧しています。王家の門の前にも雌雄獅子の像も設置され、王権の威厳を示します。

獅子


獅子の後ろに「天馬」です。天馬は漢代からすでに尊い象徴であり、皇帝が天下を持ち、威徳が四方に暢達していることを象徴しています。

天馬


天馬の後ろに「海馬」です。海馬は吉祥の象徴でもあり、王家の統制で天下は豊かさと繁栄になり、威名が海外に広がることを意味している。

海馬


海馬の生まれ育ち「狻猊」(さんげい)です。中国古代神話の神獣であり、「龍生九子」の第5子です。獅子のような形を猫科動物の形しているが、動くのが好きではなく、静かで座るのが好きです。穏やかな性格を持っているため、四方を鎮圧し、国の安定を守るという寓意がある。

狻猊(さんげい)


狻猊の後ろに「押魚」(ヤーユウ)です。中国神話では海中の異獣とされ、魚と獣の結合で、興雲作雨、消火防災の達者で、あらゆる全ての事が上手く進むようの意味があります。

押魚


押魚の後ろに「獬豸」です。獬豸(カイチ)の知恵が高くて、人の言葉を知って人間性を知っています。理非曲直を見分け、善悪忠奸を知ることができ、奸邪の人を発見したら、角で倒して食べます。人々が衝突や紛争を起こしたとき、理不尽な側に角を向きます。勇猛と公正なで、王権の“正大光明”“清平公正”“光明天下”の象徴です。なので、今は中国の裁判所の外でも、カイチの像を設置されています。

獬豸(カイチ)


カイチの後ろに「闘牛」です。闘牛は牛の頭と龍の身を持つ神獣であり、雲と雨を左右でき、鎮水の効用もあります。厄除けと瑞祥を象徴し、宮殿を水害から免れるようの意味があります。

闘牛


最後は行什です。十神獣の十番目ですから、名前が中国語の発音で読んだら、十番目の意味も通じます。ちょっと適当の名前ですね!この行什さんは天下唯一の十神獣を揃うために追加したことで、太和殿の特有です!
手は金剛宝杵を持ち、魔を降らせ、翼を持ち、伝説の雷震子の化身です。中国の伝統的な木造建築は落雷に遭遇するのが最も恐れられているため、雷防止の象徴です。

行什


特筆したいのは、太和殿の屋根の両端にある神獣の名前は「鴟吻(しふん)」で、古代神話の神獣であり、龍の第九子です。鴟吻は形態的には魚と龍の結合であり、口は火を飲み込むのが大好きなため、大棟の両端に使われ、火を飲み込んで火を避けるという意味があります。このデザインは美しくて実用的で、皇居を火災の脅威から守ることを目的としています。中国古代建築ではよく見られるデザインです。
中国の古代建築の多くは木造で、火事は最も注意すべき安全事項であるため、大棟の上に「鴟吻」を設計し、火事から建物を守るようの意味です。

鴟吻(しふん)


では、これらの神獣は吉祥避災の意味以外に、実際の実用的な価値があるでしょうか。
答えは「肯定」です。これらの神獣は構造的に瓦を固定する役割を果たし、強風などの悪天候で瓦が滑り落ちるのを防いでいます。また、これらの神獣は屋根がみぞれや雹による屋根への浸食漏れや損傷を防止することもあり、屋根の「鴟吻」も落雷を避ける機能もあり、実用的な瑠璃部品です。
今は神獣たちは、芸術文化の価値を発揮しながら、歴史文物としての宮殿を守り、天下太平を祈っています。

あなたは一番好きな神獣はなんでしょうか?

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