セルフネグレクト・・・ゴミも課題も山積み

 近頃、セルフネグレクトという言葉を以前にも増して耳にするようになってきた。『自己放任、自己放棄』の事である。つまり、生活環境が悪化しているのに、それを改善しようという気力を失い、周囲に助けを求めない状態を指す。ゴミ屋敷や孤独死の原因とも言われている。つまり、SOSを発することが出来ないのである。しかし、セルフネグレクトは高齢者虐待防止法の対象外なのである。

 何故、セルフネグレクトに至るのだろうか。現在まで様々な調査や研究が行われている。その理由としては、科学的には証明されていないが、リスクファクター因子が挙げられている。①合併症②認知症③うつ④アルコール問題等さまざまである。

 セルフネグレクトの状態の場合、SOSを発せないだけでなく、人の関与を拒否することもあり、支援には困難が伴う。しかしながら、前述したように身体、生命に重大な危険が生じる恐れや孤独死に至るリスクも抱えている。その為、必要に応じ高齢者虐待に準じた対応を行う必要がある。

 対応していく為には、支援者が抱え込まず、対応出来る関係部署・機関の連携体制の構築が必要であるが、ここが難しい所だと筆者は考えている。仮説として、既存の疾患が影響してセルフネグレクトを引き起こしているのだとすると、適切な介入方法を模索せねばならない。具体的には、認知症が原因でセルフネグレクトを引き起こしている方ならば、どうだろうか。通常の説得が相手に素直に伝わるのかどうか考えてみて欲しい。つまり、その方により対応方法は多岐に渡り、いかに歩み寄るかが大切と言える。本人のSOSは?関心ごとは?困りごとは?どうしてゴミが必要なの?少しの援助から介入しては?モノやサービスではなく人への信頼の構築など... 繰り返しになるが、だからこそ連携・協働が必要なのである。

 記載しつつ、不勉強さを痛感している筆者なのでした。日頃、より勉強しなければと反省です。ご拝読ありがとうございました。

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