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自ら発見するモノ・コトのおもしろさとその発見の尊さ

これからお伝えする子どもたちの物語りは、ドラマチックなcommonでのワンシーンです。現場では、毎日ここに書ききれないほどのストーリーがあり、私はその一瞬、一瞬に心が感動しています。

生き物が大好きな1年生のS君、H君、Y君。4月の出逢いから意気投合。たくさんの生き物を創り出すことを、とことん楽しんできました。みんな学校は異なりますが、commonで会える日をとても楽しみにしています。

5月GW明け。自分の好奇心を探求し続ける子ども達。つくる活動の中で、子ども達はどのようにしたいかイメージと目標を定めていきます。完成形のイメージはこれまでの経験やcommonにある図鑑からインスパイアされた「本物」です。「本物みたいにリアルにするには?」という問題を解決すべく、とことん考えたり(思考)、とりあえずやってみたり(試行)と試行錯誤。画像6

S君がcommonにある様々な素材を組み合わせ、アメリカンロブスターを作っている時。どうしても、本物みたいなエビの目になるものが見つからず、何度もこれはどうかな?とやってみては、違う・・・ならば、これはどうかな?と試行錯誤を重ねていました。図鑑を観ながら、目の形を確認し、commonの素材の中から何度も本物みないなエビの目の探します。ふと、S君が綿棒の先が「エビの目のように見える!」感じ、先を黒く塗ってみると、、、「っわあ!これ良いかんじ!」と思わずH君の表情もきらっと輝きます。画像11


▼大きさもリアルを追求するS君。PCでアメリカンロブスターの大きさを調べたとき、成人男性の腰あたりまである大きなサイズの写真を見て「ということは、僕はおじいちゃんの腰あたりだから、つまり僕と同じぐらいの大きさかな?」と自分の身体を使って大きさの概念を構築していきます。画像11

こうして、綿棒を駆使して「本物みたいなエビの目」をつくりだしたS君。おしまいミーティングで、その試行錯誤と発見の共有をしました。画像7

S君は「目は本物みたいにリアルにするにはどうしたらいいかな?って色々試したり、図鑑をもう一度よく観察して目がどうなっているか確認したりして。途中で、あ!これいいじゃん!って思いついたよ」「H君やY君が一緒に"いいね!"って喜んでくれて、嬉しかった」と感じていることを言葉にしていきます。

言葉にして誰かに伝えることを通して、自分の試行錯誤を振り返ったり、伝える発信力を培っていきました。commonのミーティングでは、伝えることと聞くことを同時に大切にしたいと考えています。そして、この場面だと、左側の2人のじっと見る視線はまさにそうですよね。

個の成長はコミュニティの成長と紐づいているというように、この後、綿棒の新たな可能性の発見は続いていきました。その日以来、1年生のY君がつくったかたつむりの目、クワガタの目、N君がつくったトカゲの目も「綿棒を目に見立てて」つくり、この発見をcommonのみんなでたのしんでいく様子が見られました。

この時、私は子ども達が「生き物をつくりたい」想いと同時に、またはそれ以上に「自分もこの工夫を使ってみたい!」と好奇心や共感を抱いているのだと感じました。自ら発見したモノ・コトに対する価値の尊さに改めて気づいた場面です。

▼おしまいミーティングで試行錯誤や工夫を発表するY君。画像10

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子ども自身で、試行錯誤する中で自分達で見つけた新たな発見は、かけがえのない宝物。発見した日以来、嬉しそうにこの工夫を取り入れて作品を創り出す姿がほほえましく感じました。【綿棒】をさらに探究していく子ども達。時には、ジンベイザメの骨に見立てたりすることも。画像8

6月中旬。S君はオス、メスの区別をつけながら、カニをつくっている時に、綿棒の真ん中にきゅっと小さな穴をあけることでよりリアルな表現になる工夫を発見しました。

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上記の中のカニの写真は小学館の図鑑NEOより引用

Y君はバショウカジキの背びれの曲線美を段ボール特有の構造と綿棒を組み合わせ表現していきました。画像12

これを見た2年生のHちゃんは「すごいね!私には思いつかないアイディアだし、バショウカジキって今初めてちゃんと知ったよ!」と言い、年上のメンバーからのうれしい言葉に「そうでもないよ」と照れ笑いするY君。友だちからのこうした素直なリアクションが嬉しいよね、と近くから見守っていました。良いところを見つけ、それを言葉にして伝えることが出来るHちゃんの視点やコミュニケーション力、表現力、素直さも素敵だなと感じたり。

そして、この日のおしまいミーティングで堂々と発表するY君。3か月のミーティングを経て、発信力に磨きがかかってきましたよ。画像14

後日写真を見返しているとS君のやさしさにも気が付きました。それは、自立しないバショウカジキの背びれをそっと支え見えやすくすることで、Y君の発表を応援していたのです。

commonでは日々の活動を写真や動画で毎日記録しています。それらを用いて、ドキュメントを作成し、子ども達の活動のプロセスを見える化し、commonでの物語りを紡いでいます。保護者の方、子ども達、スタッフ間、地域の方と遊びや活動の過程、その中にどのような学びや育みがったか、見とりの共有を通して、一人ひとりの良さや可能性の発見、次への支援に繋げています。

ちなみに、バショウカジキを作っていたY君。カジキのお腹あたりのふくらみと段ボールの四角く、直線的な形がイメージと合わないということで、解体し、背びれのみ今は保存しています。今後が楽しみですね。


さて、今回の物語りには、もう既ににご存じの通り、たくさんの学びや成長がありましたよね。「本物みたいにリアルにしたい」という彼らの探求心や創造力、そして何よりも生き物が好きという想いから生まれた綿棒の新たな可能性の発見。自ら発見したモノ、コトの価値の尊さ。個の成長がコミュニティの育みにも繋がっていること。試行錯誤して良かったというかけがえのない成功体験が、その姿勢や後までやり遂げる力(GRIT)に繋がっていることetc...


もちろん公教育、つまり学校等でもこれらの育みは見られますし、ご家庭でもあると思います。

時代が急速に変化し、地域で群れて遊ぶ放課後や休日の過ごし方が減ってきています。子ども達が自ら考えて、自分達で決められるような主体的なたのしい機会を取り戻し、私たちcommonは【遊びの中の学び】という子ども観を、保護者の方や地域の皆さま、この記事を読み、共感してくださったあなたと共に大切にしていきたいのです。

最後までご覧いただきありがとうございました。commonでは、個別説明会も受け付けております。個別説明の詳細、お申し込み方法はこちらから!素敵な出逢いを心待ちにしております。

コミュニケーター宮田

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