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おくすり

「あら…ねつがあるわ…」

あるひおきたときに,ぼくのおでこをさわったおかあさんはそういいました。

おかあさんはぼくをだっこしてくれました。そしてぼくにうわぎをきせてくれました。ぼくはとくになにもかわりないきがします。でもほっぺたがすこしあつかったです。

おかあさんはぼくをびょういんにつれていってくれました。しろいふくをきたおいしゃさんがぼくのくちやはなをみてくれました。

「きみのからだはね,いまわるいものとたたかっているんだよ。だから,それをたすけてくれるおくすりをだすね。」

おいしゃさんはぼくにそういってくれました。

そのあと,かんごしさんがぼくたちをいりぐちまでつれていってくれました。そしておかあさんはそこでおさいふをだしました。

「おかあさん,おくすりは?」
「おくすりはね,べつのところでもらうんだよ。」
「へー,そうなんだ。」

おかあさんはぼくをだっこして,べつのたてものにぼくをつれていきました。かんばんには「おくすり」とかかれていました。

おかあさんはいりぐちのおんなのひとにかみをわたしたあと,ぼくにジュースをかってくれました。ジュースをのんでいると,おとこのひとがぼくたちをよびました。

おかあさんはぼくをだっこしておとこのひとのところへいきました。そのおにいさんはつくえのうえにみたことがないものをならべていました。

「これはね,きみがげんきになるためにひつようなおくすりだよ。」
「おくすり?これがおくすりなの?」
「そうだよ。きみのからだはいま,そとからはいったわるいやつとたたかっているんだ。だからきみのからだをたすけるために,これをしっかりのむんだよ。」

びょういんでおいしゃさんがいったことと,まったくおなじことをこのおにいさんはいいました。

「おにいさん,びょういんのおいしゃさんとおなじこといってるね!ちがうたてものなのに!」
「そうだよー。これはそのためのおくすりだからね。」
「このおくすり,おいしいの?」
「のみやすいようにあまくしてあるから,おみずでのめばだいじょうぶ。」
「そうなんだね!」

おにいさんはおくすりのことをぼくにはなしてくれました。

「おかあさん,このひとすごいね!おくすりのことすごいはなしてくれる!」
「このひとはねー,やくざいしさんっていうのよ。」
「やくざいしさんってすごいんだね!」
「そうよー,すごいのよー。」
「そうなんだね!ぼくもやくざいしになりたい!」
「いいわねー。」

おにいさんもおかあさんもわらっていました。

おうちにかえったあと,ぼくはおくすりをのみました。そのあとおかあさんにおやすみして,ぼくはぐっすりねむりました。

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