休学中や卒業後にじっくり暮らすなかで見つけた、人とのつながり方〜CMC7期生振り返りレポートvol.3〜
大学で学んでいることがイマイチしっくりこない。
就職するまえに、もっと自分の知らない世界を見てみたい。
でも明確な目的はないし、何をしたらいいのだろう?
休学など一定の時間をとって、自分のやりたいことを探求する時間を「ギャップイヤー」と言います。
海外では大学入学前や在学中、卒業後にギャップイヤーをとることは一般的ですが、日本ではそこまで増えてはいない印象です。
だから、海外留学やインターンといった休学中の選択肢も増えつつあっても、明確な目的がないから……。と足踏みしてしまうとの声も度々耳にします。
あまり目的を定めず時間をつくってみると、そこから思わぬ発見やヒントが見えるもの。明確な目的や今の自分に必要なことを探す時間をとることも、十分な目的になるのではないでしょうか?
今回は7期生の振り返りレポート第3弾として、7期生のわたるとみなをゲストに迎えました。
わたるは大学卒業後に広田町の暮らしを体感したいとCMCに参加。みなは休学期間の1歩目として、人との心地よい関わり方を探求しにCMCにやってきたそうです。
CMCでじっくり暮らすなか見えてきたのは、目的がなくても人はつながれる実感と、言葉以外でも人とコミュニケーションできるということだったそう。
4ヶ月間暮らすなかで気づいた、2人の人とつながるヒントを教えてくれました。
卒業後の選択肢として、休学の第1歩として
ー今日はよろしくお願いします!早速だけど、2人がCMCに来た理由を教えてもらえますか?
わたる:僕は広田町での暮らしに興味があったことと、CMCの運営団体であるSETに関わりたいと思ったことが大きな理由です。
大学生の時にCMSPの活動で広田町に関わりはじめ、暮らしやSETで働いている人たちに興味を持ったんです。
大学生の時は就職して関東で働くか、広田町に行くか迷っていました。卒業が危うい状況になり勉強に専念した結果、就活がうまくいかなくて。結果的に広田町に行くことが選択肢に残った感じです。
元々SETで働きたいと思っていて、いろんな関わり方を模索したいと思っていたし、CMC3期生のわたるんから「CMCで自己管理方法を学んだ」と聞き、自分も自己管理できないといけないなと思ったので参加を決めました。
といっても、今でも自己管理できないんですけど(笑)
ーSETの人たちや広田町に興味を持ったのはなぜかな?
わたる:SETで働いている人が好きだったんです。一緒に話していると楽しいし、一緒に暮らしてとても心地よかったんですよね。
あと、広田町の人たちは楽しそうに暮らしているイメージがありました。シェアハウスで一緒にご飯食べ、夜遅くまで話す。畑とかワカメとか自然に触れる機会が多いから、そのライフスタイルがとてもいいなって思いました。
だから働くなら、こういう人たちと一緒に働いて、広田町のライフスタイルで生きてみたいなと思ったんです。
ー働くことと暮らすことが一体になって考えているのは面白いね。みなちゃんはもともと広田町のこと知ってたの?
みな:知らなかったです。CMCは2021年の春ごろにTwitterを通じて知りました。半年後、来年は休学しようと決めたとき、CMCの休学に関するイベントを見つけて、思い出しました。
ーなんていいタイミング……。休学はなぜしようと思っていたの?
みな:私は将来、自然が豊かな地域で暮らしたいと思っていて。でも、生まれも育ちも名古屋であまり外に出たことがありませんでした。
だからもっと外に出て、自然に関わる時間をゆっくりとりたかった。だから休学を決めました。
休学するとは決めたものの、私は元々人と関わることに自信がありませんでした。だから、休学してすぐにいろんなところへ行く前に、じっくり人と暮らす体験をして、心地よく人と関われる方法を見つけたいと思いました。
それを後の休学中の活動に活かしたいなと。だから、休学の最初にCMCへ行くことを決めました。
ーなるほど。休学期間の土台をつくる時間としてCMCを選んだね。素敵な選択です。
言葉ではないコミュニケーションが意外と安心する
ーみなちゃんは人との心地よい関わり方を見つけたいとのことでしたが、CMC期間中に発見はありましたか?
みな:CMCに参加してみて、人によって相手と繋がれるものが違うと気づきました。人によって、相手とつながりやすいツールは言葉以外にもあることが面白いなと思いました。
わたる氏の場合は音楽だよね。
わたる:そうだね。僕が音楽を始めたのは小学校の時にバイオリンをはじめたことがきっかけで、大学時代から自然に作曲をはじめて、CMC期間中もずっと作曲してましたね。
ーわたるくんは音楽が誰かとつながるツールになっている感覚はあった?
わたる:そうですね。CMC期間中かは覚えていないんですが、ある時から自分は話すのが苦手かもしれないと思ったんです。
だけど、誰かと音楽の話題で盛り上がったりとか、一緒に曲を作ることはとても楽しくて。自分は音楽を通して人とコミュニケーションをとっているんだなと途中で気づきましたね。
ー自分の好きな「音楽」が間に入ることで、相手とつながりやすくなると。
わたる:そうそう。音楽でも一緒に演奏する以外に方法はいろいろありますよね。
例えば、今回のインタビューで自分は新しいマイクを使っています。これも自分が話しやすくなるような一種のコミュニケーションだったんじゃないかと思うんです。
「マイク」っていう象徴的なものを置いておくことで、自分が音楽をやっているんですと自然に話せる。相手は面白がってくれて、自分を音楽をやっている人だと認識して話してくれる。
それが結果的に自分が安心して話せる環境をつくることにつながっているんですよね。
ーなるほどなあ。自分が安心して相手とつながれる環境をつくることも、相手とコミュニケーションする上でとても大切だよね。みなちゃんはそういうツールを見つけたかな?
みな:なんかジェスチャーが多かったですね。私は言葉にするのに時間がかかったり、ちょっと面倒くさいなと思ったりすることがありました。
でもOKとかはさっとポーズするだけで伝わるからよくやってました👌👍。
あとは、小躍りとか。
ー小躍り……?(笑)
みな:なんか自分が好きな景色が見えたときにちらっと踊ってました。それをみてメンバーが笑ってたり、時には一緒に踊ったりしてました。楽しかったなあ。
ーそれ想像するだけでめっちゃいい光景だね。私もそこにいたかったな。
一緒に暮らしてたら、問題は自然に解決していることもある
ーわたるくんは暮らしているなかで発見はあった?
わたる:ありました。誰かと暮らしているなかでは、問題を解決しなくてもいいときがあるって気づいたのは大きかったですね。
ー問題を解決しなくてもいいときがあるってどういうこと?
わたる:無理に解決しない方がいい時もあるって感じですかね。僕はシェアメイトのもっちーとよく喧嘩してたんですけど、その時はなんとか話し合って解決しようとしてました。
でも、もっちーに「話したくないこともあるし、話したくない時もあるでしょ」と言われて。言葉だけで解決しようとしなくてもいいなと納得したんですよね。
何かのプロジェクトに参加していたら、問題を解決しないと進まないですよね。でもCMC期間中、僕たちは「暮らして」います。
「暮らす」とは、同じ場所にいる人と時間を共有することだと思っていて。もっちーと僕が喧嘩をしていても、他のメンバーが間に入ってくれて、一緒にご飯を食べて、同じ家の中で同じ時間を過ごします。
一緒に暮らしているうちに、解決しようとしてた問題が自然に問題で無くなっているときがあるんです。だから解決しようとしなくてもいい時もあるんだと思いました。
ー問題を焦らずに保留にすることで自然と解決できちゃう。それは暮らしで常に一緒にいるから自然と信頼感が培われるのかもしれないね。おもしろい。
何もしない余白の時間を暮らす中で、見つけたもの
ー今までCMCでの学びをを振り返ってきましたが、2人にとってCMCはどんな時間だった?
わたる:とてもいい時間でした。今日話した気づきもあったし。何より自分にとっての大きな気づきは、余白の時間があれば自分は音楽を作るんだってことです。
この気づきのおかげで、これからアーティストとして頑張っていこうと思えたから、CMCに参加してよかったなと素直に思います。
ー自分の好きなものに出合い直したんだね。みなちゃんはどうでしょう?
みな:CMC終わったあと、いろんな地域を巡るなかで、CMCにいたことを話すと「何してたの?」とよく聞かれました。でも、その時は「のんびりしてました」としか言えなくて。
でも今日みたいにじっくり思い出すと、モワモワと色々出てくる。それが本当に暮らしっていう感じだったんだなと。それがおもしろいと思える時間でした。
ーじっくり他者と暮らす時間から得られる2人の気づきは、誰かにとってもいいヒントになるんじゃないかな。今日はとっても豊かな時間でした。お2人ともありがとうございました!
わたる:こちらこそありがとうございました!
みな:話しやすい時間でした。ありがとうございました。
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