「業務の標準化」について考えてみる
皆さまこんにちは。2020年に新卒として株式会社コンピュータマネジメントに入社し、Webマーケティングを担当している入社4年目のMです。
2021年11月、私は1つ上の先輩社員とともに、自社コーポレートサイトのリニューアル担当に任じられました。
旧サイトからのコンテンツ移植、新サービスページの追加、お問い合わせフォームの改修、ブログ創設など、今まで約2年にわたり二人三脚でコーポレートサイトの「再構築」を進めてきました。
その中で私は、薄々感じていることがありました。
このままだと、特定の担当者しか業務の進め方が分からない、いわゆる「属人化」状態になってしまい、万が一私に何かあった場合は誰も運営に手出しできなくなってしまいます。
となると、誰が・いつ自社コーポレートサイトの運営担当になっても業務をスムーズに回せるよう、業務プロセスやドキュメントの「標準化」を進める必要が出てきます。
これはコーポレートサイトの運営に限った話ではなく、企業の永続的な発展や生産性向上のためには、どの分野でも避けては通れない問題です。
そこで今回は、企業成長には欠かせない取り組みともいえる「業務の標準化」について、少し考えてみたいと思います。
業務標準化のベストプラクティス
最近私が読んだ本の中に、『御社のシステム発注は、なぜ「ベンダー選び」で失敗するのか』という本があります。
ITプロジェクトの現場を20年以上経験している著者が、システム導入やDX推進を検討しているユーザー企業の担当者に向けて、自社にとって最適なベンダーを選定するために意識したい「心構え」について提唱しています。
その「コラム」の中で、提供するサービスすべてが徹底的に「標準化」されているベンダー「A社」の事例が取り上げられていました。
著者も「畏敬の念すら覚えた」「ただただ感動した」と衝撃を隠せないほどの徹底ぶりだそうで、どんな内容だったのか少しかいつまんでご紹介できればと思います。
「仕組み化」をとことん追求したA社
著者は、計3回A社と邂逅を果たしました。
1回目、とある企業のパッケージ選定を支援した際に、A社が発注先として選ばれました。
2回目、別の企業でパッケージ選定を支援した際に、再びA社が選ばれましたが、前回とはメンバーが全員異なり、著者の知っているメンバーは1人もいませんでした。
にも関わらず、A社から出てきたドキュメントが、資料の構成やレイアウト、色使い、タスクの内容に至るまで、すべて1回目の時と全く同じだったそうです。
3回目、また別の企業のパッケージ選定支援でA社と対面し、著者は「たとえ担当者が誰であろうと、A社の行動パターンは絶対に揺るがない」と確信を得ました。
それもそのはず、著者に個別でメール相談が来るタイミングも、プレゼンで出てくる資料も、プレゼンに臨むメンバーの服装も、決めゼリフも、1回目や2回目の時と全く一緒だったのです。
A社は企業経営の「超理想形」
著者は、この「コラム」の中で、
と語っています。
自分1人では到底実現できないビジョンを、複数人で集まって実現させる場が「企業」であり、そこには多様な背景や価値観を持つ人々が集まります。
ただ、人が集まっただけでは秩序も何もない「烏合の衆」に過ぎないため、1つの組織としてまとまりを持ち、全員が同じ方向を向いて大きな目標を達成するためには、やはり「道しるべ」が必要になるでしょう。
その「道しるべ」こそ、誰が・いつ・どんな状況で手を付けても同じ結果を得られる標準化された「ドキュメント」であり、「業務プロセス」なのだと思います。
「引き継ぎ書」は業務と同時並行で作る
誰もが一定の品質を保って業務を遂行できるようになる「業務標準化」を実現するための第一歩として、「属人化」防止に向けた「業務引き継ぎ書」の作成は欠かせないでしょう。
この時、担当者の異動や退職が決まってから慌てて引き継ぎ書の作成を開始するのが「あるある」だと思いますが、私が以前所属していた部署では違いました。
そこでは、直近で部署メンバーの異動や退職が予定されていないにも関わらず、既にWordファイル30ページにもわたる「引き継ぎ書」が作成されていたのです。
内容としては、部内の年間作業スケジュール、日次・月次処理、各業務の流れや対応手順などが記載されており、すぐにでも後任者へ仕事を引き継げそうな状態でした。
ではなぜ、近々担当者が変わる予定も無いのに、何十ページにもわたる引き継ぎ書が既に部内で存在しているのでしょうか?
それは、部署メンバーが日常業務と同時並行で、コツコツと引き継ぎ書への追記を繰り返していたからです。
私も以前所属していた時は、
と口を酸っぱくして言われました。
人間はとにかく忘れる生き物なので、自分が業務を離れる直前になって慌ててドキュメントを準備しても「時すでに遅し」で、絶対に抜け漏れが発生します。
そうなると、業務遂行のために必要な情報を過不足なく後任者に伝えられず、引き継ぎ不備によるトラブルが起こることになります。
「後でまとめて作る」のではなく、業務を進めながら「コツコツと書き込みを続ける」ことで、時が経つと忘れがちな「ちょっとしたノウハウ」も部内で連綿と受け継ぐことができるというわけです。
まとめ
今回は、業務が特定の担当者に依存してしまう「属人化」状態を解消するためのカギであり、企業の成長・発展には欠かせない「業務の標準化」についてお伝えしました。
業務プロセスやドキュメントの「標準化」は、間違いなく企業にとって永遠の課題といえるでしょう。
私も、誰が担当になっても自社コーポレートサイトの運営がスムーズに行えるよう、ドキュメントの作成をコツコツ続けていきたいと思います!
それでは今回はこの辺で。次回のnoteもお楽しみに!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!