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【車両紹介】 マニ24-500(北斗星電源車 / JR東日本、JR北海道)

北斗星3・4号の定期化や季節列車や臨時列車の運行に伴い電源車が不足していたため、当時日本国有鉄道清算事業団が所有していた休眠状態の荷物車、マニ50を改造して作られた電源車です。
マニ24ー501がJR東日本、マニ24-502はJR北海道に所属していました。


電源車(車番:501、502)

この形式は2両しかありませんでしたが、JR東日本とJR北海道でそれぞれ1両ずつ配備されました。同時期に改造されたためか、差異はほとんどなかったようです。

外観の特徴

マニ24-502の通路側。車両の裾は絞られていない

ストレート車体であるマニ50が種車になっているので、北斗星の編成に組み込まれると一目でわかる異様さがあります。
まず、屋根の形状が24系客車と合わなかったため、車掌室上のあたりから前位側妻面にかけて飾り屋根が取り付けられました。また、荷物運搬口は片扉に変更され、車掌室側の貫通路は埋められました。
機関更新後の発電機を搭載して冷却装置は床下に設置したこともあり、屋根上には排気管のみでファンは無く、車両側面にルーバーもありませんでした。

24系の車両断面に合わせるために、車掌室上から前位側にかけて飾り屋根が取り付けられた

JRマークもカニ24とは違って後位側にあるなど、同じ電源車とはいえ見た目上はかなりの違いがある特徴的な姿になっていました。

JRマークは後位側にあった

後位側の妻面は、貫通扉は埋められていて、切妻に違い形状になっていました。そのため、種車時代の面影を残しつつもカニ24-500に頑張って近づけたような不思議な見た目になっていました。

左のカニ24-500に近づけたような外観になっていた

車内の特徴

マニ24-502の寝台側の室内全景

マニ24-500は荷物車を種車としていることもあり、カニ24とは違った車内レイアウトになっていました。
車掌室は後位側に設置され、配電盤も車掌室内に取り付けられてたので、カニ24のように後位妻面側の窓から見えるようなレイアウトにはなっていませんでした。

妻面側はデッキになっていて、配電盤は車掌室内に設置されていた

機関室には軽量小型の発電機が2基搭載され、それぞれ防音カバーが取り付けられていました。防音カバーが取り付けられている部分にディーゼルエンジンが格納されていて、小さく飛び出た円筒形のところが発電機になっていました。

ディーゼルエンジンは防音箱内に設置され、発電機はその隣に設置されていた

荷物室は前位側にありましたが、相応に広かったようです。
また、種車のマニ50の名残か、車両両端にデッキが設置されていたのも特徴です。後位側のデッキには、推進運転時の設備もあったようです。

デッキと電源室の間に荷物室があった

模型化の状況

Nゲージでは、マニ24-501をプロトタイプとして模型化されています。
92792 JR 24系25形特急寝台客車(夢空間北斗星)セットに入っているのですが、このセットはこれまで何度か再生産されていることもあってかレア車の割には比較的入手機会がありますし、値段は安くはありませんが入手しやすいかと思います。
私は2017年ロットのものを持っていますが、恐らくどの時期のものもそこまで差は無いのではないかと思いますが、手元にデータが無いので中古で購入される際には良くご確認ください。

JR東日本のマニ24ー501もJR北海道のマニ24ー502も時期によるHゴム色以外でほとんど差異が無かったようですので、お手持ちの編成に合わせて好きな方の車番にすると良いかと思います。

なお、夢空間セットに入っているためかテールサインは印刷されておらず、ご自身で好きな列車のマークを付けることができます。私は北斗星1・2号に組み込むので北斗星のマークを自作して貼り付けてみましたが、自作できるのであればニッチな列車の再現もしやすくてまさに臨時列車運用向けの仕様になっているかと思います。欲を言えば、夢空間は印刷済みで交換用の印刷無しパーツ付属とかだったら良かったのにとは思いますが。

カニ24の印刷済みテールサインと比べると、インクジェットの限界を感じる

マニ24-501、マニ24-502

マニ24-502の全景

92792 JR 24系25形特急寝台客車(夢空間北斗星)セット
種車同様のストレート車体に飾り屋根の姿を再現。

実車の状況

車両落成当時、北斗星3・4号の定期化や季節列車など運行にあたって電源車の運用状況がかなり厳しかったこともあり、珍車ではあるものの良く編成に組み込まれていました。特に、JR北海道は北斗星1・2号の2編成と北斗星3号の3編成を担当していたにもかかわらず電源車は3両のみで元々電源車のやりくりが厳しかったため、このマニ24-502はどの編成にも頻繁に組み込まれていました。

JR東日本のマニ24-501もJR北海道ほどではありませんが、北斗星や夢空間、エルムといった列車を始めとして、出雲にも組み込まれることがあったようです。

JR東日本のマニ24-501は、寝台列車の運用本数が減ったことで電源車に余剰が出たため2006年に廃車となりました。
JR北海道のマニ24-502は、定期北斗星の1位往復化に伴い電源車が不要になったため2010年に廃車となりました。その後は、どうも海外譲渡されたうちの一両として海を渡っていたようで、特に整備されることも無く放置されているようです。

▼実車データ
マニ24-501:1989.7.10改造、2006.6.8廃車。種車はマニ50-2048。
マニ24-502:1989.7.10改造、2010.3.24廃車。種車はマニ50-2070。

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マニ24-500を組み込んだ編成の紹介

<北斗星1・2号JR北海道編成に組み込む予定>

整備記録

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