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スタートアップ・グローバルと地球環境・SDGsは「敵同士」??

10月29日:ラグビー日本代表対NZ代表(オールブラックス)、MLBワールドシリーズ第1戦、日本シリーズ第6戦…といろいろスポーツの試合が重なった日。私も実はバッティングがあった。

1)福岡市のスタートアッププログラム「Global Challenge」の初日
2)長崎で開催の脱炭素まちづくりカレッジのサポート要員要請

私が採ったのは、1)。正確には、10月初めに2)の要請を受けた時は、1)はまだ募集中の段階で、参加が正式に決まっていなかったが、1)に申し込むことを前提に「この日は都合が悪い」と言って、断っていた。

しかし、SDGsや地球環境問題、気候危機に関心を持つ私自身も脱炭素まちづくりファシリテーターになったばかり。今後開催を目指すには、2)に参加してできるだけ運営経験を積むことも大事。この貴重な機会を自ら失うことにもなる。

どちらが正解だったか…面白い経過になった。

参加したGlobal Challengeの初日。グローバルなマーケットの大きさ、アメリカなどでグローバルにビジネスを行うことの覚悟、「おれの方がいけてる」と自信を持つ必要性(ここが日本人に欠けているポイント)…という話が多い中、今年は去年までと比べて厳しい現実が率直に語られる場面も多かったと思う。そうした中、質疑応答の時間や懇親会での私の講師の方への質問からは、「Sports×地球環境×SDGs」を目指し、今回の申し込みに「グロチャレ初のクライメイトテックを目指す」と書いた私にとってこんな厳しい現実を知らされる機会になった。

(SDGsはどうですか?の質問があったことに対し)
・今日福岡空港でスーツを着てSDGsのバッジをつけたサラリーマンを2人見たけど、こういう人はいい感じがしない
・SDGsは…ちょっとね…(あとは言葉を濁されたけど、内心では「SDGsに批判的」というのが表情から見て取れた)
・SDGsを一生懸命やっているのは日本だけ。アメリカでは誰も知らないし、ヨーロッパでも知っている人はあまりいないのではないか。
<さらに別の場面で>
・地域の密着したスタートアップは、「ない」。

(懇親会で「今考えているビジネスの背景として気候危機の問題がある」と別の講師に話したところ)
・今は戦争のせいもあり、気候や環境に関心が高いのは日本だけではないか。アメリカもヨーロッパも関心は引いている。クライメイトテックをグローバルにやるとなると相当に厳しいと思うね。

私の価値観や問題意識にとって、決して耳障りのいい話ではなかったのは言うまでもない。こうした返答の目線からは、
「あんた、なんでSDGsの講義やカードゲームに参加して、ファシリテーターにまでなったの??」と疑問が起きそうだ。もっと手厳しい方からはこんな批判も出るかも。
あんた、どっちの側なんですか??
自己矛盾してませんか??

*****
ちょっと話は脱線するが、以前、福岡市スタートアップカフェ主催のとある研修に参加した時、NYで高度教育のビジネスを立ち上げ、福岡に帰ってきたとある参加者がいた。名刺を交換した時、その参加者から、私の名刺に入れていたSDGsマークを見ていきなりこんなこと言われたと思う。

「えーーーーーー!!SDGsなんかやってんの??信じられない!!日本でSDGsのバッジを付けたおっさんばかり見ると、むかつくね…」

当時内心思ったのは、以下のこと。
「え?NYは環境意識が高い街でしょう?テキサスならまだしも…なんで意識の高いNYで過ごした人がこんなこと言うの?信じられない??」(※言葉にはしていません)
上記の質疑応答のやり取りの際、実はこの原体験のことを私は思い出していた。
*****

もし「Global Challenge」の初日に「欠席届」を出して長崎の脱炭素まちづくりカレッジのサポートに行っていたら、「ああ、今日もいい体験だったな。」で終わり、その後いろいろ考えることもなかったかもしれない。

さて、どちらが正解だったのか???

私の結論は、「Global Challenge」の初日に参加して正解だ。

世の中には多様な価値観があり、それは自らの価値観にとって決して耳障りのいい話ばかりではない。そして、人間という生き物は、どうしても耳障りのいい話やそれが得られる機会ばかりに行って、情報が偏るもの。しかし、これでは、SDGsの実現や脱炭素まちづくりに必要な「対話と協働」の考え方に反することとなる。違った価値観に接した際は、なぜそうなのか?背景の考えにはどんなものがあるのか??を考えることが、貴重な学びになると思う。この点、私は、長崎へのサポートに行っていたら全く気づかなかっただろう学びや経験ができた。

もうひとつの気づき。実は、違った性質の2つのものを組み合わせて新たなものを生み出すのが、今後の私の一つの方法ではないか?ということだ。上記のとおり、「スタートアップ」と「地域密着」は全く相いれないということを聞いた。一方、SDGsはどうしても地域との結びつきを考えることが重要となる(だからSDGs地方創生というカードゲームも出てくるのだろう)。加えていえば、私の「Sports×地球環境×SDGs」の書き方も、実は怪しい。スポーツやスポーツビジネス自体が地域密着とはどうしても切り離せないものだからだ。
さらに言えば、私が関わる「スタートアップ、グロチャレコミュニティ」と「SDGsファシリテーター」コミュニティとは、まったく接点が見えない。両者のペルソナや価値観は全くと言っていいほど異なる気がする。一例をあげれば、後者に多い学校の先生ないしはその経験者は、前者にはほとんど見られない点だ。仮に両者が1つの場で一緒になれば、全く話題がかみ合わないように見える。一方で、この両者を組み合わせて今後は、サステナブルに根差した新たな価値が生まれそうな気がする。実は、リードしていくべきポジションに、私がいるのではないか。

そして、SDGsや脱炭素まちづくりをファシリテートする側も、自分たちの輪だけに閉じこもって「わかるひといないねえ」でとどまらず、上記で上げた厳しい現実や外部の声を一旦率直に受け止めて考えることも重要に思える。今度の類似の機会に、今日の「Global Challenge」での学びをフィードバックしたい。

さて私の今後は…いざとなったら単純にこんなマインドセットでいくのもありかな。

それはともかく、帰った後、アメリカのSDGsの現状について急ぎ調べ、確認した。またこの続きはもうちょっと後に出したい。

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