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4月 言わない方がいいことを言う人たちと

スマホの向こう側のみんなに会ってみたくなった。この1年、この数ヶ月でそんな気持ちが起こるようになっていた。僕は他人と関わり続けるのがあまり得意ではない。なのでなるべく1人で行動するようにしている。色々下手くそなもんだから、結果的にそうなってしまったとも言えるのだが…。うっ…頭が…。

17歳あたりで対人関係に挫折した僕はインターネットに逃げこんだ。現実世界より居心地が良かった。まず腹の中や頭の中を晒し合えるから何だか少しだけ安心できた。文字だけを眺めていれば良いのも性に合っていた。見栄や嘘を散りばめる人もいるのを知った時は少しばかり苦い気持ちになったけれども。

おじさんに片足突っ込んだ歳になった今もインターネットが何となく落ち着く場所となっている。やっぱり、文字を眺めることに没頭していたら余計な事考えなくてすむから良いんだよな。ある日僕はキャンペーンで転がり込んできたまとまった額のマイナポイントを使って、プロ奢ラレヤーのnoteを購読するようになった。ああ良い事言ってんなぁ…ココロがチクチクするなぁ…などと思った記憶がある。

それらnoteを購読していると、オンラインサロン?読書サークル?への扉が開いていることに気付いた。何か面白そうなのでノリで入ってみた。もう入って2年目くらいになるだろうか。色んな人の個人部屋チャンネルを覗いてみたり大喜利をやってみたり…。

そして『#言わない方がいいことを言う部屋』に辿り着き、よく出入りすることとなった。ある人曰く「具合が悪くなる部屋」、またある人曰く「三ツ星ス◯ムの吹き溜まり」…。おいおい散々じゃねえか。僕にとっては何だか居心地が良くてそれが何なのかずっと考えていた。うーん。言わない方がいいこと…それは誰にとってそうなんだろう…?何で言わない方がいいんだろう…?世の中の良い大人たちは、どこで言わない方がいいことを発散してるんだろう…?

三ツ星スラムやプロ奢の言葉は現実世界とインターネット世界の間で両者を上手く仲立ちしてくれている。僕のようなどっちつかずでフラフラしているような人間にはありがたい。そうそう、スラム民たちはオフ会も何だか楽しそうにやっているんだよね。一地方民である僕は、関東民や関西民がワイワイキャッキャしてるのをどこか遠くの世界のことのように思いながら眺めていた。実際遠いんだから仕方ない。いつかその内、機会があったら行こうとだけ薄っすら考えていた。

この2月、はかた号に乗って関東から福岡までオフ会をしにやってきた男がいた。歌う介護士。彼もまた『#言わない方がいいことを言う部屋』に出入りしていた。行けない距離ではなかったので僕も参加してみることにした。これまで遠くから眺めるだけでも感じていた通り、めちゃくちゃに楽しかった。おいおいみんな、こんな楽しいことしてたのかよ。その時の振り返りnoteを載せておくことにする。

このオフ会福岡編を経て、尻と気持ちが少しだけ軽くなった僕は、直後にオフ会大分編、小倉編を経験していく。その節はみなさん本当にありがとうございました。


オフ会は純粋に楽しい。楽しいだけではなく自らを省みる機会を貰えるし、生身の人間の良さを感じられる。うっかり忘れかけていた、人として大切な気持ちを思い出させてくれる。


「わざわざ時間を作ってもらったり、九州くんだり(めっちゃ良い所やけんあなたもいつか来てね)まで出張って貰ったからには、僕もいつか一回は身銭切って時間かけて出向くのが筋というもんだろう…」

そして今回、昼のカラオケ会と夜のイベントBARをそれぞれ企画してくださった方々のおかげで横浜まで出向く機会を得た。前置きが長くなってごめんなさいね。今回の主催者お2人ともやはり『#言わない方がいいことを言う部屋』に出入りしている。いや本当ね、新幹線の切符往復分買った時は色んな意味で震えたよね。ついに行くんだな…怖い。こちとらただのネット弁慶なんだよぉ…。

ショッパーズ・ハイになりながら紙袋パンパンに買ったお土産たちを持ってまずはカラオケへ。遠隔地のオフ会に行くみんな…お土産は良いぞ…。想像の35倍くらいめちゃくちゃ喜ばれるぞ。買って行って本当に良かった。

カラオケの部屋の扉を開ける。そこに居たのは、ただただ陽気で人の良いお兄さんお姉さんたち。え、あなたたち本当に『#言わない方がいいことを言う部屋』に出入りしてる…?遅れて合流してくれた人々もみんな良い人たち。気遣いができてよく働く。みんなお土産持って来る来る…。えらいなぁ。素晴らしいなぁ。

カラオケなのでもちろん歌も歌う。みんな行き慣れている。良い歌ばかり選ぶ。上手い。味がある。思わず、画面に映し出される歌詞を読み込んでしまった。はぁ…こんな歌詞やったんやな。刺さるう。うっかりぼんやり聞き入ってチルってしまった。うう。やっちまった。次はみんなで部屋が割れるくらい大合唱したいね。

カラオケ会まで参加の人々。時間になったら颯爽と日常へ帰っていく。みんな去り際が気持ち良い。春一番のようだ。

カラオケ会が終わると夜の会場のエデン横浜へ。知らない街を歩いて行く。乗り継ぎ乗り継ぎ。建物に着いて、体感斜度ほぼ直角の階段を登って2階へ上がる。カウンターの中には店長さんと今日のイベンターさん。カウンターには先客3名。て、店長さん以外全員『#言わない方がいいことを言う部屋』に出入りしてるよ…。アツイ人たちばかりなんだな。イタイ人たちばかりだと思っててごめんよ。まぁ…そんな部屋で僕は「イタイ発言オブザマンス」的な賞を3〜4回受賞(もっと少ない気がするんだよなぁ…少なくあって欲しいなぁ)してるわけなんだが。

閉店時間直前まで続々と人が来店してくる。みんなが持ち寄ったりお店で提供される山盛りのお菓子や果物やお酒やソフトドリンクを片手に語らっていく。カウンターの隅っこに耳をすませて座ってるだけで3-4組の雑談が同時に流れこんでくる。みんなすごい。ちゃんと他者と社交雑談できるタイプの人たちばかりだ…。『#言わない方がいいことを言う部屋』では異常者に擬態していただけなのか…。

普段見ている平面のハンドルネームとアイコンが、どんどん立体化していく。普段はみんなそれぞれが色んな場所で様々な日常を生きている。それらを持ち寄って優しく柔らかく温かな非日常の花を咲かせている。そうだよな。オフ会もイベントも参加者みんなで作り上げていくもんだよな。三つ星スラムもエデン横浜もみんなで一生懸命大切に大切に守ってきたんだなぁ、ということがすごくよく感じられる時間だった。すごいなぁ。僕には何ができるだろうか。

色んな人と個別にお話もさせてもらった。でもここには書かない。下手に文字に起こした途端、何だか「よし、明日から僕は僕で僕の日常をやっていくぞ」と思わせてくれるステキな魔法がとけてしまうような気がするから。

そして昼のカラオケ会同様に、みんな各自の決めた時間になったら颯爽と帰って行く。本当に気持ちが良い。

お開きの時間まで残ったみんなで話す。話すネタがない人生はつまらない。でも何がネタになるのかは、他者との関わりの中でしか気付けないのかもしれない。人と違うこと、同じようなこと。驚きと共感。自分の人生を一生懸命生きていれば結局何でもネタになる。

宴はずっと酣。しかし何事にもお仕舞いの時間は必ずやってくる。みんなで片付けをして、各自お支払いを済ませて一本締めにて閉会。最後まで残ってくれた2人の参加者と帰り道ご一緒させてもらった。しょーもないことでケラケラ笑い合った帰路。横浜駅で解散。ありがとう。助かった。

ああ、本当に来て良かったなぁ。良い人たちに出会い語らうことでしか得られない栄養がある。

三ツ星スラムや『#言わない方がいいことを言う部屋』のインターネットペンフレンドたちとの邂逅。少しづつ光が満ちてきた世界。明るく陽気に飛び込めば、紅に染まりそうなこの僕を抱きしめてくれる人々。

哀れだと思っていた昨日の黒歴史も群れの力で何とか笑い飛ばして、おかげさまで少しばかりおだやかになってきた今(変わらない今日がやって来るだけってのも時には悪くないよね)を噛みしめながら、回る地球儀の上のどこかで生きているみんなを想いながら。

そして、取り戻しつつある健康でBad habitを何とかやっつけながら。自分の羽根で遥か先へ飛んでいくにはもう少しだけ時間がかかりそうだけれども。

頭やココロの良くない中実がパンパンになってヒドイコトが頭から溢れてくる、そんな日もあるよね。

男にも女にも、みんなそれぞれ自分の世界や美学があって、苦悩や呪いがあるのだ。

チクチク我が身を刺してくる鮮明な過去は、スラムや『#言わない方がいいことを言う部屋』で明るく吐き出してしまおう。どうせ月末には爆破されてしまうのだから。

一通り吐き出し終えたら、「ごめん、ちょっと言わない方がいい事言いすぎた」と心の中でつぶやいて、そっとスマホを置いて外に出かけよう、人に会いに行こう。

スラムやオフ会で良くしてくださった全ての皆様、井戸を掘ってそれを守り続けてきた全ての皆様、本当にありがとうございました。何とかこれからしばらくは、この余韻のおかげで道を踏み外さずにやっていけそうです。

皆様のすぎてく日々や繊細な未来が素晴らしいものでありますように。

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