見出し画像

近視予防には外遊びが有効!?

子どもたちの現状(近視)

文部科学省が実施している学校保健統計調査によると、裸眼視力1.0未満の子どもたちの割合は、小学生で約35%、中学生で約57%、高校生で約68%(2021年)と高い割合を示しています。
ちなみに令和3年度(2021年)の調査では、小学生約37%、中学生約60%、高校生約64%の数字になっています。

ちなみに、小学生に関する学年別のデータは下の数字となります。
【小学校】裸眼視力1.0未満の割合
6歳:23.04%
7歳:28.09%
8歳:33.39%
9歳:40.27%
10歳:45.27%
11歳:50.03%
つまり、小学6年生時点で2人に1人が視力1.0未満ということになります。

近視ってどんな状態?

目はレンズを通して入ってきた光を網膜で焦点があるように調整しています。
しかし、近い距離の物ばかり見ると焦点が合いにくくなるので目の形を変えて焦点を合わせようと調整していきます。
その結果、眼球の長さ(眼軸)が伸びていきます。眼軸が伸びることで近くの物は見えやすくなるのですが、逆に遠くの物(一定の距離)を見るときには焦点が合わなくなり、ぼやけてしまいます。
これが近視(厳密には眼軸近視)の状態です。

眼軸はある程度子どもの成長に伴ってのびるので、子どものほうが近視は進行しやすいと言われています。
そして一度のびた眼軸はもとに戻りません。

では、なぜ近視は人にとってよくない状態なのでしょうか?

眼軸近視のリスク

近視(眼軸近視)は、もちろん遠く(一定の距離)のものが見えにくいという問題はありますが、ほとんどの方が眼鏡やコンタクトレンズなどを活用してその問題に対処しています。

実は、近視はこの問題とは別に病気のリスクが高まるおそれがあると言われています。
最近の研究では、強度の近視による発症リスクが「緑内障」では3.3倍、「白内障」では5.5倍、「網膜剥離」は21.5倍と言われています。
さらには目の病気だけでなく、認知症にもなりやすくなるという研究データもあり、近視などの視力低下と認知症との関係も明らかになりつつあります。

なぜ近視になるの!?

近視になる原因の一つは、先ほどお伝えしたように近くの物ばかりを見ることで体(目)が適応(眼軸がのびる)することです。
30cm以内の距離の物を見る作業を「近業」と言い、近年パソコンやスマホなどの普及によって、子どもたちも「近業」が増えていると言われています。

また、ある調査では、シドニーとシンガポールの子どもの近視の割合は、シンガポールが29.1%だったのに対してシドニーは3.3%でした。
しかも、シドニーの子どもたちは1週間に平均14時間外で過ごしていましたが、シンガポールの子どもたちは平均3時間しか外で過ごしていなかったことがわかっています。

これについては、近年、太陽の光を浴びることで近視の抑制につながるという研究が発表されており、シドニーとシンガポールの比較調査の結果はそれと関係性が高いのではないかと言われています。

近視を予防しよう!!

今までお話したことをまとめると近視の予防のためにいくつかの取り組みができることがわかります。

一つ目は、外で過ごす時間を増やすことです!!
理想は1日2時間程度外で過ごすことがよいと言われていますが、難しいこともあると思いますので、まずは外に出て太陽の光を浴びる機会を増やしましょう。外で体を動かすと子どもの成長にとってよい効果がたくさんあるので外遊びをたくさんするといいかもしれませんね!!
二つ目は、近業を減らすことです!!
アメリカの眼科学会では「20-20-20」と言って、20分間継続して近くを見たあとは、20フィート、つまりおよそ6メートル以上離れたものを、20秒間眺めるという「20ー20ー20」ルールを推奨しています。
このルールを実践してみたり、例えばゲームはできるだけTVにつないで離れて行うなど普段の生活の工夫によって近業を減らすことができます。
三つ目は、目を休める時間を作ることです!!
先ほど「20-20-20」のルールも同じですが、定期的に遠くの物や景色を見たり、目をつぶって目を休める時間をとってあげると近視予防につながります。
ぜひ皆さん実践してみてください!!

地域の公園を遊び場にプロジェクトに参加しよう!!

クラブぽっとでは、子どもたちの成長につながる外遊びの普及を行っており、その活動の一つが「地域の公園を遊び場にプロジェクト(プレイパーク)」です!!
このプロジェクトは毎月第4土曜日の昼から地域の公園を会場に外遊びを楽しめるイベントとなっています。
このプロジェクトを開催している理由の一つが「外遊びの普及」であり、外遊びを普及する理由の一つが「近視の予防」なのです。
参加費無料ですし、申し込みも不要なので、ぜひお近くの方でお時間あれば参加してください!!
*詳細はチラシをご覧ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?