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ミランクンデラ「別れのワルツ」

 

「男には自分より年下の女が必要なんだよ、とクリーマは言った。とくにアーチストにはほかの誰よりもね。僕には若さが必要なんだ。ルージェナ、ぼくがどれほど君の若さをありがたいと思っているか、君にはわからないだろう」。

 トランペット奏者クリーマは妻帯者だが、若い看護士ルージェナと恋仲になり彼女を妊娠させてしまう。子供を産みたいルージェナとあの手この手でおろさせようと甘い言葉をささやき家庭を壊したくないクリーマ。男女二人の心理の綾が、5幕のヴォードヴィルの演劇形式で描かれています。

 小説の中でも秋が始まり、木々は黄、赤、褐色に染まる風情ある風景なのに、小説の登場人物たちはこじれた恋愛模様で憂鬱のようです。

曲はブラームスのワルツ集を聴いてみました。秋と言えば私はブラームスを聴きたくなります。

Johannes Brahms-16 Waltzes Op. 39

https://www.youtube.com/watch?v=OZn7iuYh4rg

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