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【84】「もうカメラ取っていいよ…」明らかに顔つきが変わった彼に、私が感じたこと

このお話はセフレだった男女が
結婚するまでの1000日間

赤裸々に綴った超絶ドロゲス
ノンフィクションエッセイです

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前回までのあらすじ

アラサーにしてセフレの"イケチン"に沼った私は、どうにかこうにか交際まで漕ぎ着けるも、度重なる彼の不誠実な言動に嫌気が差し、自ら別れを選ぶ。その後、条件最高で性格のいいハイスペくんと出会うも、彼のあまりにも残念なセックスに告白を断り、未練を感じていたイケチンと復縁する。その後、数多くの喧嘩やトラブルを乗り越え、婚約関係に至るのだった。



<830日目> 迷い期

尊敬している先輩から「ただお互いに必要だったから結婚した」という実体験を聴いた私は、結婚という制度の本来の意味を思い出したような気持ちになって、ハイスペくんという魅力に欠ける安全牌を完全に捨て去る決意をする。

しかし少し時間が経つと、その決意も次第に揺らいでしまって、「金銭感覚も職業も人間性もハイスペくんのほうがいいじゃん…」と冷静に考えてしまい、なかなか心が定まらないのだった。

そこでより慎重に考えたいと思った私は、ハイスペくんとイケチンの特性に優劣をつける形で分析することにした。


お金や金銭感覚 → ハイスペくんの圧勝(多分)

仕事 → 将来性や信頼度でハイスペくんの圧勝

育ってきた環境や価値観の近さ → 学歴的にも近く真面目なハイスペくんの圧勝

人間性やモラル面 → ハイスペくんの圧勝(多分)

周りの人間関係 → ハイスペくんの圧勝

私に対する好意と愛情 → 引き分け?

コミュニケーションと信頼関係 → ハイスペくんが優勢(多分)

体の相性 → イケチンの大圧勝(ハイスペくんがナシすぎるため)

私自身の好きって感情 → イケチンの大圧勝


こうして分析してみると、ハイスペくんのほうが圧倒的に優勢のように感じる。

"多分"という不確定な判定が多いのは、私がハイスペくんと会っていた期間がほんの2ヶ月程度(回数にして7回 × 各2日間)で、まだ彼の本質を理解できていない部分があると思っていたから。

逆に考えると、たった2ヶ月の関わりで、2年以上前から一緒にいるイケチンと比較しなければならないほど私の中で大きな存在になっているハイスペくんって相当すごいなぁ…とも思った。


▼ 分析結果をイケチンに共有

好きな気持ちは自分が勝ってると主張するイケチン


こうして分析してみて分かったけれど、恋愛ってポケモンみたいに「個体値が上だからこっちを選ぼう!」ってなるやつじゃないんだよね。

どちらかと言うと、ぶっ飛んで好きな部分がひとつあるほうが強い。

でも、イケチンを愛して散々苦しんできた私は、また彼を選ぶという決断がなかなかできなかった。

彼は自分の働き方を変え、仕事中心の生活を送ることで収入を爆増させて、なんだかとてもマトモな社会人に育ってきたように思うけど、内面的にはどうなんだろう?

飲み遊んでいたあの頃と何も変わってないんじゃないか、また再発するんじゃないか…と思った私は、彼にその懸念を伝えつつきっちりと尋問することにした。


▼ 箇条書きで検察のような尋問を送る私

ガン詰めで草


この質問リストは、その日の夜に直接会って話し合う際の議題にすることになったので、文章での返事は貰わなかった。

婚約破棄から1ヶ月と少し、療養していた田舎の実家から久しぶりに都市に戻った私は、イケチンの部屋で最後の話し合いに臨んだ。


私「久しぶり。仕事めちゃくちゃがんばってるね」

イケチン「うん、こしきちゃんのおかげだよ」

私「でもまたクラブとか飲みに行きたくならない?」

イケチン「今は仕事が楽しいからならないよ。結局おれは他に夢中になれるものがなくて、暇で淋しいからそういう場所に逃げてただけだったんだと思う


1ヶ月ぶりに見るイケチンは相変わらずイケメンだったけど、飲み遊んでいた頃からすると明らかに顔つきが変わっていた

これは後日、まだほんの数回しか会ったことのなかった私の両親すらも気付くほどの変化で、

よく「内面は顔に出る」って言うけど、本当に比喩じゃなくその通りなんだなぁと思わされてしまうレベルだった。

出会ってから2年以上、1度も見たことがなかったその顔つきを見ると、もうさすがに戻っても大丈夫かな、上手くやっていけるのかもな…と感じたけれど、それでもまだ過去のトラウマを引きずっていた私は、「まだ分からない、どんな状態からでもこの男は裏切る」と思えて仕方がなかった。


信じたいのに信じられない。

裏切られた瞬間に、盛大に傷つくのが怖いから。


私のためにここまで変わってくれた彼を見て、それでもまだ信頼できない自分が申し訳なくて、私は半年前からこの部屋に設置してある監視カメラの前へ行き、そのコンセントを抜いた。

私「もうカメラ取っていいよ。多分、私は何がどうなっても、あなたを信じられないんだと思うから

こんなものあったって意味がないってようやく気付いた


カメラなんてあってもなくても、私はこの人を信用できない。

これだけ変わってくれてても、顔つきまで変わっても、全然信用できないんだ。

その事実に絶望した私は、イケチンの部屋を出て、そのまま電車で実家に帰るのだった。


とんぼ帰り🚃


この連載は、私が夫と出会ってから夫婦になるまでの1000日間を綴ったドロゲス生モノ婚活エッセイです。スキ・引用・拡散・コメントどんどんお待ちしてます♡

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▼ ここまで沼らせた恋愛戦略集

-【85】へつづく -

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