見出し画像

【64日目】 地獄のユニバデート(中編)

彼とのランチ中、私はこんなツイートをしていた。

これは前回の記事に書いた通り、彼との会計のアレコレや、コンプレックスを気にする仕草を間近で見すぎたせいだと思う。

私は彼とのデートに少しずつストレスを感じ始めていた。

やっぱり、ハリポタはガリヒサと一緒が楽しい

ランチのあと、2人でハリーポッターエリアへ行った。

画像4

スカスカ!ハリポタ人気なし!

ガリヒサ「こしきはさ、絶対スリザリンだよね。もう、入学して組分け帽子被りかけた瞬間、食い気味に『スリザリン!』って叫ばれるやつ」
私「うるせーてめーはハッフルパフだよ」
ガリヒサ「ハッフルパフ!?"誠実で心優しい"という無個性な人間が集まるあの!?」
私「そうだよ、勇敢なグリフィンドールとでも思ってんのか?ようハッフルパフ」

こんな会話をしながら、それぞれの寮のフラッグの前で写真を撮った。

画像4

スリザリン感溢れるポーズ

画像4

ハッフルパフらしい凡人ポーズしてた

で、乗り物にサクサク乗って(待ち時間ゼロ)、お土産コーナーでお互いウンチクを語り合って、ハリポタエリアを出た。

やっぱり、ハリポタはガリヒサと一緒が楽しい。
語り甲斐がある。道端のフラッグまで楽しめる。

そこからすぐに、ミニオンコーナーに向かった。

その待ち時間中に、ちょっとだけ残念な出来事が起こる。


▼ センターパート事件(漫画)

ミニオンコーナーは20分待ちで、その日のユニバでほぼ列ばなかった私たちにとっては、初めての待ち時間だった。

待ち時間って、人間性が出る。
人としての相性が出る。

20分間、私と彼の間には、ほとんど盛り上がる会話がなかった。

アレ?こんな感じだったっけ?

さっきから、お互い「暑いね」しか言ってないぞ…

昔はしりとりしたり、即興で考えたゲームをしたり、いくらでも時間を潰せていたのに、なんかもう今はそうじゃなかった。

何が変わってしまったんだろう。

すると彼が、突然こんなことを言った。

ガリヒサ「あのスタッフの髪型見て。最近、あれ多いよねw」
私「え、どれ?」
ガリヒサ「あれ、あの真ん中分けの…」
私「あぁ、センターパート?
ガリヒサ「そうそう、あのアイドルか!って感じの男、最近よく見るよねw」

なぜか全然分からないけど、彼は突然ミニオンエリアにいた若い男性スタッフのセンターパートを小馬鹿にし始めた。

私はその行動に、なんかものすごくモヤモヤした。

私「まぁ、あの髪型は私も好みじゃないけどさ…でも吉沢亮とかイケメンがやってるの見るとカッコイイし、男性の髪型としてはアリなんじゃない?」
ガリヒサ「そうかなぁ…こっちは苦手」
私「それより、あなたの髪型は何パートって言うの?今回、けっこうモサモサだよね。前髪も長すぎん?」
ガリヒサ「あ…あー、本来なら今週がカットしに行く周期なんだけど、忙しくて行けなくて…」
私「ほえー。私はこの旅行のために、カット・カラー・トリートメント、直前に全部行ったよ。昨日はヘアセットまでした。眠れないほど楽しみだったなら、床屋くらいサッと行ったら良かったのに…」

つまり何が言いたいかというと、自分の髪型に気を遣えていないボサボサの人間が、他人の髪型を批判する資格はないんじゃない?

とまでは、さすがに言わなかった。

でも彼は、ここまで言えば私の真意を汲み取れる人なので、

「あー…ごめん、ボサボサで来ちゃって…髭剃りも東京に忘れてきたし…」

とかなんとか言ってた。

私は他人を見下す人が嫌いだし、少なくとも彼程度のルックスでは、他人を批判する資格がないと思った。

それ、自分が(生えぎわやキャラ的に)センターパート出来ないからって、ひがんでるだけですやん。

他人がやってる髪型なんて、自分に自信があればどうでもいいよ。

なんだかここでもまた、彼のコンプレックス(やっぱり髪にまつわる部分)をガッツリ見せつけられてしまって、私の中のプロポーズ計画が本格的に歪み始めた。

プロポーズエッセイ_004

お兄さんのほうが清潔感あったよ


▼ 「…寄りかかる?」

15時半、ウォーターなんちゃらとかいう水上のショーがあるというので、その会場へ向かった。

ショーが始まる15分前に会場にインするという、スリザリン生とは思えない優等生っぷりを発揮してしまった私は、ベンチに座ったまま「眠すぎる…」と呟き、仮眠の体制に入った。

その瞬間、隣に座る彼の口から驚きのことばが飛び出す。

ガリヒサ「…寄りかかる?」

そう言って、私にガリガリの肩を差し出してきた。

私はこの突然の事態に、とにかくめちゃくちゃ驚いて、

私「えっ!?!いや、大丈夫です!!」

と、異常なほど大きな声で彼を拒絶してしまった。

そして、この瞬間に気付いた。

あぁ、私、ガリヒサのこと生理的にムリなんだ。

前は大丈夫だったのに、自分自身が変わってしまって、彼のようなタイプがダメになってしまってるんだ…

これを自覚することは、本当に辛かった。
気づかないフリをしていたかった。

だって、4年も付き合った人だもん。
その後、元恋人としては信じられないくらいの年数、繋がり続けてる人。ご両親のことも、今でもめちゃくちゃ大好きな人。

それなのに、肩を貸すと言われただけで鳥肌が立つほど、私は彼の存在を受け入れられなくなっていた。


▼ まだ計画は諦めない

2人の間に、気まずい沈黙が流れる。

少し強めの拒絶だったから、彼はショックを受けたのかもしれない。
どうなんだろう。

ここから先は、彼を傷つけないようにしないと…

こんなことを考え始めたってことは、もう私たちは終わりなのかな。
プロポーズして婚約して、結婚する関係にはなれないのかな。

いや、さっきのは突然すぎてビックリしただけで、もっとお酒が入っていたり、2人っきりの空間だったら違うのかもしれない。

まだ計画は諦めない。
だって、2ヶ月もエッセイ書いた。
「プロポーズする!」ってガッツリ宣言して出てきた。

みんな、顔も知らない私のために、「応援してます!」「がんばってください!」ってめちゃくちゃ言ってくれた。
毎日記事を読んでくれて、長文でメッセージを送ってくれる人もいた。

だから今、多少 心がグラついたからって、「計画倒れで終了でーす!」なんて言いたくない。

ここから気分を盛り返して、彼のいいところをどんどん見つけて、明日の夜までにプロポーズをするテンションに持っていこう!

そう自分に言い聞かせて、ユニバデートを再開させた。

しかしこの後、私にとって衝撃の事件が起こってしまう。


▼ 地獄のユニバデート【後編】へつづく


もし記事がおもしろかったら、伝えてもらえると嬉しいです🥰 ※近日中に個別でお礼のメッセージをお返しします💌