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【78日目】 彼の脳みそに心底呆れた、"女性専用車両"事件

これは、実は書こうかずっと迷っていたんだけど、やっぱり私はこのことを半月以上経った今でも思い出してしまうから、書いておくことにする。

女性にとっては、ガリヒサ(私がプロポーズしようと思っていた元カレ)のイメージがかなり悪くなってしまうと思うし、男性にとっては、「男として、彼の気持ちも分かる」と感じてモヤモヤさせてしまう内容だと思う。

でもこの件は、時間が経つほどにジワジワと、私の中の彼に対する嫌悪感を増幅させていったので、多分私にとってとてもショックなことだったんだと思う。

▼ 「大阪の女性専用車両って終日なの?」

彼と久々に大阪で再会し、2人でユニバに向かう電車を待つホームでの出来事だった。

大阪デート2日目の朝。

私はまだ、彼との将来を考えていて、プロポーズ計画も続行中だった。

まだ彼に対して「ニガテだなぁ」と感じる部分もそれほどなかったし、昨夜の支払いが「一旦出しとくよ」だったことも、このときはそこまで気にしていなかった。(その後の支払いがまじで私ラッシュだとは思ってもいなかったし)

でも、今にして思えば、もうこのときから私の中で彼に対する生理的嫌悪感の醸成は始まっていたんだろうね。

ホームに滑り込んできた大阪環状線の車両を見た瞬間、ガリヒサがこう言った。

「大阪の女性専用車両って終日なの?」

これが、私が彼の脳に不信感を抱き始めた1番最初のキッカケだった。


夢見る男

私「そうだよ、路線とか曜日にもよるけど、関西はほとんど"終日女性専用車両"だよ」
ガリヒサ「東京は朝の通勤ラッシュだけとか、時間指定があるのに…」
私「へー、そうなんだ。都心の電車って時間帯に関係なく混むのに、女の人大変そう」
ガリヒサ「でもネットでよく出回ってるけどさ、オバサンが"女性専用車両は安心です"って言ってる反面、すごい可愛い女の子が"私はいらないです"って笑顔で言ってる写真あるよねw」
私「…は?」

バカじゃないの?

嘲笑する彼に対して、初めて心からそう思った。

彼はきっと、この画像のことを言ってるんだろうね。

画像2

有名な画像だから、私ももちろん知ってるよ。

でもこれを真に受ける人がいるとは思わなかった。

男が都合のいいところだけ切り取ったN数1のデータにどんだけ夢見てんだよ。

実際に痴漢をされた経験があったり、それによって現在進行形で恐怖や迷惑を感じているのは、つまり女性専用車両を本当に必要としているのは、誰がどう考えても若い女のほうだから。

普通に考えたらわかるでしょ。

電車内で痴漢をされる機会が多いのは、ナメられやすい大学生や働いてる若い女性だし、そもそもオバサン世代(便宜上こう書くけど)で通勤ラッシュに揉まれる生活をしてる人は最近の若い女よりも圧倒的に少ないから、痴漢を受ける機会も母数も圧倒的に少ない。(過去に痴漢されたトラウマを抱えている年配女性だって当然いるとは思うけど)

普通に考えたら分かるよね。

だから「女性専用車両に乗ってるのは自意識過剰なオバサンだけで、若い女はそんなに必要としてない」みたいな思考は、本気で頭が悪いと思う。


▼ 反論

私「いや…あのね、そんな偏ったデータをピックアップして何言ってるの?冷静に考えて、年配の女性よりも若い女のほうが女性専用車両を必要としてるって思わない?満員電車に乗る機会も、痴漢された嫌な経験も、圧倒的に若い女のほうが多いんだから。実際に私も、何度か痴漢に遭ってるから、だいたい女性専用車両を選ぶよ」

私がこう返すと、ガリヒサは「まぁ…たしかに…」みたいなことを言っていたけど、それでも「オバサンが女性専用車両を使うことは不服だ」と思っていることが、表情からありありと分かった。

いや、「痴漢の対象になり得る可愛くて若い女性限定車両」とか、そんなの作れるわけないじゃん。

痴漢がどんな女性をターゲットにするかなんて分かるわけないんだし、幼女からおばあちゃんまで、全員乗れて当たり前だよ。

それに、年齢や容姿に関係なく、女性というだけで密室では弱者だし、狙われる機会は多々あるんだから。

私「まぁでも女性だけ専用があるのは不平等だから、男性専用車両もあったらいいのにね」
ガリヒサ「男だらけか…それは絶対に乗りたくないかも」

はぁ、そうですか。

ユニバに向かう電車の中だったので、このときはあまり気にしないようにしていた(目をつぶっていた)けど、今ごろになって私は彼のこの発言を日々思い出すようになっていた。

そして思い出す度に、彼に対する嫌悪感は増幅した。

▼ 当時のメモ。エッセイを書くために、デート中の出来事をまとめていた。

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▼ 「私は特にどこでもいいです」の真相

ただ、私はこの画像の若い女性に対して、1つ大きな勘違いをしていることを今回知った。

これまでは、「この女性は世間に見られたときの自分の好感度だけを狙って、本当に傷ついてる同じ女性の感情を無視してるんだ」と思ってた。

でもそれは違った。

この画像は、彼女の真意とは違う形でバズってしまっていたらしい。

真相は、この女の子を取材したインタビュー記事に載ってた。

実は彼女は、人生で数えきれないほどの性被害に遭ってきたようだった。

「先生がプリント配るときに手が触れるだけでもダメになっちゃって。痴漢や露出狂など強姦以外にはあってきたんです。時には捕まえたりもしました。」(ガジェット通信より引用)

完全に男性恐怖症の域になってる。

でもそうなったからこそ、姑息な男たちに屈したくないという気持ちがあるからこそ、

「(たくさんの性被害に遭うと)私なりの対処方を得るんです。そんなタイミングで女性専用車両ができたんです。でも私からしたらなんでそんな痴漢のために車両を移動しなくちゃいけないのって思って。」

という気持ちになったんだって。

つまり、この子が「特にどこでもいい」と言ったのは、痴漢を気にしていないからではなくて、逆に散々被害を受けてきたからこそ「戦ってやる」という意思表示だったんだね。

▼ 詳しくはこの記事に

私は今日初めてこの事実を知って、「ガリヒサに今すぐ教えてやりたい」と思ったけど、いや、もはやどうでもいいや…こんな話したくないし…と思ってやめた。

▼ ちなみにこの母親世代の女性のほうの回答も、真相はこうだったらしい

やっぱり世の中に溢れてる情報って、作り手の都合で切り取られてるから、鵜呑みにしたらいけないんだね。

今回の件で私は、彼に感じる"生理的嫌悪感"の正体を少し掴めたような気がした。


▼ 連載残り22回!


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