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【26日目】 かつて私たちが別れた理由

私とガリヒサがかつて別れた理由は、互いの進路の不一致だった。

正直、不一致と言うよりも、「一致させる気のなさ」と言ったほうが正しいし、「若さ」と言ったほうがもっと正しい。

私と彼が別れることになったのは、おそらく互いの若さが原因だった。

若さゆえに、将来が見えず、結婚よりも個人のキャリアや人生を優先した。

でも、今にして思えば、これは私たちにとって必要な経験だったと思う。

▼ 私から彼に別れを告げた瞬間

私たちは交際中、ともに進路に迷っている時期があった。

そこで私は「これからも一緒にいたいから、せめて住む地域は合わせよう」と提案した。

同じタイミングで進路を選ぶ必要があったから、"どちらかが決まったあとにそれに合わせる"というような選び方はできなかった。

だから、先に地域を決めたいと申し出た。

同棲まではいかずとも、せめて同じ地方に住めるように。
彼が関東を選ぶなら、私も関東の中で進路を探すし、関西を選ぶなら関西にする。
だから先に、地域をバシッと決めてくれと。

だけど彼は、それを拒んだ。

「自分のやりたいことを優先したいから、不要な縛りは設けたくない」と。
全国各地、すべての地方を候補地にして、自分の進路を探すと言った。

今考えると、これは冷静な選択だったと思う。

でもおかげさまで、私の脳までスッと冷静になってしまって、その瞬間に私は彼に別れを告げた。

同じ地域で進路を探す気がないのなら、もう将来が見えないから、交際を続ける意味がないと思った。

ガリヒサは、「遠距離でも交際は続けられる」と言ったけど、私は遠距離恋愛をするつもりはなかった。

だって、遠距離恋愛を選択する男性は、たいていの場合

「まぁ、いざ結婚するとなれば、彼女に仕事を辞めて貰って、こっちに引っ越して来て貰えばいいし」

などと思っている。
ガリヒサも、おそらくそう考えていたから、すごく気軽に"遠距離"という選択肢を提示してきた。

▼ 遠距離恋愛は、女にとってものすごく重い

でも私と彼は、大学に同じだけの学費を払った。

同じだけ勉強して、同じだけの学力を身につけて、同じだけの教育費をかけて大人になった。

国立大学だから、そんなバカみたいに高くはないけど、それでも4年間一人暮らしをしていたおかげで、学費と合わせて数百万の経費がかかった。

なんなら私は自腹の奨学金で、数百万の借金を背負った。利子までついた。一方で、彼は全額親から出してもらっていた。

なのになぜ、「女だから」という理由で、私が犠牲にならなきゃいけないんだろう。
ものすごい不平等だ。

これは架空の話とはいえ、おそらく将来的にほぼそうなるだろうなという確信があった。

だって、「結婚するから俺がスッパリ仕事を辞めて、彼女が住んでる地域に引っ越します」みたいなカップルを、私は見たことがない。男は寿退職しない。

いや、いると思うよ。でもかなりマイノリティだと思う。
ハタチそこそこの私にでも、その展開が現実的でないことは分かった。

遠距離恋愛の行く末って、男性側は比較的気楽なもんだけど、女にとっては仕事も環境も自分のキャリアプランもすべて変える必要があるから、ものすごく重い。「結婚か仕事か」の選択を必ず迫られる。

だから私は、彼に「住む場所を合わせる気がないのなら、今別れよう」と言って、1人で自分の進路を決めた。

彼が「一緒に東京に行こう」と言ってくれればそれで良かった。
「関西で探すよ」と言ってくれればそれで良かった。

これからも同じ場所で生きていこうね、どちらのキャリアも犠牲にならない選択をしよう、だって将来きっと結婚するんだし、という意思を見せて欲しかった。

でも、当時の彼にはそれがなかった。

そして彼は、東京へ行ってしまった。

▼ 別れ際のセリフが、現実になりつつある

ただ、私は彼と別れるときに、こんなことを言った。

私「お互い●才になっても結婚してなかったら、そのときは結婚しよう。ガリヒサなんて、別にそのときでも、余裕で手に入るし(笑)」

この●才という数字は、私が「この歳までには結婚したいなぁ」とうっすら思っていた数字で、まさに今の私とガリヒサの年齢そのものだった。

言霊の力ってすごい。

私は、昔自分が何の気なしに言ったことばを、今までずっと覚えていたんだと思う。

当時、私にこう言われたガリヒサは、「ひど(笑)」みたいなことを言っていたけど、去年あたりから私に対するアプローチが増えていたのは、もしかすると彼もこのことばを覚えていたからかもしれない。

そうだとしたら、別れ際に「●才」という微妙ながらも具体的な年齢をぶっ込んでいた過去の私グッジョブ。

世の中の女性は、もう保険のためにすべての元カレにこのセリフを言って別れたほうがいいと思う。

「お互い●才になっても結婚してなかったら、そのときは結婚しよう」

いや、ガリヒサが本当にこのセリフを覚えていたのかは分からないけど。

この真相は、いつか本人に直接訊いてみようと思う。


▼ 私が「結婚後の居住地問題」を今どんな風に考えているかは、次の記事に書くよ


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