クラスメイトのモデルが語った「奢る男の作り方」
こじきです。
今回は話題の【奢り奢られ論争】に少し関係のある話を投下します。
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私が大学に入学して1番最初に仲良くなったのは、見たことがないほど綺麗な女の子でした。
数年後、プロのモデルとして活躍するようになった彼女が私に「奢る男の作り方」を笑いながら語ってきたとき、美人は何をしても許されるのだと悟りました。
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- 本物 -
同じコミュニティだった私と彼女は、大学入学直後から2人で一緒に行動するようになりました。
彼女と歩くと、学校中から男女問わず物凄い量の視線を感じます。
当時、既にキャバクラで働いていたものの、生まれて初めて地元から出てきてイマイチ垢抜けていない私なんて、誰の眼にも映りません。
彼女は本物で、私は偽物でした。
- ヘップバーンの娘 -
とある新歓で、群がる男子に
「ほんと美人だよね、○○アナウンサーに似てるって言われない?」
と訊かれた彼女は、鼻で笑ってこう言いました。
「あぁ、それも言われるけど、1番言われるのはオードリー・ヘップバーン」
自分が似ている有名人を訊かれて外国人の名前を挙げる日本人を見たのは生まれて初めてでした。(しかも世界的名女優)
当時、オードリー・ヘップバーンが誰だか分からなかった私は、すぐにGoogle先生に訊ねました。
その写真を見て、「悔しいけど、確かに…」と納得させられたのを覚えています。
彼女は純日本人でしたが、目鼻立ちがクッキリしてて、快活な表情も含めてヘップバーンにそっくりだったんです。
しかし、彼女はこうも付け加えました。
「でも、オードリー・ヘップバーンに1番似てるのは私のお母さん。私なんかよりもっと似てる」
この瞬間、私の中で彼女のアダ名は“ヘップバーンの娘”になりました。
- 美少女図鑑 -
ヘップバーンの娘(以後ヘプバの娘)が街を歩けば、次々にモデルの仕事が決まります。
初めは「美少女図鑑」という各地方で発行されているローカル美女の写真集。
人気のモデルや女優さんをたくさん排出している、創刊16年の特集誌です。
女優の二階堂ふみさんや、いい部屋ネットのCMで人気の桜井日奈子さんもここの出身ですね。
10代だった彼女は、とある地方のモデルに選ばれました。
そこから女性向けファッション誌のモデルや、各地の美女を集めたトーク特番(番組名は伏せます)など、彼女はその美貌を武器に女子大生モデルとしてどんどん活躍していきました。
- 美女は革命を起こす -
数年後、ついに若者向けの大手ファッションデパートの看板モデルの1人に選ばれた彼女は、入学時よりずっと綺麗になっていました。
やっぱり人に見られる仕事をしていると、どんどん綺麗になるんだなぁ…なんて思いながら、10mくらいに引き伸ばされてビルの壁に掲げられた彼女の写真を見ていました。
しかし、ヘプバの娘は有名になったからと言って、私や周囲に対する態度を一切変えません。
それが彼女の評価を益々上げ、何とかして彼女と付き合いたい!と躍起になった学内の男達が色々とやらかしているのを、私はずっと隣で見ていました。
ある男は、彼女に2万円もする美顔器をプレゼントしました。
ある男は、『これからヘプバちゃんのために新しいサークルを作る。面倒な仕事は俺がやるから、ヘプバちゃんには副代表になって欲しい。俺たちはヘプバちゃんと飲みたいんだ』と言ってまさかのサークルプレゼントという大学生にとって全力の貢ぎっぷりを披露しました。
その度に、美女は革命を起こすんだな…と思ったものです。
- 教育 -
ある日、学内のカフェで2人でランチをしている時、恋愛の話になりました。
ヘプバ「こじきちゃん、もう彼氏と2年になるね。仲良いの?」
こじき「うん、毎日一緒いる。ヘプバちゃんは彼氏作らないの?」
ヘプバ「だって彼氏できたら合コンとか行けなくなるもん」
こじき「好きな人は?この前美顔器とかサークルとかプレゼントされてたじゃん」
ヘプバ「普通にナシ。私の理想の男はこの大学にはいない」
理想が高いんだなぁ…と思いながら話を聴いていると、彼女は急にお金の話を振って来ました。
ヘプバ「こじきちゃんと彼氏ってさ、デートの時のご飯代どうしてるの?」
こじき「普通に割り勘だよ。同い年の大学生だし」
ヘプバ「えー…私ムリなんだよね、そういうの。教育しちゃう」
こじき「教育?」
ヘプバ「そう。最初は割り勘にしてくる男を、少しずつ教育して奢る男に仕上げるの。簡単だよ」
彼女は自慢げにそう言いました。
当時、私の彼氏は家庭教師のバイトを週に1度やる程度で、金銭的に自立のできていない学生でした。
とは言え、奨学金を限度額まで借り、学費を全額自腹で払い、夜の仕事にまで手を出さなければ生活ができなかった私と比べ、裕福な家庭で育った彼は一切借金をすることなく、両親から毎月オートチャージされる仕送り金だけで気ままに生活していました。
正直、金銭的にかなりの格差がありました。
デート代は割り勘だけど、彼は親に貰った余るほどの仕送り金から、私は自らに科した奨学金と言う名の"利子付きの借金"から支払っている状況でした。
でも、だからと言って彼に奢って貰おうと思ったことは、2年間ただの1度もありません。
だって同い年の大学生同士だもん。片方が年上とか社会人なら分かるけど。
しかし、彼女の見解は違っていました。
- 1,512円 -
ヘプバ「この前デートした男さ、他大学のタメなんだけど。最初2人でパスタ食べに行ったら、私が頼んだパスタが1,512円とかだったんだよね。会計どうすんのかな〜って観察してたら、そいつ机の上に千円と小銭並べだして。あー割り勘なんだって諦めて私も机に千円置いたら、『ヘプバちゃん、500円ある?』って言ってきたの」
こじき「うん」
ヘプバ「だから諦めて机に500円置いて、そこで思ったの。『ん?こいつどこまで細かく請求して来んのかな?』って」
こじき「まぁ普通、女同士でもそこまでだよね」
ヘプバ「でしょ?その男、『10円ある?』って言ったの」
こじき「おお…それはちょっと残念」
ヘプバ「それで私も財布から10円出したんだけどさ。なんと、そこでさらに、『2円ある?』とか言ってきて」
つまり彼女によると、デートに行った相手が1円単位の割り勘男だったということです。
正直これは、「いや、自分が食べた分はしっかり自分で払うべき!」とかそういう類の話じゃなくて、単純に対人コミュニケーションのスキルが残念な男性だったのかなぁと感じました。
だって女同士のランチでも、そんなことはしません。
ましてや雰囲気命のデート。
学生とは言えハタチを超えた男が、12円を捨てることがどうして出来なかったのか、と少し残念な気持ちになりました。(もちろん個人の自由ですけどね)
- パスタ女 -
ヘプバ「だからね、そこで見切り付けても良かったんだけど、『やっぱりちゃんと教育しよう』って思ったの。だって顔は割とタイプの人だったから」
こじき「またご飯行ったの?」
ヘプバ「うん。2回目も同じお店にしたの。そんで同じパスタ頼んで、会計しよってなったときに、私、机に千円だけ置いてお店出た」
こじき「すごい。強気だね」
ヘプバ「彼、最初ポカンとしてたけど、素直にその千円取って会計に向かってた。彼が店から出てきたときに『ありがと』って伝えて、その日はそれで解散」
どうやら、ランチだけで解散するのは、「奢らなかったらこの先(デートやディナー)には進めないぞ」という彼女なりの教育方針のようです。
ヘプバ「3回目のデートもまた同じパスタ屋さんにした。同じ環境の方が教育には良いから」
こじき「それ多分パスタ女ってあだ名付けられてるよ」
ヘプバ「そんでまた同じ1,512円のパスタ頼んで、会計しよってなったときに、私、『ごちそうさま』って笑顔で言って、先にお店出たの」
こじき「食い逃げじゃんwww」
ヘプバ「それでもう教育完了。彼、その後から全部奢ってくれるようになったよ。まあ最初がキモかったから、付き合わないけど」
こうして同じ環境で支払いのウェイトを徐々に移行し相手に気付かせることが、彼女なりの「教育」だったようです。
当時私はドン引きし、すぐに彼氏にこの話をしましたが、彼は「うーんまあヘプバさんならやるだろうし、それでも男が寄ってくるんだろうね」と言って笑っただけでした。
- まとめ -
最近の奢り奢られ論争を見ていると、どうしてそんなに必死になっているのかなぁと思います。
だって、私の彼氏は笑っただけでした。
他人の金銭感覚に「それはおかしい!」と難癖を付けるよりも、自分に合った相手を1人見つけていればそれで良いと思っていたのだと思います。
このモデルっ子は中々の乞食でしたが、モデルや綺麗な子がみんなそうという話ではありません。
ただ、100%男に奢らせたいと思う彼女たちには彼女たちなりの金銭感覚があり、それに見合った男(金持ちのブサメンや、美貌だけに釣られる外見至上主義の男など)と交際するため、外野が色々言うことでもないかな〜と思います。
若い女性に「男に奢らせるんじゃねぇ!」と言うのは、加藤茶さんや前澤社長に「若い女を選ぶんじゃねぇ!」と難癖を付けるようなものです。
それは個人の価値観であり、自由だと思います。
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- 後日談 -
ヘプバ「こじきちゃん、私彼氏できたんだけど」
こじき「えっおめでとう!誰!?」
ヘプバ「大学の人。なんかめちゃくちゃ奢ってくれるし、プレゼントもくれるから」
こじき「身近にいたのねw おめでとう。どう?」
ヘプバ「顔が嫌いなの。目がさ、"下垂"って言うの?なんかめちゃくちゃ垂れてへにょんってしてて。近くで見てたら嫌になるの」
こじき「なんで付き合ってんのwww」
ヘプバ「金払いは良いから。でもやっぱ顔って大事だね。今は我慢してるけど、多分そのうち別れる」←1ヶ月後に破局
いくら美女でも、すべてが理想通りというわけにはいかないようです。
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以上、最後までお読みいただきありがとうございました!
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