中川雅之(2015)『ニッポンの貧困:必要なのは「慈善」より「投資」』日経BP社

画像1

こうした主題の本の重要な役割は、ただ貧困という現実を社会のオトナたちに突き付けることにあると思う。注目すべきは著者・企画者である日経記者の刊行時の年齢、33歳であること。今この国で貧困を語るのは若者ばかりではないかとすら思われてくる。

社会はあまりにも広すぎて、遠く離れた物事はほとんど目に見えない。他人がただひたすらに遠い、遠くて温度の感じられない存在でしかない。富のある人は何をすればいいかわからない。解決策があるのかと問う人がいる。彼らも実は当事者であるのだから、それを知りさえすればいい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?