塩野七生(2010)『日本人へ リーダー篇』文春新書

世界がテロと闘っていた米ブッシュ政権当時の国際政治環境下にあって、古代ローマを扱う歴史家がその含蓄とともに国際情勢と日本の置かれた環境を分析するエッセー集。驚くべきことは、現在のウクライナ侵略を巡る国際政治の有り様と世界が何ら変わっていないように思えること。

賢者は歴史に学ぶというが、ローマの歴史に学んだ著者の、今の我々からしたら一昔前を論評する本書に、また我々も学ぶところが多いというのは感じ入るところがあるものである。意味のないこだわりは捨て、目的のために必要な行動を起こすべきだ、日本人は。

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