真山仁(2006)『マグマ』角川文庫

傑作。地熱発電事業に取り組む投資ファンドの担当者を主人公にした経済小説。特に、この2050カーボンニュートラルが至上命題となったいま読み返してみると、著者の先見性にただ驚くばかりである。人が想像できることは必ずや実現できる、そうした信念を持って社会課題に取り組んでいこう。

本書出版の後を追うように地熱発電の普及を妨げていた様々な規制は改革され、現在は往時よりは事業環境は良くなっている。しかしながら、残念なことに菅総理のカーボンニュートラル宣言以前までこの問題に世間が真剣に取り組み、投資をしてきたとは言い難い。これからの展開に注目したい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?