山本文緒(2016)『なぎさ』角川文庫

海辺の街を舞台にした人間関係ドラマ。口に出さないならば、どんな親しい間柄でも分かり合うことは難しい。どこまでいっても他人である二人の人間同士、すんなりといかないことばかりだけど何処か愛おしくもある。

なぎさには、どこまでも開けた人やモノの行き来と無限の衝突が待ち受けている。時に得体の知れない存在と鉢合わせることもあるけども、広い空間には遮るものはなく、自分の決めた方向に歩みを進めることはいつだって可能なのだ。

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