瀬尾まいこ(2022)『掬えば手には』講談社

人の心が読める(という気がしている)主人公と心を閉ざしている同僚の物語。人に向き合うということの難しさ、それでも心に引っかかる違和感を大切にじっと見つめ続ける、寄り添うことの現実を温かく描いた小説。

手にあたるのは冷たい風ばかりじゃない、幸せや希望のような光の一粒一粒が掬い取れることにだって気づける。身の回りに起こることを観察して、愚直に向き合っていくことにエールを送っている。

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