櫻いいよ(2020)『それでも僕らは、屋上で誰かを想っていた』宝島社文庫

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群像青春劇。まっすぐな想いはいつもすれ違い、誰かを傷つける。でもこの物語はむしろ、誰かを傷つけたくない思いが歪んで、惨事をもたらす。行動することと、あえてしないことは、どちらが正しいことなのだろうか。

ネット小説由来の文体はむしろ少なく、一般的な文芸作品となっている。簡単に名前をつけられない感情と、抱えきれないほどのそれを抱え込もうとする青年たち特有の真っ直ぐな態度を詰め込んだ切ない一冊。

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