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【映画感想】『天使にラブ・ソングを』が時代を超える名作だった件

皆さん、こんにちは。葉月めまいです。
本稿は映画『天使にラブ・ソングを』の感想記事です。

もちろん、ネタバレが大いに含まれますので、
本編視聴後に読んで頂けると幸いです。

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なお、言うまでもないことですが、本稿の内容は全て個人的な感想であり、
「この解釈が正しい」などと主張しているわけではありません。










デロリスの変化と、「信仰」について

いやあ、素晴らしい映画でした。

序盤、デロリスの不真面目な態度や不倫の描写が強調されていたので、
「デロリスが修道院生活で変化していく物語なのかな?」と思いましたが、

聖歌隊のくだりから一転、
デロリスが変化を促す立場になる構成が美しかったです。

ヴィンスに向ける最後の言葉が「神のご加護を」であることからも、
デロリスの内面に大きな変化があったことは間違いありませんが、
その過程をあえて、大袈裟に描写していないところが好みですねぇ。

なんというか、変な言葉遣いになってしまいますが、
「信仰」という概念それ自体に対する信頼があるからこそ、
このような構造の物語になっているのだろうなぁ、などと。


「伝統と革新」という普遍的テーマと、その秀逸な描き方

デロリスが修道院に革新をもたらすのに対し、
伝統を守ろうとするのが修道院長であるわけですが、
この院長のキャラクター性が素晴らしい。

院長は自身の頑固さを自覚する客観的な視点を持ちつつ、
それでも自分の軸を捨てられずに異動を申し出る辺り、
非常に聡明であり、意志の強い魅力的な人物です。

そんな彼女が、危険で非常識なデロリス救出作戦の指揮を執る展開は、
もう激熱で大好きですね〜。

「伝統と革新の対立」を描いていながらも、
伝統側である院長を人格者として丁寧に描写していて、

一方で、革新側のデロリスも、
修道院の日々を通じて成長しているという構図が、
片側に肩入れしないバランス感覚を感じさせてくれて、大好物でした。


聖歌隊の成長とカタルシス

聖歌隊がどんどん綺麗な歌声になっていって、
若者が教会に集まるようになる流れも良かったですねぇ。

「自分にしかできないことをしたい」と言っていた、
メアリー・ロバートがソロパートを歌った瞬間が、
特にグッと来ました。

あと、「つまらなくて人が来ないなら、面白くすればいい(意訳)」という
デロリスの台詞は、何ごとにも通ずる金言ですね。


おわりに

ということで、映画『天使にラブ・ソングを』は時代を超える名作でした。

ベタかと思いきや、決して単純ではなく、
王道の価値をしっかりと示してくれる作品です。

以上となります。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。



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