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支援者は触媒である

新年あけましておめでとうございます。おだやかな新年を迎えることができました。おだやかであるということが心から嬉しいと感じられる今日この頃です。

社会福祉法人クローバーでは、事業所が交代で年賀状を作ります。今回は、Beginが年賀状を作りました。

201223_年賀状(原案)

今年もよろしくお願いいたします。

外山滋比古さん「思考の整理学」

さて、年末、法人の会議室の本棚を整理していました。そのとき目にとまったのが、外山滋比古さんの「思考の整理学」です。何年も前に流し読みをした本です。ひさしぶりに読み返してみると、以前に読んだときは響かなかったことが、今の私には響いてきました。

触媒

「触媒」という項があります。物質と物質を混ぜ合わせたときに触媒により化合されることで個性的になります。私たち支援者は、触媒のようなものかもしれません。利用者と福祉サービスを結び付けて、個別支援を実現させます。

また、同じ項に、バーテンダーがカクテルを作るときのことが例えとして紹介されています。バーテンダーは、お客の注文を聞き、良い素材、お酒と果汁を混ぜ合わせてカクテルを作ります。ただ、お酒と果汁を混ぜるだけでは美味しいカクテルになりません。お客が望む美味しいカクテルにするには、バーテンダーの経験や知識、技術が触媒となって作用します。

福祉サービスも同じです。利用者の希望を聞いて、支援者は、さまざまなサービスを組合せて支援計画を作り実施します。評判の良いサービスを組み合わせたからといって、利用者が満足するわけではありません。また、支援者価値観、生活感、理想が優先されると、利用者の注文とはかけ離れた支援計画、サービスにになってしまいます。

支援者の役割は、一方的な自我を抑えて、サービスとサービスを結び付け、利用者の望むサービスになるよう化学反応をおこすこと、そんなことを感じた年の始まりです。

2021年、良い年になることを祈願しています。

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