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★阿須波と月読 視点

※カオールン回から月夜君の家族視点へと一度話を戻します
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(父:阿須波 母:月読視点)

 家中のあちらこちらに隠しカメラを設置して1か月経った今日。ついに中身の確認の為夜中にも関わらず我ら夫婦はPCの前で回収したカメラの中身を確認しようとしている。
 多分だが、俺が家の中に隠しカメラを仕込んでいる所を丁度暁と月夜に目撃されてたからきっとわかってるんだろうなぁ~とか色々悶々としながら1か月過ごしていたわけだが…
 中身がこれほど凄いものだとは思っていなかった。

カメラの中身は、月夜と暁がただ本を読んでるだけの映像なのに、なぜか会話が英語なのだ。
 その次の日のカメラの中身は。相変わらず本を読んでるだけの映像なのに会話だけ異質である。ドイツ語だったりフランス語だったりと、それはもう多国籍に飛んでいる。
 日本語で話す事これあるのか?とか思いながらも色んな言語を織り交ぜて会話しているのだ。勿論日本語も入るが、日本語に対して日本語で返すのではなく。例えば暁が日本語で語りかけた返事に対して月夜がフランス語で返したり、英語で話しかけてスペイン語で返事を返したりと。

 最終的に俺ら夫婦と白夜が帰ってくる頃見計らって日本語に戻すって言うなんとも異様な映像を目の当たりにした。
 自室でその映像を観ていると、ノックの音に気付きドアを開けたら暁が立っていた。

 「やっと観たんだな。一体何か月放置するのかと思ったけど意外と早かったな」
 「で、中身はどうでしたかな?」と言われ俺たちは、「これがお前ら二人の日常なのか?」と聞いてしまった。隣では妻の月読も「うんうん。これがほんとに月夜と暁くんの日常なの?」と聞いてしまう程衝撃的な映像だったのだ。
 「そうだよ、これが俺ら二人の日常だよ。すごいだろ?まだ4歳なったばかりなのにコレだけ語学に理解のある子なんて早々居ないぞ」と何故か自慢気に話す暁には頭が上がらないよ。ほんっとにさぁ、何やってくれちゃってんの?俺の弟は(;´・ω・) 俺たち2人とも半分呆れながらも、でもこれで心置きなく幼稚園に入れられると思ったのは言うまでもなく。だがほかに何か隠してないか?と突いてみたらカメラの無い所に暁のノートPCを持ってきて何やら会話をしていたそうだ。

 暁も今は外に仕事に出てはいないが、実は某大学で研究者なんてのをやっていた時期があり。
 今は 某製薬会社の闇を暴き出すようなお仕事に就いている。
 現場には出ないでも出来る仕事があるから、それだけでも結構な儲けを出しているから
 と月夜の面倒を買って出てくれている。だからほんと暁には足を向けて眠れないくらいに頭が上がらないのである。

 今はだいぶ仕事も落ち着いてきたようで、PCの前に座って作業してる事は減ったようだがそれでも月夜の面倒をみつつ仕事を熟している所を見ると早く月夜を幼稚園に入れねばと思ってしまう。
 幼稚園と言っても寄宿学校と言うようなものでは無いからちゃんと夕方には家に帰ってくる。
 勿論迎えには行かなければいけないが、お迎えも暁が買って出てくれた。

 なぜそんなに甥っ子に執着するのかは解らないが。もしかしたら、話の通じるのが月夜って事なのか?とか色々1人でぐるぐると思考を巡らせていたら、思考の外側でくすくすと笑う声が聞えた。
 暁と月読2人で人の顔を見ながら笑ってる。なんて失礼な奴らだとか思ってたら「なんでそんなに月夜に執着するのか気になるのか?」って「お前はエスパーかぁぁぁぁぁ」とつい…「確かになぁ~。月夜の事は生まれてからずっと気に入ってたからな。仕方がないよ」と言う答えに俺は見当違いな返事をしてしまい2人に爆笑されてしまった。
 「暁!お前に月夜は嫁にやらんからなっ」の一言で「なんか兄貴疲れてるみたいだから、月ちゃん兄貴頼んだね」の一言残して部屋を後にした。

 「阿須波さん、月夜くんはお婿さんになってもお嫁さんにはなれないわよ」と普通に返されてしまった。俺なんてマヌケな事を口走ったんだろうと恥ずかしくなってそのまま寝ることにした。

 次の日、暁が月夜に「お前の父さん最近どうしたんだ?月夜はお前の嫁にはやらんからな」とか昨日言ってたんだぞ。ってなにもばらさなくても…と思ってたら月夜にジト目と言うんだろうか凄い目で見られてとても落ち込んだのは言うまでもない。
 白夜はそんな俺に、「父さん、月夜に何かしたの?凄い目で父さん見てるよ」と「暁兄さんに嫁にやらんとか言ったのばらされたの?」と耳を疑うようなセリフに「な・・なんの話だ。そ・・そんなこと…」
 「あぁ~やっぱりやらかしたんだ。父さんそういう所あるから気をつけないとね」と白夜にまでトホホホ…

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