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『わたしたちに翼はいらない』寺地 はるな



この物語の登場人物はきっと現実世界にも存在する。

大人になっても自分達を無敵で最強だったと言い切るカースト上位組。
自分達の行為が、同級生の心に一生残る傷を植え付けた事を忘れ、その傷ついた心を慮る事もなく。

彼等の自己肯定感の高さも優越感も傍から見れば滑稽でしかない。
中学時代のマウントに拘り、いつまでも王様、お姫様気分で想像力の欠如を自覚すらしていない。

狭い地方都市でそれぞれの人生が交錯した瞬間に殺意は生まれる。

許せない自分を責めたり無理に赦す必要はない。
終始不穏な空気が流れる中、作者のメッセージが心に刺さる。




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