情報とデータ ~ プログラムが魔法でないとわかればプログラマになれる 19

プログラムで使う複雑な情報

私たちがプログラムを使って何をしているかというと情報の操作です。「情報操作」というと情報を改変して誰かを惑わすような悪意のある言葉になってしまいますが、そういう意味ではなく情報の形を変えたり整理することで新たな価値を生み出しているということです。例えばスマートフォンで地図アプリを開くと現在地を中心に地図が表示されます。これは「現在地」という情報を使って地図の表示位置をリアルタイムに動かすプログラムが動いているからです。「現在地」や「地図」の情報を組み合わせ、どのように表示するか計算を加えることで「現在地が中心になる地図」という新たな価値のある情報を生み出しています。

情報 とは何でしょうか。自分が人間であるというのは一つの情報です。名前も情報です。身長や年齢も情報です。他にも住所など例を挙げるとキリがありませんが、それぞれの情報はとても小さなものです。もちろん情報は小さなものだけではありません。例えば「Aさん」と言った場合、名前も身長も年齢もAさんに関わる全ての情報を合わせたものが「Aさん」という情報です。「日本人」なら1億2千万人分の情報を合わせたものです。

では、プログラムにおける情報とは何でしょうか。

let a = 100;

100a という名前で使えるようにする命令ですがこの 100 というのが 情報 です。私たちの名前や年齢と同じようにとても小さな情報です。実はプログラムにも色々な情報を組み合わせた情報が存在します。いわば「Aさん」のような情報を使うことがあります。

今まで説明したプログラムでは「名前」に対して「内容」は一つだけでした。 例えば price という名前を付けたとして内容は 200 というように名前と内容が1対1になっていました。ですがプログラムでは1つの名前で複数の内容を示すことも可能です。 price の内容が 100138198200 を同時に指すようにすることもできるのです。これを「配列」と言いますが、知ってもらいたいのはプログラムにも複雑な情報が存在するということです。

一般的な言葉である「情報」を使ってきましたがプログラムの世界ではこれを データ と呼ぶことが多いでしょう。巨大なファイルのことをデータと呼ぶこともありますし、プログラムにおける 1 という数値もデータです。データには 1A といった単純なものもありますが、それらが組み合わさった複雑なデータもあるということです。

単純でないデータを使うプログラムは初心者にとって非常に理解しにくいものです。なぜなら組み合わさったデータを見たときにそれを構成する小さなデータに分解して理解できないからです。「Aさん」というデータは「名前」「身長」「年齢」といった様々なデータが組み合わさったものです。これが理解できればこれから登場する「配列」や「オブジェクト」などが理解しやすくなるでしょう。

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