2017年9月の短歌

※文章中一部敬称略

【うたつかい2017年秋号掲載歌】
「Living to Eat」
冷蔵庫、ユニットバスと万年床 どこにでもある何かの残骸
さようなら被害者意識こんにちは大盛りラーメン野菜マシマシ
月面で祭りが開かれてる間にサプリメントを一箱空ける
どちらかといえば尊敬していない人が作ってくれる朝食
唐揚げになるため生まれたニワトリと生まれた理由(わけ)がわからない俺

テーマ詠「学校」
やすみかた(こくご/さんすう/りか/しゃかい)なんてしらずにはしりはじめた

【短歌 de 胸キュン放送歌】
病床で淡い言葉に囲われてゆっくりほどけていくのだろうか(9月24日 テーマ「淡い」入選 佐伯裕子・選)

【ネットプリント毎月歌壇採用歌】
空は空色に染まりすぎています 棒読みの言葉を投げてください(ネットプリント毎月歌壇2017年9月号 石井僚一・選にて掲載)

【「歌人のふんどし」掲載歌】
「カランコエはもう咲かない」(タイトル提供:塚田千束さん)
鼻歌がまだ止まらない日曜日 別れないのは出会わないから
ついてくるやつがいるなら花畑踏まないよう回り道する
水やりをしすぎて枯れた花の名を思い出せずに眠る猛暑日
散り散りを拾い集めるときにくる足の痺れと腕の痙攣
夜からの手紙を読んでとびきりの痛みを知ったらしい横顔
てらてらと光る葉っぱに導かれ生き返り方をまた思い出す

「歌人のふんどし」は田中ましろさんが主催している、他の人が考えた連作タイトルがランダムで割り当てられ、そのタイトルで連作を作るという企画です。
全作品は以下から読むことができます↓
http://www.kokoiru.com/fundoshi2017/

ちなみに私の考えたタイトルでは有村桔梗さんが詠んでくださっています。さすが! という感じの連作に仕上がっておりますよ。

【雑記】
四者による合同ネプリ「gekoの会」第二弾企画中。原稿は提出済みなので近々お届けできる予定です。お読みいただけると涙ちょちょぎれます。
歌壇賞に応募しました。で、しばらくは連作を作る機会がない気がする……ので機会を作ろうと思っております。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?