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保育・教育のミライを応援する。『保育者応援プロジェクト』第2弾が開催!

「保育に関わる人を応援したい」
そのような想いで活動をするチームがある。
それが「保育者応援プロジェクト」。
第2弾のイベントが2023年6月4日(日)東京都文京区白山にて開催される。
開催にあたり、どんな取り組みなのか、どのような想いなのか……主催者である北村篤氏、(株)ほい研代表・佐藤洋太氏に語ってもらった。

聞き手:中西助三(こびと園長)

保育者応援プロジェクトとは?

「保育者応援プロジェクト」とは、保育者自身が運営する、ワークショップを通じて、学びや繋がりを作る交流会である。
第1弾は保育者自らが登壇者となり、自身の得意なことや、伝えたい想いを参加者に伝えていった。
詳細は「保育×ACTION!#1 発信×学びの相乗効果 保育者当事者主催のイベント」をご覧頂きたい。

第2弾では、保育の道へ進む学生をターゲットとしたイベントが開催される。

今回のテーマは「ミライの保育者を応援する」

主催者:北村篤氏

今回の対象は学生たちということでした。どのような内容なのでしょうか?

(北村篤:以下、篤)「今回は【学生たちの力になる】が大きなテーマです。保育の道を志す学生たちに『保育者にリアルに聞きたいこと』や『いま感じている悩みや不安』、これらを事前にアンケートします。

6月4日に現役の保育者や学生たち、これらの参加者と、アンケート内容をテーマに話し合います。この日の目標は、集まった悩みや疑問に対して、1つの回答を導き出すことです。

学生たちがいきなり現場の保育者とディスカッションとなると、話しにくいと思う人もいるので、話しやすいように各テーブルにファシリテーターが入る予定です。気軽に話せる場になると思いますよ。

そして、参加者が話し合って導き出した回答を、アンケートに答えてくれた学生たちにフィードバックします。疑問や悩みなどを知れたら、これからの未来へ少しでも力になれるのではないかと思います。」


第1回は保育者自身が持つスキルや強みを活かした取り組みでした。そこから学生たちにスポットが当たったのはなぜでしょうか?

(篤)
「チームメンバーである佐藤さんと大事にしている想いがあります。【同じことはなるべくやりたくない、常に変化し、進歩していきたい】ということです。

かねてより、学生たちを巻き込みたいという想いはありました。これからの保育業界を作っていくのは、現在働いている人だけではなく、学生たちでもありますからね。
学生たちが夢を持って保育業界に飛び込んでほしい。"学生たちの力になりたい"という想いがあるんです。

(佐藤)「私は、もともと保育の人材派遣紹介会社に勤めていました。7年半の期間でのべ4,000名の保育人材(栄養士・看護師も含む)の就職・転職支援を行ってきました。

ある時、いきなり学生が人材派遣紹介会社に来ることがあったんです。もちろん、そういう方は就職する際の園選びのポイントを伝え、『まずは自分で探すこと大切にして欲しい』と伝え、派遣紹介はお断りさせてもらっていました。

新任から派遣紹介をしてしまうと、業界的にも、本人的にもあまりよくありませんからね。でも、『学生さん達がなぜ派遣紹介会社に行ってしまうのか?』ということは現場の先生方にも理解してほしい、という想いがあります。

人材派遣の登録や相談に来る方々の、多くの転職理由は人間関係といいます。たしかに人間関係で離職する方は多いですが、採用側としては人間関係という退職理由だけに目を向けるべきではないと思います。本当に目を向けなければいけないのは【業界に希望を持てない、誰かにすがりたい、どこに相談したら良いかわからない、だからとりあえず人材紹介会社に登録した】という"背景"なのです。」

保育園が学生たちと"繋がり"をつくる時代へ

(株)ほい研代表・佐藤洋太氏

学生が保育業界に希望を持てるような取り組みを、保育園側が見えやすいかたちで作ることが大切なのですね。

(佐藤)「保育や一般職に限らず、労働人口の減少に伴い、各園での新卒保育士採用はより厳しくなると思います。これは保育業界全体の年間退職者数に対して、卒業する新卒保育士が足りていない現状が続いていることからも明らかです。

各養成校の卒業後の進路などを見ても、年々保育分野に行く割合が下がっている所も増えています。
その背景として、以前は保育は専門職なので他業種への就職や転職のハードルは高い傾向にありました。

それが、今では労働人口の減少に伴い、多くの中小企業が一般職(専門性を必要としない職種)での採用が難航しています。その為、専門職から一般職へのキャリアチェンジのハードルは、かなり下がっている傾向にあり、それによって新卒保育士の他業種への流出が顕著になっているのかと思います。

また、労働環境においても地域によっては保育士で就労するより、無資格・未経験可でも働ける飲食・販売・コールセンター・人材派遣系などで働いた方が、待遇やキャリアアップが見込めるという見え方も、新卒保育士の他業種流出への追風になってます。実際はそんなことないのですけれどね。

私は保育業界内で少ない新卒保育士採用のパイを取りあう時代は既に遠い昔に終焉していると考えています。いま、保育採用担当者や園長先生が新卒採用に関して目を向ける必要があるのは『他業種への保育人材の流出をどのように防ぐか、その為に何をするか』なのだと考えております。」

今回の企画で現役の保育者と学生が繋がることで、どのような効果を期待していますか?

第1弾の様子

(佐藤)「先ほども言ったように、これからは人材紹介会社を通じず、園側が積極的に学生にコンタクトを採る時代に突入してきています。学生たちと園が繋がれる場作りを、積極的にやっていく必要がある。

でも、せっかくやるなら……おもしろおかしく、楽しみながらやってもらいたい。保育者応援プロジェクト第2弾は園側にとっても、学生たちとの"繋がりを作る場"のモデルケースにもなるイベントだと思います。」

(篤)「現場で働く保育者にとっても、学生たちとの交流は大きなメリットになると感じています。学生たちからのリアルな疑問や悩みに触れられる。

それらに向き合うことで『学生さんってこんな事に悩んでいるんだな』という理解に繋がったり、自分たちの保育や姿勢を見直すきっかけにもなったりすると思うんです。集まったすべての人に、学びや刺激を持ち帰ってもらえるかたちにしたいですね。」

学生たちに明るいミライを


それぞれ熱い想いをもっているのですね。今回のイベントへの想いを聞かせてください。

(篤)「今回、働いている大人だけではなく、対面やアンケートを通して学生たちも参加しています。イベント運営メンバーにも、現役の大学生が、企画から参加しているんです。

こうして、大人が仕事以外のイベントを全力で取り組む姿を見せる事も大事かなと思っています。『あ、こういう大人もいるんだ』という気づきが学生たちの力になったり、魅力になったり、『自分もやってみたいな』という原動力にもなって欲しい。

学生たちの声に、大人が全力で答えるだけでも、リアルに学生たちにフィードバックできるじゃないですか。それも学生たちの力になる。

何より大人がそういう姿を見せることで『あ、こんなに魅力的な保育者がいるんだな』って思ってもらいたい。この保育や教育の業界に夢や希望をもって、歩んでもらいたい。そんな想いで企画しています。」

(佐藤)「私が学生と現場の保育者を繋げたいと思うのは、人材紹介とか斡旋したいわけではありません。あくまで学生の声を受け止め、保育業界・教育業界を明るく見せたい。これは私たち大人の責務だと思っています。そのための会なので、そこだけはズレないようにしていきます。

保育者応援プロジェクトの活動の目的の中には、各園様で出来る取組みを考え実行する、業界に希望を持たせる、そんな取組みが保育業界で当たり前に根付いて欲しいという強い想いがあります。

保育者応援プロジェクトは、あくまでも各園様が実行できそうな取組みひとつの参考事例でしかない。『応援プロジェクト楽しかったね』『参加して仲間と繋がってよかったね』で終わりではなく、あわよくば各園が採用や集客について焦り、自園の取組みを振返るきっかけになってほしいと思います。」


【学生たちと現場の保育者を新しいかたちで繋げていきたい。】
そんなお二人の熱い想いが詰まったプロジェクト。
この記事を読んでいるアナタも、ぜひ参加してみませんか?

文・中西助三(こびと園長)

「保育者応援プロジェクト」第一回の様子はコチラ。


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