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ニューオフィスTOCへの道のり

こんにちは!ClipLineのPRを担当している小原です。          公式ホームページでも既に公開していますが、私たちはリモートワーク主体での働き方を前提としたオフィスを、五反田TOCに新しく設けることとなりました。

今回はそこに至るまでの経緯について、移転プロジェクトを担当した遠藤さんにお伺いしました。

遠藤 倫生
ClipLine株式会社 取締役
2013年にClipLine株式会社に参画。映像撮影・編集の豊富な知見を活かしたコンテンツ部門統括を経て、新規事業・採用・高齢者就労支援・PRを統括するビジネス・アクセラレーション部門統括に就任。

iOS の画像 (2)▲フリーアドレスの作業スペース 

Q 新しいオフィスを探しではどのようなステップを踏みましたか

まず、いわゆる「withコロナ」の状態、感染を防ぎながら働かなければならない状況が続くことを前提条件に置きました。緊急事態宣言中から現在に至るまで、新型コロナウィルスの感染拡大・収束の見通しについては諸説入り乱れておりますが、合理的判断としても、メンバーの要望としても、毎日の通勤と集合勤務を会社の約束事としてお願いすることは、当面ないだろうと。
そういう前提に立って、今後、メンバーがどのような頻度で出社を希望するのか、ヒアリングを行いました。集計+推計を入れて、出社率20%は超えないだろうということがわかりました。そこから必要な坪数を設定し、物件探しを開始しました。いや、実際には物件を探しながら出社率の推計をしてました。
坪単価は2万円程度に設定。地域ごとの相場観を確認しながら探して、仲介業者さんから200件を超えるご提案をいただき、40件ぐらいのビルを具体的な候補として絞り込むことができました。さらに比較検討、内覧をしながらABCDのレイティングをして絞り込んでいきました。

レイティングの軸は、
・アクセシビリティ: 駅からの距離、エレベータなど館内移動の時間
・ビルのグレード: 内装、外観
・居住性: 換気性、匂い、眺望、館内設備、館内飲食小売店
・上記の対価としての賃料

Q Aランクのオフィスは何箇所ありましたか

スクリーンショット 2020-09-02 20.19.23

このGoogleMapには、内覧した候補物件がピン留めされています。全部で約40件、そのうちAランクはTOCを含め3物件でした。
Aランクのうち、例えば五反田エリアのあるビルは、駅からは若干遠いものの内装が非常に綺麗で、上品なビルでした。
後は茅場町です。ここも非常に綺麗で、ClipLineが創業以来拠点を置いてきた城南エリアからは出てしまうんですが、日本橋に近く非常にアクセスの良いビルでした。
物件の内覧をしていく中で、条件を満たした上でプラスαとして今回のClipLineの決断を感じられるような場所があればベストだと感じていました。
最終的には、なぜそこに居るのかというストーリーとか、因縁の世界ですよ。

iOS の画像▲バーカウンタースペース

Q Aランクの物件の中で、最終的にTOCに決定した理由は?
坪単価がかなり安い、これはもちろん理由の一つです。
坪単価が安いということは広い床面積を借りることができますので、ある程度のオフィスの広さを確保することができ、様々な余白を楽しむことができます。もちろん、ソーシャルディスタンスの確保にも繋がりますので、会社としても出来る限り押さえたいポイントでした。

もちろん価格だけで決めたわけではありません。
五反田TOCというビルにはリーマンショック後に創業した東京のITベンチャーの色々なストーリーが歴史として刻まれています。我々の先輩ベンチャーが現在入居されており、小売のサポート部門なども多数入居されています。 五反田バレーという言葉が数年前出てきましたが、間違いなく五反田バレーの中心はこのTOCビルです。(参照: 五反田バレーマップ

新型コロナウィルスの問題が大きくなって以降、オフィスの存在意義について語られることが多くなりました。その中で「これからのオフィスはますますコミュニケーションの場としての価値が重要になる」という声はますます多く聞かれるようになったし、たとえば安宅和人さんは、これからのオフィスは「帰属意識を確認する、宗教の神殿のような存在になるかもしれない」と言いました
私は宗教っぽい会社は嫌ですし、会社への帰属意識って基本的に気持ち悪いもので、付かず離れずくらいがちょうどいいと思ってます。しかし確かに神殿や行政府のように、組織の象徴としてのオフィスには、なぜそこにいるのか、なぜそこに本拠地を構えるのかというストーリーが大事だと思います。
多くの先輩ベンチャーが入居するビルに我々もお邪魔をして、商売をさせていただくという経験を一度はすべきだと思ってました。

今回TOCの内覧をして、やはり卸売センター・兼・商業施設としてのスペックはなかなかのもので、ビルの中に郵便局やヤマト運輸や佐川さんなどが入っていたり、基本的な事務用品は全てビル内で調達が出来たり、時間貸しの会議室なども充実していたりと、われわれの業務の生産性がかなり上がる可能性が高いな、ということに気付きました。

iOS の画像 (1)▲ラウンジスペース

Q TOCビルの歴史や環境が、会社の求心力の一端を担ってくれると感じたということでしょうか?

ヒトカラメディアさんとの対談の際にも申し上げたんですが 、この数ヶ月間特に東京などの都市部において、企業の働く方々の働き方が大きく変わりました。

在宅勤務を中心にワーキングスペースを分散させて働くことが不可逆な変化であるという認識が、企業の経営層だけではなく一般の社員やアルバイトの方々にも浸透しました。この不可逆な変化がそれぞれの会社だけでなく社会全体の生産性を上げる方向に働くと私は感じています。
しかし、皆が地理的に分散して働くようになると、これまではチームとして一体感があったのに、会社と自分との雇用契約関係、言い換えると、「自分の業務範囲を守り、上司とあらかじめ設定した目標を達成し、会社に評価してもらう」という閉じた関係から外に出ない働き方になりはしないか。あるいは「顧客と、担当者としての自分」という閉じた関係だけで仕事が完結してしまうという、悪い意味での分散化が進むんじゃないかと危惧しています。
こんな時代だからこそ、他者とのインタラクションの多い環境にチームが身を置くということが必要なんじゃないかと思います。
TOCはもともと卸売センターで、フロアに長く滞在すると気付かれるかと思いますが、フロアのいたるところでオープンなスペースで商談が行われています。長年商売をされている服飾雑貨などの企業さんに加えてIT企業も多く、多種多様な商売がそこで展開されていることが手に取るように分かる環境です。拠点として、そういう賑やかな場所が良い作用をもたらすのではないかと考えたわけです。

vol.1はここまでです。
続編に続く