性的同意① 「性的同意」について、考えたこと。
こんにちは。
今回は「性的同意」について考えたこと、感じたことを書きたいと思いました。
最近になって、やっと日本でもよく聞くようになった「性的同意」。
ちなみに私は、20代後半まで「性的同意」について知りませんでした。性的同意について知ったのは、カナダのカウンセラーさんからでした。
英語で性的同意は”Sexsual Concent” と言います。
コンセント…?あの電気のコンセント?性的な電気コンセント?笑
なんて最初は思いましたが、カウンセラーさんから、「セックスする時には、同意が必要なの。」と説明された時は、衝撃でした。
Yesが言えて、自分から「したい」と言えて、思えて、初めて同意を意味する。
当時はそんなこと学び、「心から「したい」なんて思ったことない…」と気付いた時、ショック過ぎて言葉が出ませんでした。
そんな、私にとっては衝撃だった「性的同意」ですが、日本にいる方からはこんな声も聞きます。
「言葉で聞いたら雰囲気ぶち壊しじゃない?」
「聞かなくても雰囲気で分かるでしょ?」
「海外の人はみんないちいち相手に聞いているの?」
「相手の行動見てたら、その気があるかないか分かるでしょ?」
私も日本で生まれ育ったので、なんとなく、言ってることが分かります。
そんな性的同意について、色々調べて、考えてみました。また、カナダ人の夫と話していると、とても大きな学びになりました。
(夫との詳しいやり取りや、「実際どうするの?」については、性的同意②で書きたいと思います。)
性的同意がイマイチ理解できない方や、性教育に興味がある方のご参考になれば、嬉しいです。
性的同意とは?
まずは定義から。色々調べてみましたが、わかりやすい説明はこちらでした。
※「もう十分知ってるよ」という方は、とばしてください。
上の記事の中でも紹介されていますが、こちらの有名な動画もここに載せておきます。
”Concent - it’s simple as tea.”「同意 - それは紅茶のようにシンプルなもの」という動画です。(下の動画は日本語訳のものです。)
3分ほどの動画です。この動画ではセックスを紅茶に例えています。
「相手に無理やり紅茶を飲ませてはいけません。」から始まり、
途中で相手の気が変わっても、その人が紅茶を飲む義務はない。
意識がない人に紅茶を無理やり飲ませてはならない。
相手が前に「紅茶を飲みたい」と言っても、その人がいつも紅茶を飲みたいとは限らない。
など、様々な文脈で「同意」を説明しています。動画の最後には「飲みたくない時もあるし、飲むかどうかをきめるのは、その人自身です。」と締めくくられていました。
紅茶に例えると、とても分かりやすくて、いかに同意が常識的なことかを思い知りました。
コメント欄には、
「『相手がどんな服を着ていても、『紅茶を飲みたい』という意味にはならない。相手の服装は、あなたに対しての意思表示ではない。』を付け加えて欲しい。」
というような意見もありました。
「相手がお家に来たからと言って、必ずしも紅茶を飲みたいという意味にはならない。」
これも付け加えて欲しいなぁと思います。
また、性的同意を取るポイントとしては、こんなことも挙げられていました。
性的同意について知れば知るほど、「人を、相手を尊重すること」につながるなぁと思いました。
相手を尊重していれば、どのタイミングでNOと言われても自分の欲求を押し付けることはないだろうし、お互いが安心して求め合える環境を作ろうとするだろう、と思いました。
カップルや夫婦でも、力関係が出来てしまい、愛していたはずなのに、相手を尊重することすら忘れてしまう…それは悲しいことですが、どの人にとってもあり得ること。
自分の身を守るためにも、パートナーとの関係性を定期的に見直すことは大切なことだと思いました。
日本の文化では、性的同意を取るのはハードルが高い…?
少し話は変わりますが、私は大学でコミュニケーションを勉強しました。今でもすごく覚えていることは、『コミュニケーションの70%は、ノンバーバル(非言語)だ。』ということです。
つまり、人が人とコミュニケーションを取る時、30%は言葉からの情報、70%は言葉ではなく、相手の態度、顔の表情、視線、声のトーンなどからの情報でコミュニケーションをしているということです。
その上、日本語や日本文化は、「ハイコンテクスト文化」と言われています。
ハイコンテクスト文化とは、言い換えると「空気を読む」文化。「以心伝心」「1言えば10分かる」です。
コミュニケーションの前提となる、文脈(言葉、価値観や背景)が非常に近いことを表します。
ここから、私の頭の中では、こんな公式が生まれました。
日本人のコミュニケーションにおいては、
70%非言語情報 + ハイコンテクスト(空気を読む)文化 = 言葉での性的同意は非常にハードルが高い…(?)
だからこそ、「家に来た=セックスしてもいい」と判断してしまう人も多くいるのでは…と思いました。
多くの日本人は前提として、(無意識に、かもしれません。)相手と同じ言葉、文脈や価値観を持っていると予想することが多いです。
「あの時相手はこう言った。そして今度家にくる。ということは…多分その気があるんだろう。/ その気はないだろう。」などと、相手に直接聞くのではなく、文脈から判断する傾向があります。
行為に至る時、そういった文脈からの判断が、相手と同じものであれば問題ないですが、中には「そんな気なかったのに…」「空気読まないといけない雰囲気になっちゃった…」という人もいるはずだと思いました。
文脈から相手の気持ちを推し量り判断するなんて、他の文化の方はとても真似できない、本当に高度なコミュニケーションスキルなのですが…
そんな文化やスキルがあるからこそ、冒頭に書いた疑問が出てくるのは自然なことだと思いました。
「セックスをする」ということは、「密な関係になる」ということ。
これから密な関係になるのに、
「そんな野暮なこと、聞くもんじゃない」
「相手の気持ちがわかって当然だ」
「聞いたら空気読めないと思われるかもしれない…」
相手から好かれたい、カッコ悪くなりたくない、そんな気持ちがあればあるほど、「口に出して同意を取る」のハードルは高い気がしました。
「性的同意」は必要?
相手の気持ちを推し量り判断することのできる、高度なコミュニケーションスキルを持っている人が多い日本。
空気を読み、1言えば10分かる、そんな日本文化。
そんな中では、「同意なんていらない」もしくは「同意なんて、言わなくても取れている」と感じる人もいるかもしれません。
一方で、日本は、性犯罪大国です。(もしくは変態大国です。笑)
痴漢や盗撮は、「それぐらいまぁいいだろう」という考えがどこかにあり、社会がそれを許す現状があります。
また、痴漢や盗撮に遭った方が責められる現状(二次被害)も見逃せません。
現在の日本では、「性暴力」として訴えることを諦め、泣き寝入りしてしまう方も多いと思いました。
だから、日本で性的同意なんて必要ない。
…個人的には、それは違うと思いました。
愛する人が、性暴力を受けた。その上、泣き寝入りした。
犯した犯人は、今も何事もなかったかのように、のうのうと生きている。
愛する人は、今もトラウマに苦しんでいる。
そんな苦しい状況が、今現在、どこかにあると私は思います。
被害者もそのパートナーや家族も、どちらも苦しまなければならない日本社会の現状を変えるために。
そのために必要なのが、「性的同意」そして「性教育」だと思います。
社会のあり方は、常々変わります。
実際、日本では、2021年4月から、文部科学省が一部の学校で、試験的に『生命の安全教育』をスタートさせたそうです。
(こちらはこちらで、問題も多々あるようですが…)
性犯罪について、正しい知識をつければつけるほど、痴漢や盗撮を含めた性暴力についての憤りは、社会に向きます。
それらに対する処罰が、どんどん厳しくなる方向に世界は動いています。
「まぁいいだろう」「相手もしたいだろう」または「(相手が)泣き寝入りするだろう」などと、性的同意を疎かにするのは、将来の自分の身を守らないことと同じことになります。
セックスにおいて「同意が必要ない」という考え方は、相手を尊重しないことにつながり、それは自分を尊重しないことにもつながり、とても危険だと思いました。
スマートに「性的同意」を取るには?
夫と色々話したことを簡単にまとめると、シンプルに相手に「聞く」のがやはり1番だそうです。
特にかしこまって、相手と距離をとって「よろしいでしょうか?」なんて聞く必要はありません。笑
そういう雰囲気になったら、キスを始める前に近くで「…いい?」と囁いたり、前戯の時やセックスに入る前には「していい…?」「して大丈夫?」と聞いたりするのが一番だそうです。
いい雰囲気でも、NOと言われたり、相手が答えれなかったり、拒んだり、「う〜ん…」と微妙な反応だったら、同意は取れていないことになります。やめておくのが賢明です。
相手が「うん、いいよ」と言った時のみ、性的同意があったと考えられます。
そのほかにも、色々「見るポイント」はあるそうです。今回は長くなるので、詳しくは、次の記事「性的同意②」で書こうと思います。(「手」でコミュニケーションを取るそうです…!)
まとめ。
今回は、「性的同意」について、コミュニケーションや文化の観点から考えたことを書いてみました。
他の国と比べると、日本はまだまだ学校での性教育も遅れており、「性的同意」について深く考えたり、知る機会が少ないと感じます。
「空気を読む」文化で生まれ育った、多くの日本人にとって、同意を取るのはハードルが高いかもしれません。
しかし、外国の方がどうやってパートナーと同意を取っているかを知ることによって、学んでいくことはできるのではないかなぁと思いました。
私自身もカナダ人の夫との会話を通して、学びたいと思います。(次回の「性的同意②」をお楽しみに〜!笑)
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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