【院長執筆】毛穴を目立たなくするには、真皮のコラーゲンを増やせばよいのです

こんにちは。美容皮膚科医の田宮エリーです

さて、今回は毛穴治療についてです

毛穴の数は、一生かわりません

毛穴は、皮膚の付属器ですので、皮膚が欠損したり瘢痕になったりしないかぎり、なくなりません

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ごらんのように、毛穴の上のほうに皮脂腺がくっついています

古い皮脂や角質がまじったものが、毛穴の内腔に貯留しやすい構造をしています

貯留したものを角栓といい、これをこれを栄養分にして菌がはんしょくして、炎症がおきるとニキビとなります

ニキビ治療についてはまたこんどにするとしまして、
毛穴に角栓がたまっていると、あたりまえですが目立ちます

なので、まず、角栓をとりのぞき、角栓がたまらないような毛穴にしてあげる必要があります

毛穴に角栓がたまらないようにするには

毛穴の出口をふさがないこと
毛穴の内腔をせまくして、分泌された皮脂がスムーズに皮膚表面にでていくような状態にすること

が必要です

内腔を狭くするということは、

毛穴の壁を厚くして、ぎゅっとおしつけるイメージです

画像2

ごらんのように、

毛穴の深さは5mmもありまして、毛穴の壁のほとんどの部分は真皮層なのです

真皮は、

・コラーゲンやエラスチンなどのたんぱく成分
・ヒアルロン酸などのムコ多糖類

でできています

スポンジを想像してくださいますと、わかりやすいかと思いますが、スポンジの繊維がたんぱく成分、あなあなの部分がムコ多糖類でみたされているようなイメージです

・コラーゲンやエラスチンなどのたんぱく成分=スポンジの繊維部分
・ヒアルロン酸などのムコ多糖類=スポンジのあなあな部分

約5㎜の厚さの、スポンジみたいな構造の真皮が、わたしたちのからだを覆っているのです

そのさらにそとがわに厚さ0.2mmの表皮がありまして、これはつぎつぎ細胞がうまれて、ふるいものは脱落していきます

真皮は、表皮とはちがって、成長期をすぎると、成分が日々あたらしくつくられることはありません

体表面積を、これ以上大きくする必要がないためです

表皮は、外界からの刺激につねにさらされていますから、当然死滅していく細胞が多くありますので、その補充のため、日々細胞をうみだす必要があります

成長期をすぎたあと、年齢とともに、真皮成分はへっていきます

スポンジの繊維が細くなって、
まばらになり、
あなあなが大きくなって、
全体的にへたってゆくのです

全身の皮膚が、このようにへたってきますと、しわやたるみがでますし、毛穴も目立つようになります

しわたるみについては、別の機会にゆずるとしまして、

毛穴の壁の部分がうすくなると、内腔がひらきます

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毛穴の上のほうに、脂腺がありますから、この分泌物がしたのほうに貯留しやすくなり、これと角質がまざりあって古くなって乾燥したものが角栓です

毛穴の出口部分の角栓が、空気に触れるて酸化すると、黒ずみになります

また、角栓を栄養分にして雑菌が繁殖すると、炎症性の赤ニキビになります

やっかいです

これを改善するために、

毛穴の壁の部分を厚くするやりかた

を書きたかったのですが、わたしはまわりくどいのでここまでかかってしまいました

ようやくたどりつきました

真皮のコラーゲン密度を上げることそのものが、毛穴の治療にもなるのです

子どものお肌で、毛穴がほとんどわからないのは、皮脂の分泌が少ないためと、コラーゲンが豊富なためです

これに近い状態をつくりたいわけなので

・毛穴の汚れをとりのぞく
・皮脂の分泌量を適量にする
真皮のコラーゲン密度をふやす

この3つが、毛穴を目立たなくするためにすることです

具体的には、当院では、

・ケミカルピーリング
・プラズマシャワー
・ウルトラフォーマー(HIFU)

を用いて、治療してまいります

さっそくご説明いたしますね

角栓をとりのぞくには、ピーリングが効果的です

角栓を吸引したり、押し出すと、どうしても皮膚を傷めてしまい、毛穴がより目立つようになります

ケミカルピーリングは、酸を皮膚に塗布して、いろいろな効果をだす治療です

使う酸の種類、濃度、塗布する時間によって、効果の出かたがちがってきます

酸の分子構造によって、AHAやBHAなどと分類されます

にきび治療でよくつかわれるのが、グリコール酸です

これはAHAのなかでもっとも分子量が小さいため、毛穴の中にスムーズに入り込んで、汚れを分解してくれるため、毛穴に一致した炎症であるにきびに有効なのです

また、乳酸は、グリコール酸のつぎに分子量が小さいAHAで、皮膚表面にある程度とどまるため、美白効果が期待できます

これらAHAは、角化層の細胞同士の結合をゆるめ、古い細胞が自然に脱落しやすい状態をつくってくれます

一方、サリチル酸のようなBHAは、角質そのものを溶かす作用があります

うおのめですとか、たこですとか、角化異常の病変部に、長時間貼っておくと、白く浸軟化する、あの成分です

これは、相性のよい基材と組み合わせることで、皮膚のなめらかさをだすことができます

最近では、さまざまな酸と、その他の有効成分を含み、さらにマッサージができるテクスチャーになったことで、毛穴の角栓を物理的に圧出できる薬剤が出ています

マッサージピールといいますが、これは非常に画期的です

古い角質や毛穴の汚れをとりのぞき、酸による殺菌、美白など、従来のピーリングの効果に加えて、真皮まで浸透しコラーゲン再生を促す効果、保湿効果が期待できます

実際に使ってみたのち、当院でベストだと感じたものを、メニューにのせています

ミラノリピールといいます

はじめのうちは、2週間おきの治療をおすすめしています

使い続けると、皮膚になめらかさがでてきて、毛穴やシミが目立たなくなります

ピーリングの最も良い点は、皮膚のトラブルが少なくなることだと思っています

大腸に乳酸菌を送り込むようなもので、ピーリングをつづけることで、皮膚のpHバランスが弱酸性に整ってくると、皮膚常在菌が安定してきます

そうしますと、ちょっと寝不足だったり、不規則だったりで免疫が低下しても、雑菌が繁殖しづらくなるので、にきびや炎症がおきにくくなるのです

わたしは、ピーリングは、

スキンケアのもっとも重要な1ステップだと考えています

古い角質や角栓、メラニン色素など、余分なものをまず取り除く、ためこまない
そこから、つぎの、必要なものを補う

というステップにつながります

ほこりだらけのお部屋に飾り付けてもきれいにみえないように
まずはよごれをおとす

と、かんがえてます

つぎは、コラーゲンを増やす方法についてです

真皮にわざとダメージを与えて、傷を修復するためにコラーゲンを再生させます

真皮は、

コラーゲン繊維をエラスチンが束ねて、
すき間をヒアルロン酸などがうめている

という構造をしています

↓若くて健康でプリプリな真皮のコラーゲン↓

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↓年老いて密度がスカスカな真皮のコラーゲン↓

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稚拙な絵ですみません。あくまでイメージです

コラーゲンもエラスチンもか細くなり、そのぶん空洞がひろがるかと思いきや、ヒアルロン酸も減少するため、全体にしぼんだイメージです

これらの
コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸といった真皮成分
を作り出すのが、線維芽細胞です

真皮成分を再生させれば、毛穴の壁が厚くなり、内腔がぎゅっとおしつけられて、目立たなくなります

しわも、たるみも改善できます

そのためには、線維芽細胞をはたらかせて、真皮成分を作らせればよいのです

線維芽細胞は、大人になると眠ってしまうので、もう一度起こしてあげます

なんらかの方法で、再び活性化させる必要があるのです

その方法は、とりあえずふたつあって

真皮にわざとダメージを与えて、傷を修復するためにコラーゲンを再生させる

たとえば、当院でいえばウルトラフォーマ(HIFU)ですとか、マッサージピールです

もうひとつが

線維芽細胞が再び活動を始めるような刺激を与える

たとえば、成長因子などは、線維芽細胞を活発化して、コラーゲンを作らせることができます

もうひとつ、コラーゲンそのもの、またはコラーゲンを作ることができる成分を、皮膚に直接補う、という方法もあります

たとえば、ベビーコラーゲン注射などがあります

どの治療法が患者さまにとって一番良いかは、わたしが直接カウンセリングをさせていただきます

お気軽にいらしてくださいね

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美容皮膚科・美容形成外科

院長 田宮エリー
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