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『あなたのお話をじっくり2名でお聴きしますサービス』について

きょうは、私もファシリテーターをしている『あなたのお話をじっくり2名でお聴きしますサービス』のお話をしたいと思います。

ざっくり話をしますと『あなたのお話をじっくり2名でお聴きしますサービス』は、オンラインで行えるオープンダイアローグの一つの形だと考えていただければいいのではないかと考えます。

オープンダイアローグは、元はフィンランドのラップランド地方ではじめられた、薬物治療を第一選択としない、2名以上の専門家チームが『対話』によって精神疾患などの問題に対応していくシステムといえばいいでしょうか。(この辺の定義はネットで検索していただいたり、斉藤環さんの本を読んでいただくことをおすすめします)

りすにんぐファームでは、2名のファシリテーターが45分(ご希望により45分単位で延長することはできます)の時間枠の中で、クライアント(サービス利用者)の話を聞いていきます。

クライアントは、自分の話したいことを自由(オンラインで対応が難しい危険を回避するために、自傷他害に関する話題はお断りしています)に選ぶことができ、クライアントの話は2名のファシリテーターによるリフレクティング(クライアントは画面を消して音声をミュートにして、専門家チームの話に耳を傾けます)という応答システムを通して、それまで自分が話してきたことが第三者にどう伝わっていたのかを知ることができます。

ファシリテーターとなる専門家チーム(2名)は、りすにんぐファームの規定に合った経験値を持つメンバーから構成されています。

私の場合は、実際にオープンダイアローグの研修の現場で、トリートメントミーティング(オープンダイアローグでは治療ミーティングのことをトリートメントミーティングと呼びます。りすにんぐファームの、2名でじっくりお話をききますサービスがこれに近いものとお考えください)を受けはじめ、その後も継続してミーティングの機会を得て回復し、現在に至ります。その途中からりすにんぐファームのサポートメンバーとなり、現在、2名で聴きますサービスのファシリテーターと当事者研究を参考にしたトライローグメソッドの司会進行を務めています。

フィンランドの24時間受付をするシステムのように、即時対応はできないのですが、相手の話を遮って私見を述べるような押しつけをしないように、研鑽を積んだファシリテーターによる専門家チームが、あなたのいまの悩み事や関心事、将来についてなど、自由に選んでいただいた話について、応答させていただいています。

りすにんぐファームのメンバーズのサービス(参加費1回500円よりのトレーニング)りすにんぐファームメンバーズ | Peatixのなかでは、リスニングワークとリフレクティングワークがこれに対応しますが、メンバーズのプログラムは話す時間とリフレクティングの時間が設定されており、リフレクティングの回数も決められています。

これは、決まった時間枠の中で、参加者が平等に対話の場を持つための工夫として設定されていることなので、2名で聴きますサービスの中では、話していただく時間とリフレクティングのタイミングは、ファシリテーターによる専門家チームに委ねられています。

私は、お話しされたことが一区切りついたときや、言葉にするのが難しいのではないかと感じたときにリフレクティングを入れるように工夫しています。

話の流れをさえぎらないで、思っていることをできるだけ詳しく話していただくことで、リフレクティングでの応答が実りあるものになると感じています。

そして、参加された皆様の多くが、自分が思っていたことと、話をした後のリフレクティングによる応答で感じた、自己イメージの変化を感想としてお話しいただいているケースが特に多いと感じています。

私自身もそうなのですが、自分では乗り越えられないと感じていた段差が、違う向きからみたら、ほんの少しのものであったり、なにも乗り越えなくてもよかったり、などといった思考の転換が発生していたことが印象に残っています。

クライアントの皆様は、それぞれ抱える悩みも、話したいことも多様ですし、オープンダイアローグがそうであるように、できれば継続してミーティングの機会を持つことが望ましいとは思いますが、自分や家族、友人、お世話になった方に特別な対話の時間をプレゼントされてみても喜ばれるのではないかと思います。

さて、この先は、実際に体験された方のお話に譲ることにして、『あなたのお話をじっくり2名でお聴きしますサービス』のご紹介はこれで終わりにしたいと思います。

たあこ


口絵 岩渕貴子

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