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外岩の季節

スポーツクライミングをやってたら話には出てくる外岩。外岩と言ってもそもそもインドアに岩は無いので変な言葉ですがそれなりに市民権を得ているようなのでみんな外岩と言っていますが、つまりは岩登り。そんな岩登りのシーズンがやってきました。

外岩のシーズン

え?シーズンなんてあんの?と思われがちですが、一応秋〜冬がシーズンとされています。理由は以下の通り。

①気温と湿度
ジムでホールドがヌメってると登りにくいものですが、岩も同じです。乾燥した時期が登りやすいので自然と秋からがシーズンとなります。

②虫
岩場は自然の中にあるので生き物は避けて通れません。季節によってイモムシやらクモやらアブやら色々な虫と出会います。彼らも宇宙船地球号の一員なので当然季節によって生活が違います。秋冬はあんまりいないので彼らにあまり迷惑をかけずに登れるようです。

とはいえ、春も夏も登る人は登るのでほんとはフルシーズン遊べる遊びだと言えますね。でも虫嫌いさんは晩秋の10〜11月がおすすめですよ。紅葉も綺麗ですしね。

外岩に行く前に

めっちゃ大事なことを言います。外岩は私有地か国立県立の公園内にあることがほとんどです。つまり他人の土地に入って行って遊ばせてもらう遊びです。注意すべきことがたくさんあります。

①マナー
主に問題になるのが駐車マナーとゴミマナー。岩場の駐車場はほぼ無いものだと思って下さい。ちゃんと駐車場を整備しているところもありますが、それでさえ私有地の方にお願いして場所を貸していただいてることが多いです。路駐が酷くて救急車が入れないとか道路交通法違反な上に業務妨害や損害賠償を求められても仕方のないレベルなので駐車は「他車の転回」まで想定して停めましょう。各岩場にはそれぞれ必ずローカルルールがあるのでネットやInstagramで調べたりホームジムのオーナーさんなんかに聞くといいと思います。それらを駆使しても自分で答えにたどり着かない場合は行く岩場変更も考えましょう。小さなことだと思ってたことが大問題になって入山禁止とか実際に起こってるので細心の注意を払うべきです。

ゴミはほんと持って帰れ、これにつきます。来た時より綺麗に、が合言葉ですが例えば子供達には「帰る時に1ゴミ拾おう」なんて言ったりします。些細なことでもやるとやらないとでは大違いです。自分ち以外は他人の土地。ゴミは持ち帰りましょう。

②怪我
岩場の岩は落ちる時、降りる時に怪我をしやすいです。登山でも下りが一番危ないなんて言いますがほんとその通り。マットもジムのようなフカフカしたものではないので安全に落ちるためにクライマーはどんな状況でも一瞬でもいいので落ちるところを視認しましょう。それと自分の技量をよく見極め危ない課題は登らない勇気も大事です。課題によっては途中まで行ったら降りられない、落ちたら確実にまあまあな怪我をする課題がわりとあります。6級くらいでも普通に出現します。落ちるあたりに小岩があって頭をぶつけるとかよくある話なのでオブザベーションは念入りにです。
怪我をすると救急車に消防車、警察まで色んな組織が助けにやってきます。実際に見たこともありますが本当に沢山の方がみえて頭が下がる思いです。そしてそれはつまり地元の方の医療のリソースをお借りするということです。怪我をしないように努めること、これが大切です。(怪我したら遠慮なく呼んでね、と公式に言ってくれてる自治体もあります。本当にありがとうございます)

③トポと食事
どういう岩にどんな課題が設定されているのか、それを記載しているものをトポと言います。トポはなるべく買いましょう。この記事では割愛しますが岩場の開拓と維持はとんでもない労力の上に成り立ってます。僕たちが自然の中で楽しく遊んでいるその裏でご苦労をして下さってる方に少しでも還元すべきと考えます。
そして、それは岩場のある地元の方も同じ。自分の生活圏に全国から岩にしがみつきにくる変な人間がやってくるのです。歓迎ばかりでもないでしょう。ですのでなるべく地元にお金を落としましょう。結局それが1番の恩返しです。その岩場の自然を楽しみ、その地で育まれた野菜や動物を味わう。実に贅沢なことです。行くからには全力でその土地を楽しみましょう。

他にも岩場には気をつけたいことが沢山ありますが、最低限のマナーをわきまえていればそれほど難しいことはないはずです。

「こら!そんなとこ登っちゃいけません!」なんてお母さんに怒られたことは誰しもあると思いますが、その真逆で「登ろう!」というのが岩登り。楽しくないはずがない笑 ルールを守って自然を満喫してください。

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