スポクリ柔はこう考えてこう治す「膝の治療×大腿骨と脛骨の振る舞い」(11579文字)
noteを手にとってくださり、ありがとうございます。
拙い文章ではありますが、等身大の考え、見方を盛り込みました。
もちろん、これから自分の成長とともにこのnoteもレベルアップしていきます。
また、これまで自分のnoteを読んでくださった方は、随所で寄り道しやすいようにしております。
膝関節の機能障害は膝関節に問題がある場合と、上下の股関節、足関節からの影響で機能障害が起きている場合があります。そのため膝関節の機能評価
は真の問題が膝関節にあるのかを見極めることがとても重要です。
このnoteを読むと:
・スポクリ柔の臨床思考が分かる(良くも悪くも)
・様々なセミナーを通して統合した知見に触れられる
教科書や書籍ではあまり解決しなかったところに手が届く内容を目指しています。そしてなにより、自分の主観を多めに入れています。僕はこう見る、こう考える、こう治す。それに読んでくださるあなたの方法論を重ねて、患者様へ還元してくださればうれしいです。
立位アライメント評価のコツ
アライメントでは、全体の傾向として
・X脚
・O脚
・XO脚
上記をある程度分類しましょう。
アライメントとして、一般的にO脚には・O脚・X脚・XO脚があるわけですが。
一旦、下記のようにまとめました。この辺はまだ一般論です。
<特徴的なアライメント>
・骨盤後傾・股関節内旋(ほぼ全てに共通だが外旋位の人もいるとのこと。どっちやねん)
・大転子外側シフト(太く見える)
・膝下は後方外側にねじれる(とても多い。足関節、足部とも関連)
骨盤は左右で輪っかとして形成されているため、片方が前傾の場合、片方が後傾、という見方はあると思います。
前傾+外旋位、後傾+内旋位のケースが多いかと思います。普通逆じゃないの?okcでは逆じゃないの?と思うかもしれませんが、代償するとこのような状況になります。
定位と代償については、このあと解説していきます。
スポクリ柔が思うFTAとは
大腿骨の振る舞いとして後述しますが、前額面のみの解釈としないことが重要かと思っています。当然矢状面でも水平面でも代償を伴っています。
そしてそれは同時に寛骨の代償とも言えます。人間にはいわゆるプレパターンというものが存在するそうで、システム的にどの方向に緊張しやすいかが背景レベルで決まっています。
理解しやすさでいうと伸展筋群の緊張と骨盤の過度な前傾、それに伴うアウトフレアが一番定番の形かと思います。
スウェイバックの骨盤後傾とか、一番解釈に気を付けないといけないんじゃないかと思います。後傾しているけど、下位腰椎は伸展強いとか、背筋群は過緊張している、とか。
機能障害を鑑別するための局所評価 関節アライメントの評価をおさらい
膝蓋骨、大腿骨、脛骨のアライメントですが、膝蓋骨はあくまで乗っかっている状態です。下にある骨の振る舞いで膝蓋骨が影響をすぐに受けます。
アライメントを修正しながらも、膝蓋骨自体のモビライゼーションはセルフケアとして行ってもらっています。
大腿骨と脛骨の位置的不良が一般的にもよくないと言われていると思います。
大腿骨は寛骨、脛骨は距骨からの影響を考慮しておけばかなり思考は深くなると思います。
ただ、膝のアライメントだけをみてアプローチするということはほぼなくなりました。結局、骨盤も足もやっています。むしろ、そこにアプローチした後に膝がどのような状態になっているかのほうが意味があると思いませんか?
(2514文字)その膝痛、TFLが原因だ!と思ったその思考、一時停止を✋ぐりぐりしがちな人は見てください〜なんで硬く|クリニック勤務の柔整AT (note.com)
寛骨の位置は腰椎、そして胸郭に多大な影響を受けます。
スポクリ柔は下肢疾患でも呼吸パターンは必ず見ます。
それは歩行パターン、そして活動需要が高まっている筋の推測につながるからです。
呼吸については下記の力作noteをぜひ参考にしてください。
例えば、肋骨の内旋外旋は、胸郭の回旋とセットですから、呼吸過多により形状に差がある時点で胸郭は回旋位をとっていることになります。これも大事なポイントかと思います。
(43935文字)初学者でも堂々と指導ができる「呼吸のイロハ」(痛みと呼吸、インナーとアウター、ポリヴェーガル理論からの視点、横隔膜の機能解剖、FMSと呼吸の関連など)|クリニック勤務の柔整AT (note.com)
話をアライメントに戻すと。
え?O脚って股関節外旋じゃないの?なんて声も聞こえてきそうです。
O脚とX脚は股関節なので、もちろん骨盤の運動は連鎖はします。
・骨盤後傾タイプはO脚(骨盤後傾→股関節外旋)
・骨盤前傾タイプはX脚(骨盤前傾→股関節内旋) となります。
これが一般論です。
スポクリ柔てきには、
・左右が同じパターンであるとは限らない
まずこれです。
右が内旋しているから左も内旋傾向している、とは限りません。
そして、運動連鎖通りに動かなかった大腿骨の変わりに、脛骨、そして足部が動き出します。その点についてこの後見ていきましょう。
〇連鎖的に働く筋の視点(工事中)
スリングとは連結している解剖学的知見やアナトミートレインの概念を用いると理解しやすいです。
ヤンダとスリングの話。音声はよかったらマガジンで聞いてほしいです。2024/01/06の音声|クリニック勤務の柔整AT (note.com)
〇CKCの見方、考え方、解釈
基本的なエクササイズ(スクワットなど)の理解がいまいちな人は下記noteをぜひ参考にしてください。一部抜粋してお届けします。
まず、患者様やクライアントの調子もその日その日によって違います。
日々の繰り返しの中で、体が硬い日や、調子が悪い日もあります。(普段と違うことをやって体のメンテナンスがうまくいってないときなど)
そんなときにも、スクワットにおいては見直すポイントがあります。
専門家も必ずといっていいほどここをみています。ではみていきましょう。
スクワットを見るポイント
●体幹の角度と脛の角度
●膝とつま先(足部)の向き
●首の反りすぎ
●背中の反りすぎor丸まりすぎ
●区切ることなく一挙動でリズム良く「ワンストローク」で動けているか
では、それぞれ見ていきましょう。
・体幹と脛の角度
この二つが平行にならないときは、どこかの関節の動きが少ないか、多すぎるかのどちらかに大別できます。健康な方ならおおよそ体の使い方と意識の修正で角度をそろえることができます。
・膝とつま先の向き
最初にも書いた通りで、膝へのストレスが増えてしまいます。しかし、この膝の向きを無視して、例えば膝を内側に倒しながらしゃがむと、しゃがみ込みの深さ自体は大きくなるので厄介です。定期的に見直す必要があります。
・首が反りすぎ
これは個人的には現代人(デスクワーク×運動不足)が引き起こす最大のスクワットのエラーなんじゃないかと思っています。これは非常に治したいです。首へのストレスは相当かかります。さらに、頭部が安定しないと体全体の筋緊張があがるのでパフォーマンスは下がってしまいます。
・背中が丸まるor反りすぎ
はい、首に続いて、現代人×スクワットで引き起こされるエラー第二位です(私の中では)
腰が痛いとか、背中が張るとか、諸々の原因がこれにつきる、という感じです。結局、体幹を支える筋群は、背中が真っすぐのときが一番活動するといわれているので、まずはスタート姿勢からきれいな真っすぐを意識する必要があります。
CKCでは、多くの場合、いずれ片脚に移行していく必要があります。
体重を片側に移行するということは、両脚のときと比べて必要な機能がかなり変わってきます。
両脚の状態で、前額面での代償をしにくい環境では見えなかったものも、片脚にするとみえてきます。
こと膝においては、大腿骨、脛骨の前額面上での位置的不良を改善する視点は持っておく必要があります。
区切ることなく一挙動でリズム良く「ワンストローク」で動くということ
エクササイズには位相があります。リズムがあります。動く感覚、そして意図があります。
挙上しているところ、降下しているところ、ヒンジでいえばお尻を引いているところ、戻すところなどです。
私たちは、特に医療色が強い人は、バイオメカニクス的に、角度やモーメントを気にしながら動作をみることが多いのではないでしょうか。
しかし動作を見る上では専門家は色んな視点をもっているのだなと最近よく思います。それが、動作の途中でむらが出ることなく切り返して立ち上がってをワンストロークでできているか、というところです。(数あるうちの一部かもしれません)
押さえておくべきスクワットの常識3選~動画わかるスクワットでうまくしゃがめないときの修正エクササイズ~(3836文字+画像多数)2023.5.1追記|クリニック勤務の柔整AT (note.com)
補足:動きの「意図」
動作の生成において、身体は過程ではなく結果を考慮します。意図が明確ではないエクササイズの問題点がここにあります。
意図の類似性が運動パターン間の転移において重要であるのもこのためです。
もし柔道の投げやラグビーのタックルにおいて筋の使われ方が前もって厳密に決定しているとしたら、相手競技者が予期せぬ動きをした際に深刻な問題が生じることになります。
重要なことは、動作を発生する前に筋は事前に選択されるのではなく、最後の瞬間にこそ選択される、ということです。
多くのエクササイズの問題は、明確な意図の欠如です。
運動の意図があればその運動の実行の良し悪しは極めて明確になります。
スポーツ傷害リハビリテーションにおいて慣例的な特定の筋群をトレーニングするストレングストレーニングは、運動構築の最終段階に干渉することになり、結果として筋の対応力を訓練することにつながらず、ほとんど効果がないと主張されています。
(動作を生成する際)筋がより遅く、より柔軟に選択されればされるほど、動作の実行はより効果的に変化に対応できるようになります。
動作生成の際に、筋は事前に選択されるのではなく最後の瞬間にこそ選択されます。それは意図があるからです。
すなわち、この動作でこの筋を、というアプローチにはどこまで意味があるか不明瞭ということになります。
個人的視点ですが、選手や患者さんの「ちゃんとできているかわからない」という声はKR情報ではなくKP情報にキューイングが偏ってしまった弊害である可能性を考慮すべきだと考えています。
スポクリ的スクワットの修正「頭部位置×目線×重心」
話を戻して、スクワットの修正ですが、コレクティブエクササイズなどに代表される修正方法は他の人も多く書いていますのでここではいったん割愛させていただきます。
ここでは僕が普段見ている感覚をなるべく言語化していきます。
まず頭部位置ですが、このボーリングの玉が前後にブレていると、当然支えるために筋緊張は高まります。結局それは頸部の痛みにつながるので、頭部を保持する能力は早めに獲得しておきたいですよね。
頭部は胸郭に乗っているので、本稿とは少し趣旨がずれてしまいますが、胸郭の動きをきちんと出すこと、呼吸パターンを適切にすることがまず重要かなと。
DNSに代表される発育発達の肢位を使って運動療法を進めていきます。
ただポジションをとるだけでは、変な緊張が入ってしまい良い結果につながりません。徒手的アプローチ、呼吸エクササイズをはさみながらプログレッションしていきます。
目線は、関節運動にばかり意識が向いている人にとって次のレベルに上げやすいです。
「どこまでしゃがんだらいいのかわからない」
そんなことをいう人には、目線でしゃがむ角度を規定することによって、正解とする角度が伝わりやすいです。
(★追記工事予定箇所)
難易度と強度を同時に上げてませんか?|クリニック勤務の柔整AT (note.com)
さらに話を本題に戻しまして、ここまでは一般論ですが、スポクリ柔的な視点はここからです。
まずnoteのテーマが「膝」ですから、膝とつま先の向きについて書いてみます。
これは言い換えれば大腿骨と脛骨の向きのことを意味します。
前提として、脛骨と足部の位置的不良がない前提です。
しかし多くの場合足部の位置的不良は伴っていると思います。
すなわち、足部の問題を無視したまま、膝とつま先を揃える、というのは間違いじゃないけど十分ではないと思います。
逆に言うと、膝とつま先がそろってない時点で足部まで思いを馳せることが必要ではないでしょうか。
足・足部を考えるときは前足部と後足部に分けて考えることがおすすめです。求められる役割が違ってきますので。
前足部or後足部?その1|クリニック勤務の柔整AT (note.com)
スポクリ柔的視点のヒンジ
大腿骨に対して寛骨の動きを意識すること、スタート時の寛骨の位置的不良が改善されていること、この2つがまず重要かなと。
ヒンジという動きを学習することがなぜ重要なのでしょうか?
なんといっても、大腿四頭筋の活動が高まりすぎてしまうところにあるのではないかと思います。
難しいのは、大腿四頭筋自体は活動するべきなんです。ただ、適切な状態で、適切なアライメントで、環境で、機は熟した、みたいなところで頑張ってほしいんですね。
ヒンジっていうと、矢状面での動きをイメージされる人が多いのではと思います。それは間違ってないんですけど、
ヒンジがスムーズでないということは矢状面からの逸脱の始まりのため、前額面、水平面で代償するわけですね。
股関節屈曲時に骨盤後傾が不足している場合なんかはPMテストで早めに評価しておくべきと思います。
また、当然ながら、骨盤の動きによって腰椎も動きます。
股関節の動きの伴って腰椎が動くのであれば、体幹上部の姿勢アライメントも変化し、動作の様式まで変わる可能性は高いといえます。
したがって、大腿骨の振る舞いに影響を及ぼす股関節の運動障害は体幹上部の運動に影響を受けている可能性がある、ということです。
ヒンジの不良、大腿骨の振る舞い、股関節のアライメントから、体幹上部にまで思いを馳せることができました。
結局、正しくヒンジができるっていうことは、寛骨も大腿骨も正中化できているってことだと思うんですよね。そうでないと本当にきれいなヒンジはできないんじゃないかと。
なるべく正中化を図ってから、とくに水平面かな、そこからエクササイズにはいる。これは重要だと思います。
ヒンジってわかる人とわからん人いるのなぁぜなぁぜの回|クリニック勤務の柔整AT (note.com)
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