MOTHER2の思い出。

成長しても、ふと子供の頃の感覚を味わいたくなり、ゲームの電源を入れることがある。

「MOTHER2」は、私にとって特別で
大切な思い出のひとつだ。

小さな頃に見たもの、触れたものは
スタンプで捺されたように心の中にずっとある。
つついてみたり、ギューと絞ってみると
泣きたくなるほどの懐かしさが広がるのを感じる。

大事に胸の中の宝箱にしまっている。

主人公のいた町、オネットの音楽や
仲間ひとりひとりの台詞、

敵役のポーキーの乗ったヘリの音、
サマーズの波の音やスカラビの風。

私達を異世界に連れて行く
マジックケーキの味を思い描き

家に戻るたびにママが作ってくれた、
ハンバーグを思い浮かべ生唾をのみこんだ。

雪の国ウィンターズの空は、
青く晴れわたっている。

砂漠の町スカラビで食べるご飯は、
めちゃくちゃ旨い。

ひとりでしか乗れない自転車は、
いつまでも特別な感覚をくれる。

ゲームの中で味わった恐怖も感動も、
すべて現在の私を形成するぐちゃぐちゃの中の一つだ。

ぐちゃぐちゃといえば
はえみつの大好きなゲップーの一味は
かなり、汚かった。

その分、クリアした後に入れる温泉で
生き返った心地を味わうのだ。

味も匂いもないはずなのに
ゲームはどうして、こんなにありありと
情景を思い描けるのだろう。

私達は何度でも、あの頃の自分に
戻ることができる。

…気がする。

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