アルバイトが感じた「物流センター」〜ここを変えなければ人離れは防げない
外からみた物流現場の印象
最近知り合った Web デザイナーの青年とお互いの仕事の状況について会話をする機会がありました。
お互いが専門外のよく知らない業種なので、質問をはさみながら会話したのですが、私から「物流センター」の話をすると戸惑った顔をしました。
「何かあった?」「いや、あまりいい思い出ではないので」「どんな感じだったか教えて』
そんなやりとりから、学生の頃にアルバイトでやった物流倉庫の仕分けと集荷の仕事をした時の話をしてくれました。
アルバイトが感じたネガティブな思い出
振り返りながら、その時に感じたネガティブな疑問を話してくれました。
アルバイト当日の朝、指定された時間・場所へ到着しました。
6〜7分ほど早く着いたと思います。
事務所らしきところに声をかけても誰いない。
⚪︎疑問-1
・ここ事務所だよな。不用心だな。誰でも勝手に入れるな。
人が歩いてきたので、挨拶したら手を顔の前で手を振り、自分は関係ないと言わんばかりに通り過ぎていきました。
⚪︎疑問-2
・感じ悪いな。挨拶ぐらいしてよ。
さらに待っていると担当らしき人が来て帽子と軍手を渡されて、
「さぁ、行こうか」と作業現場に案内されました。
⚪︎疑問-3
・客じゃないけど「お待たせしました」もないのか。
・そもそも、あなたは誰?
現地につくと、「新しいバイトの子 今日から3日間」と周りの人に紹介されました。そこで自己紹介しようとすると、それより先に、品目と場所が書いてあるラミネートと集荷する商品リストを渡されて、
⚪︎疑問-4
・挨拶もなし?いきなり馴染めない空気。
「これを集めて」「集めたら確認しながらレ点でチェックして」「できるよね」と言われて
⚪︎疑問-5
・簡単だから、自分で考えろってか
アルバイトとしての作業が始まりました。
直接、教えられないまま5~6m離れたところにいる人の動きをみながら、作業をすすめました。
⚪︎疑問-6
・やり方説明も無しかよ。
・ミスったら「こんなこともできないの」って言われるな
私が集荷して完了の札をつけたものは、ハンドリフトで回収され、再度確認と読取がされているようでした。
⚪︎疑問-7
・あれで良かったのかな。
周りの様子を見て、人の流れに合わせて休憩し、食事の時は並んでいる前の人と同じやり方をまねて食事をしました。
⚪︎疑問-8
・いつ休めるのか分からずに疲れた。
・暑いし、フラフラだ。軽作業ってなんだよ。
・なんかドラマで見る収容所の光景だな。
休憩時間は、寝てる人やスマホいじってる人、うつむいてる人
⚪︎疑問-9
・なんだろう。この疲れた雰囲気の会話がない職場は
そんな感じで、3日間の短期アルバイトをやり終えて
最後の挨拶は「どうも」で終わってしまいました。
⚪︎疑問-10
・こんなところで働きたくない。短期で良かった。
・この感じが当たり前なのかな?
「次はやりたくないな」と思って物流倉庫のバイトは終わりました。
彼から聞いて感じたこと
私は、話を聞いて物流業界の一員として「申し訳ありませんでした」と謝っていました。
「そんな、あなたが謝らないでください」「昔の話ですから」「たまたま良くない現場だったんですよ」
その現場はどんな状況や環境だったのかわかりません。
急場凌ぎでアルバイトを雇うぐらい忙しかったかのかもしれません。
しかし、働いてくれる人に対しての敬意は持っているべきです。
彼らは、私たちに労働力を提供してくれているのです。
そして、アルバイトをお願いしたのなら、迎え入れる準備でいるべきではないでしょうか?
「今日から3日間よろしくね」「わからないことがあれば何でも聞いてください」は当たり前のことです。
事故ケガやミスが起きないよう、職場のルールや仕事の手順、安全面・作業品質に関わることを教えます。
お願いしたい仕事をやって見せて、やらせながら手順確認をする。
「迷ったらすぐ声をかけてください」仕事中もこまめに声をかけて、作業状態と進捗を確認すべきではないでしょうか?
人不足にしているのは、自分達かもしれません。
「3 日間、ありがとうございました」といえず、「どうも」で終わった理由を考えてみましょう。
物流の現場は人が支えています。
物流DXによって効率化や労働負荷の軽減、品質向上もされていくと思います。しかし、全く人が関わることのない物流センターはあり得ないと思うのです。
現場を預かる人は、働く職場づくりをしっかりとした考え、取り組む姿勢でいなければなりません。
働き手にとって「モチベーションは大事」なものです。
職場の有形無形の環境は、働き手のモチベーションに大きく影響します。
「人間は感情を持つ生き物です」
人は感情を起点とした行動により、生産性や作業品質に大きく影響し、良くも悪くもなっていくと思います。
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