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これから着物を入手するひとへ【2】

今回からはどのような着物を購入した方が良いか書いていきたいと思います。

一般的に着物と聞いてまずイメージするのは、訪問着や振袖、袴姿、黒留袖だと思います。
これらはいわゆる礼装で、かしこまった場面で着用するものです。
さらにランク別にするなら、最上位が振袖(未婚女性)と黒留袖(既婚女性)、色留袖となり、訪問着、袴姿、付下げの順となります。
ここまであげた着物は、仕立て方法から袷着物であることが多いです。
今後着物を着る機会が少ない、または正装を求められる場面でしか着ないひとは、落ち着いた色合い(ただし白黒や暗色を除く)訪問着を選ぶことをオススメします。

まず第一礼装の振袖と黒留袖は成人式や叙勲式、結婚式の親族(3か4親等内)で出席しない限り着る機会はほとんどありません。
袴姿も同様で、卒業式や年初めの行事くらいしか出番はありません。

その点訪問着は、幅広く着用することができます。
結婚式の礼装では、新郎新婦の母親でない限り黒留袖を求められることはほとんどないですし(親族であれば振袖か色留袖が正式だが、よほど厳格でなければ着用可能で、それでも不安であれば紋を入れることをオススメ)、そのほかのパーティーに着て行くこともできます。
また、目上の方へちょっとあらたまったあいさつをしにいくときにも着用できます。
ここでポイントなのが、白に近い色や暗色系の色合いはなるべくなら避けることと絵柄が賑やかでないものを選ぶことです。
結婚式の場合、白は花嫁の色であるためぱっと見白に見える衣服はマナー違反であるためです。また、暗い色はパーティーでは上品で落ち着いた印象を与えますが、結婚式といったお祝いの席では浮いてしまいます。
賑やかな絵柄の基準は人それぞれですが、文様の密度の低いものがオススメです。
訪問着の特徴として、肩や胸のあたりまで絵柄が入っており、非常に華やかな印象を与えられます。しかし、あまりにも絵柄が多く密度が高い場合、相手に窮屈な思いをさせてしまいます。
これを防ぐため、なるべくなら絵柄は大らかな印象を与えるものを選んだ方が良いでしょう。

それでも不安が残るようであれば、紋を入れることをオススメします。
この紋は、家紋からきており、これを入れることで着物の格を上げることができます。
本来は家紋や代々女親から受け継いだ紋を入れるところですが、そういった縛りは現在薄く、好きな紋(花や蝶がモチーフ)を入れることができます。

訪問着に合わせる帯は、基本袋帯で、金糸銀糸が織り込まれたものを締めます。
例外としては、つづれ帯があります。これはいわゆる名古屋帯です。名古屋帯は袋帯の簡略版で格下にあたりますが、つづれ帯は袋帯とほぼ同格に位置し、結婚式など除くほぼすべてのパーティーで着用することができます。ただし、生産が限られており、かなり高額な帯(新品であれば切り上げ7桁はいく)です。はっきりいって、つづれ帯1本より袋帯を2本買った方が安い場合が多いです。

そのほか、訪問着を着用するときに使用する小物としては、平織(金糸銀糸使用)の帯絞めと柔らかもの(光沢感があり、とろりとした質感の金彩などが施された上品な色合いのもの)の帯揚げがあります。
実際に選ぶときに必要なのは、着物と帯の調和なので、色味については着物あるいは、帯に使用されている色を選ぶと間違いは少ないです。
不安であれば、呉服屋さんに相談するのも良いですし、通販サイトで【訪問着、帯絞め、帯揚げ】と検索すればいろいろとでてくるので、これだ、というものを見つけることもできます。
ポイントとしては、着物と帯が揃った状態で選ぶことです。
これをすることで、全体に一体感をもたせるとこができます。

もし、よければ参考にしてみてください。


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