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出張所にて…


昔、出張所に一人ぽっちで1泊する勤務があった。
一昼夜一人は正直気持ちが悪かった。

そこでは、いつも昼下がりに死にそうな位の眠気に襲われていた。決まって、14時ころの出来事。耐えられない眠さ。。。

自然と瞼が落ちる。。。。
どうせ一人っきりだし。。。
結局眠る。。。

(-_-)zzzzzzzzzzzzzzzzz




  カラカラ  パッシャ~ン  シャリ シャリ シャリ ・・・・・


ん!誰か来た!ヤバイ起きよう。

あれれ??体動かんなぁ??参ったなぁ。

  シャリ シャリ シャリ ・・・・・

やばいって!足音近づいて来た!マズイぞ
でも動けんな・・・・



うわぁ!!!と声を上げ、起き上がると
そこには誰も居ない。。。

そんなことが頻繁にあった。
時には、ガヤガヤガヤと人達の話し声がしたりしていた。

おかしいことに決まって14時頃。

そんなこんなで、しばらく経って、ある日俺は思った。
奧の寝室で寝ればいいじゃん!

その日、
居間のような事務所側に足を向ける格好で寝てみた。
丁度、テレビが見れるし。
そして、また14時がやってきた。

…今日はねるぞ…

素直に寝た。深い眠りだった。

     カラカラ  パッシャ~ン  シャリ シャリ シャリ ・・・・・
     キョウハ ダレモ イナイノカ ・・・

 …んん!?また来たよ、これ。
  薄目を開けれるが、体は動かない。
  テレビが付いたままだった。
  でも、、話し声はっきり聞こえたなぁ
  夢だ、夢!またいつもの寝ボケだ(笑)…

でも、その日は様子が違った。
     ダレカイルハズンダケド、オォ~イイ
声がはっきり聞こえた。聞き覚えのあるような声だったので
本当に上司が訪れたんだと、考えた。

 …不貞寝してよう…

事務所の戸が開いた。

入ってくる、誰かが。

薄めで見る。人影がはっきり見える。

 …さすがに不貞寝はやばいか…

人影が語る。
   オオ、イタイタ。ネテルノカ。デモ、ホントウニネテルノカ?
 
…いよいよまずいぞ。起きよう!でも体が動かないんだった。本気寝したふりしすっか、仕方ない…

と、嘘寝を演じようと意気込んだとき
気配がすごいまじかに感じられた。

 鳥肌が立つ・・・・

あれ、上司じゃないなこれ。


恐る恐る薄目を開ける。

人の手が目の前で振られていた。

そして、こう言った
 
  「ホントウニ、ネテルノカ?オイ!!」



  だれだぁぁぁぁ!!と叫びながら起きた。

そこはいつもの出張所。誰も居ない。。。
さっき見ていたワイドショーがまだ放送されている。


一体全体、誰だったんだろうか。
1回きりの体験で、それ以降1度も、金縛りも起きていない。

今、思い出しただけで、身の毛もよだつ、夏の日の思い出。

目の前で振られていた手の風圧を今も覚えている。
妙に冷たい空気。
思えば、真っ白な手だったような気が。。。。

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