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とある岬での話…続き

もう充分景色を楽しんだ。そろそろ帰ろうとしたとき、何となく気掛かりなことがあるのに気付く。

先程の女の子たちは岬へ向かう道を歩いている。

男性達はまだ岩場にいる。他に人が往来したらわかる。ずっと岩場と海を眺めていたのだから。

三本線ジャージの男。。。。あれから会ってないな。


違和感がありながらも岬に戻る。崖下を見下ろしさっきの岩場を眺めてみた。まだ男性達が岩の上にいるのがわかる。
ふと三本線ジャージの男を探す。

見当たらない。

駐車場を見渡す。

見当たらない。。



ん?


彼女に聞いてみた。
…なぁ、うちらが海見てた時さぁ、あのデカイ岩のとこに男いたよね?三本線ジャージ着た奴。…

彼女が答えた。
…いないよ、そんな男(笑)…

俺、
…いやいや、居たよ。女の子達来て、譲る時行こうとしたら岩の向こうに居たよ(笑)…

彼女が笑いながら答えた
…だって、すれ違ってもいないし、若い娘達来る前、あたしがそこにいたもん。ビデオ撮ってたし。あそこに二人は立てないし、来てたら絶対わかるよ。何言ってるの(笑)…

…そ、そうかい。。…

悪寒が走る。
俺がその男見た場所には直前まで彼女が居た。確かにそうだ。場所を譲ろうと声掛けた時、彼女はその場から一番近い岩の上に移っていたんだから。男が居たら、彼女は顔も覚えてるはず。。。


゛そういや、男の左腕、水が滴っていた
真夏なのに、左耳は血の気が引いたような真っ青だった…゛


それから、彼女と何を話したのかは覚えていない。ホテルでこの出来事を彼女に話した時、体の芯から寒気がした。



とある岬…
昼間の景観とは裏腹に実は自殺の名所である。
その夜、友人に話すと、頷きながら真剣な顔で口を開いた。。。


『2、3日前…
あの岬から男が身投げしてんだ…死体はまだあがってない…』

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