見出し画像

台無し卒業式🌸

もうすぐ卒業式シーズン到来ですね。
卒業式、それは人生の大きな節目であり、親しい友人との別れを惜しんで涙を流してしまう感動的なセレモニーです。
しかし、私が体験した卒業式は、なんか残念なものでした。その一部始終をお伝えしてみようと思います。

私が中学生のときでした。卒業式の練習をするために私たち生徒が体育館に集められました。体育館には列席者のためにパイプ椅子が並べられていました。その間を行進して壇上に上がり、卒業証書を校長先生から受け取るという流れになります。
この段取りはどこの学校でも同じではないでしょうか。私たち卒業生はクラスが呼ばれたら立ち上がり、壇上に上がるべく、一列に並んで歩いていました。すると、いきなりバターン!!とものすごい音がしました。振り向くとクラスメイトが転んでいました。その後も卒業式の練習をするたびに転ぶ生徒が続出しました。

原因は、体育館に敷かれた布でした。体育館の床をパイプ椅子で傷つけないために敷かれたその布は柔らかい素材でできており、細かい皺が寄っていて、それに蹴躓く生徒が続出したのでした。
私たち生徒は蹴躓く原因が分かると、布に皺が大きく寄っているところを見つけるたびに変な緊張感が生まれました。そして、そこを通りかかった生徒たちは飛び越えるようになりました。しまいには新体操の選手みたいに着地のポーズを決めるものまでおり、周りの生徒から「おー」とドヨメキの声が上がりました。だんだんとふざけだした生徒たちは皺を見つけるとどのように飛び越えるかの大喜利大会になり、着地に失敗して大コケするものまでいました。

そして、卒業式本番を迎えます。相変わらず体育館の床には例の布が敷かれていました。練習でふざけていた私たちですが、本番ではさすがに緊張感が高まります。そして、私たち生徒の気持ちはある意味一つになりました。

「ここでコケたら末代までの恥!」

本番は、誰ひとり転ぶ生徒もなく、粛々と行われました。

この残念な卒業式のおかげで泣いている生徒は一人しかいませんでした。他の卒業生たちはよくこの状況で泣くことができるなと言っていました。

卒業式の後、ファミレスで食事していた時、友達が「もう、みんなで会う機会なんてないのにね。」としんみりと言っていました。寂しいはずの卒業式でしたが、なんかそういった気分にも浸れず、なんか中途半端な思い出となりました。

これから卒業式をセッティングする教職員の方々には厳かな式にするべく、環境設備にも気をつけていただいた方がいいと思います。

どんなに残念でグダグダな卒業式でも今となってはいい思い出です。
現在、コロナ禍でそんな当たり前の卒業式を開催することができないかもしれません。けれども、今できる限りの工夫をして卒業式をしてもらいたいです。きっと10年、20年後にはいい思い出になるはずですよ。

↓こちらでも記事を書いています。よかったら読んでみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?