作家志望の「黒い歴史」をクリーニングするプロジェクト ♯3
♯3「マスターはいなかったけれど情熱はある」
こんにちは、アベヒサノジョウです。
前回の記事はこちらから・・・
前回の記事にて、
「メモは見つかったが、肝心の書いた小説やネタ帳は捨てたようだ」
という結論になりました。
メモの内容は、
というものでした。
ここから思わず私は「作者を出せ!」と思うところでしたが、小四の自分に会うことは叶いません。
とは言え、重要なメモを発見しましたので、ここからはヒサノジョウの思考を『小四ヒサノジョウ』との脳内対話でお送りしたいと思います。
ヒサノジョウ「さて、小四の頃の自分よ」
小四「はい」
ヒサノジョウ「この物語を作る上で、聞いてもいいか」
小四「はい」
ヒサノジョウ「正直、聞きたいことはたくさんあるのだけれど…」
まず一つ決めなければいけないことがあります。
ヒサノジョウ「マスターは誰だ」
小四「マスター?」
ヒサノジョウ「この物語の世界観を説明する『師匠的なポジション』のやつ」
小四「主人公じゃなくて?」
ヒサノジョウ「主人公でもいい。が、その場合、この世界観を知らない人間を誰か立てなければいけない」
小四「例えば?」
ヒサノジョウ「例えば物語を読む『読者自身』だったり、探偵ものなら『依頼人』とか、異世界転生なら『別世界の住人』とか」
小四「なんで必要なの?」
ヒサノジョウ「物語の進行役になるからだ。いなくてもいいけど、主人公が行動する目的がはっきりしないから、子どもが読むと先が読みづらくて飽きる原因になると思う」
小四「ふんふん」
例えば、
・デスゲーム
→ マスター「主催者」
→ 目的「脱出すること」
・ファンタジー
→ マスター「状況を説明してくれる王様・鍛えてくれる魔法使い」
→ 目的「お姫様を救う・魔王を倒す・世界を平和にする」
・サスペンス
→ マスター「重要な証拠を見つけてくれる刑事」
→ 目的「犯人を捕まえる・孤島から安全に脱出する・被害者を出さないようにする」
ヒサノジョウ「…というように、読者に対して説明が必要な時、状況が何も分からない人物が主人公だと説明できないでしょ。だから、主人公に教えるフリをして読者に世界観を説明するマスターが必要なんだよ」
小四「なるほど」
ヒサノジョウ「だから、こんな感じで考えたから、ちょっと見て」
小四「猫なのに、マスターでいいの?」
ヒサノジョウ「じゃあこうすればいい」
ヒサノジョウ「これなら悪月について詳しくてもおかしくないし」
小四「なんか、無理あるなぁ」
ヒサノジョウ「お前がいうな」
ヒサノジョウ「そして、ここから大事なんだけど……」
小四「うん」
ヒサノジョウ「探偵はやめよう」
小四「やだ!」
ヒサノジョウ「なんで!?」
正直、ラーメンの上にカツカレーをトッピングしているような、設定盛りだくさんで、胸焼けがしそうである。ここまで濃い設定なのに、今更探偵にこだわる必要がない。
むしろ主人公は、『純真な少年少女』のように、あっさりしていた方が話が流れやすいのではないか。
小四「だって、探偵はかっこいいから!」
そうだった……。
小三までの自分の夢は「探偵」だった。
当時、そのことを話したら、クラスの女子に
「儲からないよ」
と言われたことを覚えている。
これほどまでに精神年齢の差を痛感したことはかった、あの一言。
それで、作家に心変わりしたと言っても過言ではない。
ヒサノジョウ「そうか…探偵に憧れていたもんな」
小四「うん」
子どもの頃の自分を救ってやると決めた以上、子どもの頃の自分を無視することはできません。
かつて多くの人からいろいろなことを、教授いただいたが、自分の人生におけるマスターはいませんでした。
最後は自分で決めて、自分で進まなければいけない。
あえていうのであれば、「小四の自分」こそが、この作品を作るきっかけであり、この世界のマスターのように感じます。
「マスターはいなかったけれど、情熱はある」
そんな言葉が胸をよぎった今日この頃でした。
次回は、あらすじとプロットを決めます。
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