見出し画像

作家志望の「黒い歴史」をクリーニングするプロジェクト ♯3

♯3「マスターはいなかったけれど情熱はある」


こんにちは、アベヒサノジョウです。
前回の記事はこちらから・・・

前回の記事にて、
メモは見つかったが、肝心の書いた小説やネタ帳は捨てたようだ
という結論になりました。

メモの内容は、

少年探偵 ジョーカー
・ジョーカーはババ、だから猫はジジと、クク(九九)
・パソコンに強い京
・犯人は「悪月一族」が作った人形で、謎を解かれると元の人形に戻る(知能がある)
・人形はどんな姿をしているかわからない。人間と同じ。
・人形を集める。12体くらい←トランプと一緒?
・「悪月一族」は一生で一体しか人形を作れない。そして、人形に魂をうつしている。
・トランプが関係している。

♯2 「ええい!作者を出せ!!」より

というものでした。

ここから思わず私は「作者を出せ!」と思うところでしたが、小四の自分に会うことは叶いません。

とは言え、重要なメモを発見しましたので、ここからはヒサノジョウの思考を『小四ヒサノジョウ』との脳内対話でお送りしたいと思います。


ヒサノジョウ「さて、小四の頃の自分よ」
小四「はい」
ヒサノジョウ「この物語を作る上で、聞いてもいいか」
小四「はい」
ヒサノジョウ「正直、聞きたいことはたくさんあるのだけれど…」

まず一つ決めなければいけないことがあります。

ヒサノジョウ「マスターは誰だ」


小四「マスター?」
ヒサノジョウ「この物語の世界観を説明する『師匠的なポジション』のやつ」
小四「主人公じゃなくて?」
ヒサノジョウ「主人公でもいい。が、その場合、この世界観を知らない人間を誰か立てなければいけない」
小四「例えば?」
ヒサノジョウ「例えば物語を読む『読者自身』だったり、探偵ものなら『依頼人』とか、異世界転生なら『別世界の住人』とか」
小四「なんで必要なの?」
ヒサノジョウ「物語の進行役になるからだ。いなくてもいいけど、主人公が行動する目的がはっきりしないから、子どもが読むと先が読みづらくて飽きる原因になると思う」
小四「ふんふん」

例えば、

・デスゲーム 
→ マスター「主催者」
→ 目的「脱出すること」

・ファンタジー
→ マスター「状況を説明してくれる王様・鍛えてくれる魔法使い」
→ 目的「お姫様を救う・魔王を倒す・世界を平和にする」

・サスペンス
→ マスター「重要な証拠を見つけてくれる刑事」
→ 目的「犯人を捕まえる・孤島から安全に脱出する・被害者を出さないようにする」

ヒサノジョウ「…というように、読者に対して説明が必要な時、状況が何も分からない人物が主人公だと説明できないでしょ。だから、主人公に教えるフリをして読者に世界観を説明するマスターが必要なんだよ

小四「なるほど」

ヒサノジョウ「だから、こんな感じで考えたから、ちょっと見て」

『少年探偵 ジョーカー(仮)』 

【物語の目的】
人形師 悪月が、作った12体の呪い人形を捕まえること。

【マスター】
ジジ・クク 

小四「猫なのに、マスターでいいの?」
ヒサノジョウ「じゃあこうすればいい」

人形師 悪月が、唯一作った猫の模型が「ジジとクク」

ヒサノジョウ「これなら悪月について詳しくてもおかしくないし」
小四「なんか、無理あるなぁ」
ヒサノジョウ「お前がいうな」

ヒサノジョウ「そして、ここから大事なんだけど……」
小四「うん」

ヒサノジョウ「探偵はやめよう」

小四「やだ!」

ヒサノジョウ「なんで!?」

正直、ラーメンの上にカツカレーをトッピングしているような、設定盛りだくさんで、胸焼けがしそうである。ここまで濃い設定なのに、今更探偵にこだわる必要がない。
むしろ主人公は、『純真な少年少女』のように、あっさりしていた方が話が流れやすいのではないか。

小四「だって、探偵はかっこいいから!」

そうだった……。
小三までの自分の夢は「探偵」だった。
当時、そのことを話したら、クラスの女子に

「儲からないよ」

と言われたことを覚えている。

これほどまでに精神年齢の差を痛感したことはかった、あの一言。

それで、作家に心変わりしたと言っても過言ではない。

ヒサノジョウ「そうか…探偵に憧れていたもんな」
小四「うん」


子どもの頃の自分を救ってやると決めた以上、子どもの頃の自分を無視することはできません。

かつて多くの人からいろいろなことを、教授いただいたが、自分の人生におけるマスターはいませんでした。

最後は自分で決めて、自分で進まなければいけない。

あえていうのであれば、「小四の自分」こそが、この作品を作るきっかけであり、この世界のマスターのように感じます。

「マスターはいなかったけれど、情熱はある」


そんな言葉が胸をよぎった今日この頃でした。

次回は、あらすじとプロットを決めます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?