見出し画像

仕事がつまらない話と、マズローさんの5段階説の誤謬について

よくご自身の仕事について「給料は悪くはないが、つまらない」「やりがいがない」といった話をよく聞きます。
分かります。私もそう思っていた時期があるし、今でもそうなることがあります。経営者でも仕事は仕事ですからね。

それで、これなんでかなと思っていたんですよ。
だっておかしいじゃないですか。お金はいいんでしょ?安定してるんでしょ?何が不満なの?

例えばこういう考え方があります。
マズローの五段階説というやつですね。

このモデルに当てはめて言えば、あなたはそこそこ幸せなはずなんです。

なのに、それを感じることができなくなってしまっている。

変ですよね?

もっと「上」に行かなきゃ行けないんですか?
それだと、人間のほとんどは不幸せってことになりません?
そんなことあります?あなたの周りの人はそれなりに幸せそうに見えませんか?

これね、当てはめるモデルが違うんですよ。
あなたや周りの人達の「幸せ」は、マズローの五段階説を導入する「から」達成しづらくなるんですよ。

そうではなくて、別の論理を導入して、その指針の通り幸せを目指したほうが、より幸せに近づける、そう言われたら、どうですか?
なんだか宗教めいていますね笑
安心してください、ノーベル賞も獲った、よく知られた理論です。
その理論は、プロスペクト理論と言います。
これを導入して幸せを目指したほうが、簡単に幸せを享受できます。
なにしろ「上を目指す必要がない」のですから。

さて、まずはプロスペクト理論についてですが、ざっくり言うと以下ふたつの理論から構成されます(ほんとはたくさんありますが、必要な部分だけ)。

  1. 人は獲得よりも損失の方がおおごとに感じる、その差は約2倍。故に損失リスクを避ける傾向にある。

  2. 人は幸福も不幸も「変化量」でしか認知できない。幸福→不幸→幸福→・・・・の中でしか、不幸も幸せも感じることができない。

大事なのは2)ですね。
そう、人は幸せも不幸も変化量でしか感じることができないんです。これは本能にインプットされたもので、例外はないです。
ずっと幸福な人は別に幸せではなく、ずっと不幸な人も、別に不幸ではない。少なくとも本人的には。

そしてこれはその他の感情についても言えます。
例えば冒頭の「仕事のつまらなさ、やりがいのなさ」についてです。
仕事がつまらないのも、やりがいがないのも、それがあまりにもルーティンワーク化されすぎて、もはや変化がないからです。

変化量がないから、つまらなく、やりがいもなくなってしまう。ただそれだけです。

本当に、ただそれだけなんです。

いいですか、仕事の内容そのものではなく、変化量なんです。
今日も明日も同じ仕事だったら、それがなんであれ、あまり楽しくはないものなってしまいます。
(ここを補強するのに「誇り」というものがありますが、現代は仕事に誇りを持つのが極めて難しいので存在しないものとして扱います)

だから、これに対する処方箋は、仕事に変化量を付与するしかありません。
これは簡単なことではないです。仕事の内容は変わらないのですから。
私がおすすめするのは転勤とか、部署異動とかですね。
昇格は人によるので一概には良いとは言えません。
とにかく、変化を好むのです。そのほうが難しく「やりがい」「仕事の使命」とか考えるよりも、簡単に幸せになれます。

もちろん仕事での変化が望めないのであれば、趣味側に傾倒するのだって手です。
その時だって「大事なのは変化量だ」ということを忘れずに。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?