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17歳になっても生理がこない。

小学4年生になると、女子が保健室にいく授業がある。

男子禁制「生理の授業」。

それは私たち女子からしても、なんとなく恥ずかしい授業であり、男子に至っては保健室でエッチな話をされている、そんな想像を膨らますような一時間である。

眼鏡をかけた保健の先生が、生き生きとナプキン片手に女とは!命とは!を10歳に問いかける。今から私たちの体はオッパイが大きくなりお股には毛が生え、愛する人に出会いゆくゆくは妊娠をするといった思春期ヨーイドンの私たちには、なんとも気まずい話。

10歳といっても発育のいい子だと生理がきている。
かくいうわたしも148cm37キロと発育のいい部類であった。
見つからないようにランドセルから小さなナプキンポーチを取り出し、トイレに行く友だちが少しだけ大人に見える。

小学5年生になった。
母「生理きた?パンツに血ついたら教えるんだよ。この棚のなかにナプキン入ってるから使ったらこっちに捨てて。」
母に言われるのもなんとなく恥ずかしいものなのだ。
そう聞かれた私は、何を思ったのか「うん。もうきてる。」と、嘘をついてしまった。
母が思っているより、もう子どもじゃない。
私はとっくに大人になったのよ。そんな表情をしながら。

この表情、のちの人生でもう一度だけしたことがある。
初めて彼氏ができた時、運転している母が後部座席の私に避妊の話を30文字程度でしてくれた時である。

中学1年生になるとさすがに焦り始めた。
自分の身体はおかしいのか?オッパイは大きくなってお股の毛も生えてきたというのに、生理がくることはない。
学校でも友だちと生理の話をしながら、使うことのないナプキンポーチをトイレまで持って行った。

不安になると必ず保健の教科書を開いて「身体の成長は個人差がある」の文字に胸を撫で下ろしていた。

そのうち…そのうちきっと…と、思っている間に17歳になってしまった。

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