あなた達が泣いたらアカン
ひとつ思い出せば、芋づる式に思い出す今日この頃、朝晩が過ごしやすくなりましたね。
今日のアカンは、前回の中学生時代から少し成長した高校生時代のアカンです。
高校2年の保健体育の授業でした。2クラス合同、女子ばかりでの保健体育の授業はまたも発表の場です。
テーマは『悩み事』についてでした。
リアルな悩み事を吐き出しても良いし、自分なりの克服した体験などを一人づつ発表します。
最初は遠慮がち
この年代の悩み事No.1は受験ですが、どこの大学を受験するかなんて言いたくありませんよね。
次は友達関係ですが、デリケートな悩みを友達でもない人までに知られたくはありません。だから最初は部活の事とか、塾の事とかをオブラートに包みながらの発表が続きました。
発表後のディスカッションも、そないに盛り上がらずサラーっと森山の番になったのです。
当たり障りのないちんまい悩み話を準備していたのですが、とにかくつまらなかった森山は急遽、誰も触れない失恋体験を話そうと閃きました。
アオハル真っ只中、恋の話なくして何が保健体育ぢゃ!あ〜面白くない!退屈過ぎるわ!
笑かしてナンボ
この頃には、森山のモットーでもある「笑かしてナンボ」の精神が確立され、生まれたときから埋め込まれる関西DNAも元気に活動中でした。
中学3年生の時に初めて告白してフラレた体験を、笑いに変えてみせるとほくそ笑みました。
森山が中学2年生の時に同じクラスのA君を好きになり、クラスが離れた3年の冬に告白しました。
断られ方が悲惨でした。
全女生徒が泣いた
受験を控えていたので、卒業してから良ければ付き合って欲しいと告白したのですが。断るにも、少し優しさが欲しかった。
──ごめん、好きな人がいるねん。
──今は彼女は考えられないから。
と、言いようはあるはず。なのに、A君の返事は
「ダメ」
何が?どこが?どうして?どうやって?
一言?なんで笑顔?何がしたい?
ここまで話したら、教室内は時間が止まり、先生までもうつむいています。
ココ、笑うとこやん、笑って憂いを吹き飛ばそうよ、恋する女子達。
森山はもう笑い話に昇華されていますが、リアル片思い中の女子達の乙女心を刺激してしまった様子。
──酷い……
──つぐみん可哀想……
──なんなんそれ……
空気が重い。なんだか雰囲気が変わってきたよ。
トドメの裏事情
森山もわかっていたのですが、A君は森山の友人が好きで片思いだったのです。
なんて話していると、女子達は鼻を啜りだし、ハンカチで涙を拭いている人もいるよ!
涙って、悲しみって、伝染するんですね。
報われない片思い中の人、過去の失恋を重ねた人、単に同情してくれた人が、ガチ泣き状態でした……。
あなた達が泣いたらアカンやろ。
「失恋しても2〜3日の絶望感後、立ち直りました。ご飯も美味しく食べれたし、何より、アカンならば仕方ないです。今は、ジャッキー・チェンに夢中です」
こう締めくくりました。
森山の失恋話は学校中に広まり、知らない女子からもあたたかい言葉をかけられる毎日。
「森山さん、保健体育の発表カッコ良かった!私も泣いたわ~」
「森山さん、ほんまにフラレたん?良かったら誰か紹介しよか?」
片思いからの失恋話で、女子のハートを撃ち抜いてしまった森山でした。
笑いが涙に代わるアカンでしたが、今日は7アカンを達成しました。
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